【2026年最新】日本株は144年で584万倍に成長|配当再投資と複利の威力をNISA初心者向けに解説
「日本株は失われた30年で全然ダメ」——SNSではよくこんな声を見かけます。
ところが、明治大学が公開した最新研究によると、日本の株式市場は誕生から144年間で、配当再投資込みで約584万倍に成長していたことが分かりました。
この記事の結論
① 日本株は1878年〜2022年の144年間で約584万倍(配当再投資込み)
② カギは「配当再投資 × 長期保有 × 複利」
③ 完璧な国を選ぶより「分散して長く続ける」ことが学術的に支持されている
④ 一人で144年は無理。家族で世代を跨いだ投資なら・・・
1. そもそも何が起きた?「144年で584万倍」の正体
ざっくり言うと
明治時代から現在までの日本株を、配当を再投資し続けて持っていたら、1円が約584万円になっていた、というお話です。
明治大学が作った「三和・岡本日本株価指数」とは
これまで日本には、戦前期(1878〜1951年)の信頼できる株価指数がありませんでした。そこで、明治大学の三和裕美子教授と、I-Oウェルス・アドバイザーズの岡本和久氏らの研究チームが、戦前の個別株価・資本金・配当金・増資データを地道に収集し、新しい指数を構築しました。
それが「三和・岡本日本株価指数」です。これを戦後のTOPIX配当込み指数と接続することで、日本株式市場誕生からの144年間を一本のグラフでたどれるようになりました。
3つの指数で構成されている
① PI(価格指数):株価そのもの
② API(修正株価指数):増資権利落ちなどを調整
③ TRI(配当込修正株価指数):配当を再投資した場合の指数 ← これが584万倍
なぜ「584万倍」になるのか?
ポイントは配当の再投資です。株価そのものの上昇だけではここまでの数字にはなりません。
受け取った配当を使わずに再び株を買い、そこから生まれた配当でまた株を買う…という複利のサイクルが144年間積み重なった結果です。
複利とは「利息が利息を生む状態」のこと。雪玉を坂道で転がすと、最初は小さくても、転がるほど雪を巻き込んで大きくなっていく——あのイメージです。
2. 過去の研究と何が違うのか?
ざっくり言うと
これまでの日本株の長期データは、海外の研究も含めて「継ぎ接ぎ」で精度に課題がありました。今回の研究はそれを大幅に改善した、現時点で最も信頼できるデータです。
海外研究(Dimson-Marsh-Staunton)との違い
世界の長期株式リターン研究で有名なのが、ロンドン・ビジネススクールのDimson, Marsh, Staunton(DMS)による『Triumph of the Optimists(証券市場の真実)』です。シーゲル教授の『株式投資』でも引用されている、いわばグローバルスタンダードといえます。
ただし、この研究の日本部分のデータは複数の異なる手法のデータを継ぎ足したもので、専門家からは「精度に課題がある」と指摘されてきました。
国内の先行研究との違い
国内でも、藤野・秋山[1977]、小林[2000]、鈴木[2012]など多くの先行研究がありましたが、戦前期に特有の増資権利落ち・金融制度などの調整が十分でないものもありました。
今回の三和・岡本指数は、こうした過去研究の問題点を踏まえてアップデートされた、現時点で日本最良の長期株価データといえます。学術的に信頼できる根拠として、長期投資を語るうえで非常に意義のある仕事です。
3. それでも「日本株は30年停滞したよね?」への答え
ざっくり言うと
はい、停滞期は事実あります。でも長期データから見れば「停滞期」はどの国にもあり、対策は「やめる」ではなく「分散する」です。
停滞期はどの国にもある
バブル崩壊後の日本株が長く低迷したのは事実です。ですが、米国にも1929年の大恐慌から回復まで約25年、1966〜1982年の実質ゼロ成長期がありました。ドイツ、フランス、イギリスにも同様の時期があります。
国際的な経済学カンファレンスでは、各国の研究者が「うちの国はバブルを4回経験した」「うちはハイパーインフレもあった」など、危機自慢で盛り上がるそうで。日本のバブル崩壊は決して特別ではないのです。むしろ、戦後の経済停滞耐性で言えば日本は健闘している部類かもしれません。
では初心者は何をすればいい?
停滞リスクへの3つの王道
① 国を分散する:オルカン(全世界株)はこの考えそのもの
② 資産を分散する:株だけでなく債券・現金もバランスよく
③ 自分の稼ぐ力を高める:投資成果に依存しない収入の柱を持つ
4. 学術的に支持される「長期投資の本質」
ざっくり言うと
過去100年以上のデータでは、ある程度信頼できる株式市場を持つ多くの国で、株式は長期的に投資家の期待に応えてきました。
株式リスクプレミアムという考え方
学術の世界には「株式リスクプレミアム」という概念があります。これは、株式は債券などより値動きが大きい(リスクが高い)ぶん、長期では追加のリターンで報われる傾向がある、というファイナンス理論の中核です。
DMSのYearbookによれば、1900〜2022年の世界平均で、株式は債券より年率約4〜5%上回るリターンを出してきました。日本でもこの傾向は確認されています。
未来は予測できない、でも「期待値」は語れる
過去100年の事実があっても、未来100年が同じになる保証はゼロです。ただし、資本主義の競争原理・企業の利益追求・人間の合理性を信じるなら、長期で成長に賭けるのは「分の悪くない賭け」だと、多くの研究者が指摘しています。
5. 一人で144年は無理。だから「世代を超える発想」
ざっくり言うと
一人の人生では数十年が限界。でも子・孫の代までインデックス投資を続けられれば、複利の力は世代を超えて家計を支えてくれます。
1878年は明治11年、るろうに剣心の時代
日本に株式市場が誕生した1878年は、明治維新の10年後、西南戦争の翌年です。
明治11年と言えばるろうに剣心の時代。そこから今日まで、戦争・恐慌・バブル・崩壊・震災・コロナと、あらゆる試練を超えて株式市場は生き残ってきました。
世代を超える投資の現実的な姿
たとえば祖父母世代が始めた投資を、親世代が継ぎ、子世代が引き継ぐ——これが現実的な「超長期投資」の形です。昔は一部の富裕層しかできませんでしたが、今はNISA口座と数百円から、田舎の一般家庭でもインデックスファンドが買える時代になりました。
6. よくある反論への再反論
反論①「戦後に財産没収されたから投資は無駄」
たしかに歴史上、財産税や預金封鎖はありました。
ですが、「だから投資をしない」はこれもまた極端で。
合理的な対応はこうです。
- 株式投資は続ける(長期で見れば資産形成に有利)
- 同時に、もし本当に心配なら複数国の居住権・収入源・脱出手段なども検討する
- 没収された後でも、再び投資をすればよい(戦後に日本株を買った人は十分報われた)
じゃあどうすればいいかまで踏み込むと変な回答が多かったりもします。
反論②「実物の金(ゴールド)を持てば安心」
戦後、財産も没収されるような混乱期に金塊を有効に使えるかは別問題です。
盗難・詐取のリスクは無視できませんし、流動性も限定的です。ポートフォリオの一部として持つのは合理的ですが、「現物の金なら安心」というのは想定が甘い印象です。
反論③「日本は政治が不安だから日本株はダメ」
これは半分正しく、半分は対策可能です。
不安があるならオルカン(全世界株)でグローバルに分散すれば、日本一国のリスクは大きく薄まります。MSCI ACWIの構成を見れば、日本の比率は約5〜6%にすぎません。
個人投資家の投資環境が悪くなるリスクもあります。投資人口を増やして皆で反対の声をあげたり、選挙に行きましょう。
7. NISA初心者の実践ステップ
ざっくり言うと
難しいことは考えず、低コストのインデックスファンドに投資。これだけで、144年の歴史的データが示す王道に乗れます。
8. まとめ
この記事の要点
✅ 日本株は144年間で約584万倍(配当再投資込み)
✅ 主役は「長期 × 配当再投資 × 複利」
✅ 停滞期はどの国にもある。対策は分散
✅ 学術的にも「長期・分散・低コスト」が支持されている
✅ 一人で144年は無理。だから仕組み化して淡々と続ける
私自身は日本という国が好きですし、今後もっと良くなってほしいと願っています。
ただ投資戦略としては、分散の原則に従ってオルカンなどを中心に積み立てていく——これが歴史と理論に支持された、初心者にも続けやすい王道だと考えています。
9. Q&A
一方で、人的資本や事業、不動産等と合わせると過度に日本に集中しているのでそれを避けるために金融PFは海外にという考え方も一理あります。
オルカンを買えば自動的に約5〜6%の日本株が含まれます。日本に強気なら個別に追加してもOKですがホームカントリーバイアスに気をつけましょう。
10. 参考文献・出典
- 日本経済新聞「市場誕生起点の日本株指数、144年で584万倍 明治大学」
- 明治大学プレスリリース「日本の株式市場の戦前期データベースを構築 140年にわたる歴史的趨勢が明らかに」
- 三和裕美子・岡本和久「昭和初期株式市場のパフォーマンスインデックス算出による検証」
- Dimson, Marsh, Staunton『Triumph of the Optimists: 101 Years of Global Investment Returns』
- Jeremy J. Siegel『Stocks for the Long Run(株式投資)』
- Markowitz, H. (1952) "Portfolio Selection," Journal of Finance
- 藤野正三郎・秋山涼子(1977)/小林(2000)/鈴木(2012)各先行研究
- MSCI ACWI Index 構成データ
※本記事は学術研究および公開データに基づく情報提供であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事は数年前に書いた物のリライトですが、
あの時はまだ日本株が今ほど強くなく、「日本株はクソ」「日本株を買うやつはクソダサい投資家だ」と煽る投資インフルエンサーも複数人いました。私も日本株は割安だから良い投資対象だという記事を当時何度か書きましたが、批判コメントをよく貰いました。
でも、そういった不遇の時代を経てそれら批判に負けず、日本株に投資を続けた方は今きっと報われていると思います。心からおめでとうございます!と申し上げます。
いつもありがとうございます。
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