最終更新日:2026年5月5日
【2026年最新】オルカンとオルカン(除く日本)の違いは?初心者向けにやさしく徹底解説
新NISAで大人気の「オルカン」。でもよく見ると、似た名前のファンドがもう1本あります。それが「オルカン(除く日本)」。
「結局どっちを買えばいいの?」
「日本株を抜いた方がパフォーマンスがいいって本当?」
「そもそも何が違うの?」
…と迷っている方は多いはずです。
この記事では、チャート・数字・実際のパフォーマンスを見ながら、両者の違いと「どう選べばいいのか」を、初心者の方にも分かりやすく解説します。さらに、他の記事ではあまり触れられない「ポートフォリオを少しいじってもほぼ意味がない」という重要な事実まで踏み込みます。
- オルカンとオルカン(除く日本)の中身の違い
- どんな人にどちらが向いているのか
- 実際のパフォーマンス比較(チャート&数字)
- 「少しだけ加える投資」がほぼ無意味な理由
- 初心者が選ぶべき結論
1. オルカンとオルカン(除く日本)とは?まずは基礎から
1-1. 名前のとおり「日本を含むかどうか」の違い
正式名称は次のとおりです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)=通称「オルカン」
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
オルカンは金融理論に忠実で、全世界の株式に時価総額加重で投資するとてもシンプルな商品です(左)。
そこから日本株式市場を抜いた指数に連動するのが「オルカン(除く日本)(右側)」です。
オルカンの中の日本株比率は約5.5%しかありません。つまり、日本を抜いても残りの94.5%はほぼ同じ。これが後の「ほとんど成績が変わらない」理由につながります。
2. どんな人にどちらが向いているのか
2-1. オルカンが向いている人
オルカンは、これから株式投資を始める方にとって最適な商品の一つです。1本買うだけで全世界に分散投資できるので、迷ったらまずこれでOKです。
2-2. オルカン(除く日本)が向いている人
こんな方には「除く日本」が選択肢になります。
- もともと日本株や日本株投信を持っている人
- 目標とする資産配分(アセットアロケーション)に向けてポートフォリオを組みたい人
- 不動産・国内債券など日本に資産が集中している人
- 給料など人的資本が日本や円に偏っているのが気になる人
今でこそオルカン1本で全世界株式に投資できますが、昔は海外投資が難しく、コストも高かった時代がありました。その流れで「日本株は別で持って、海外は外国株ファンドで補う」という考え方が一般的だった――その名残が「除く日本」シリーズなのです。
3. かつての主流「日本株」+「外国株」の考え方
日本年金機構(GPIF)のポートフォリオや、山崎元氏の昔の本などにも書かれているように、日本人投資家にとっての基本は
これを、リスクとリターンが最適となる比率で組み合わせる――というものでした。
近年は米国株人気の影響で、米国人にとって馴染みのある「S&P500(米国株)+それ以外」という形で語られることも増えました。ただし、もしこの考え方をするのであれば、日本人視点で考えることを忘れないよう注意が必要です。
余談ですが、同じeMAXIS Slimシリーズの均等配分型(3地域均等・4資産均等)も、米国株ではなく「日本(国内)株式」を株式アセットの軸にしつつ、他の資産を組み合わせる構成になっています。
「期待リターンもリスクも相関も全くわからない」という前提に立つなら、均等に分けるのは合理的です。また、時価総額加重が嫌な方(為替リスクを抑えたい・バリュー的に逆張りしたい)にも向いています。
4. 【本題】チャートと数字で比較してみると…
4-1. チャートはほぼ同じ動き
結論から言うと、オルカンとオルカン(除く日本)の間には、ほとんど差はありません。
青:除く日本/赤:オルカン。重なって見えるほど、ほぼ同じ動きです。
4-2. 数字で見てもほぼ同じ
左が(除く日本)/右がオルカン。リターン・リスクともにほぼ同水準です。
どちらが良いかは、VTIとVOOの関係に近く、ほとんど変わりません。理論的にはオルカンの方がベターですが、結局は投資を開始した日と終えた日の株価に依存する=「運」と言えるレベルの差です。
初心者向けインフルエンサーの中には、いろいろな期間や、期間をずらしたリターンを切り取って結論付ける方もいますが、そういうもので結論付けられるようなものではなく、運です。
数年前は「日本はオワコンだから除く日本の方が良い」という意見も多く聞こえましたが、日経平均が最高値を更新するとそういう声も小さくなりました。
5. 初心者が学ぶべき2つの教訓
教訓① 実際に「数字」で見ること
SNSでは「日本株が調子いいから除く日本に投資した人は残念」という意見もありましたが、実際はオルカンでも(除く日本)でもほとんど変わりません。
投資をする際は、作文や印象、イメージで判断せず、数字や事実を見る癖をつけましょう。事実・市場コンセンサス(予想)・自分の憶測を分けて考えるのも重要です。
教訓② ポートフォリオを少しいじってもほぼ意味がない
ここが今回の記事で一番重要なところです。
オルカンとオルカン(除く日本)で成績がほぼ変わらない理由は、
- オルカンの日本株比率が約5.5%と低いこと
- 他の先進国とも相関がある程度高いこと
つまり、ポートフォリオに、似たような動きをする資産を少しばかり加えても、リスク・リターンの改善にはほとんど貢献しないのです。
FANG+、インド株、グローバルサウス、半導体ファンドなどを数%加えてもほとんど意味がありません。趣味としてならOKですが、資産形成の効率で考えると、手間・コスト・管理・リバランス・時間といった追加負担が増え、人生の効率が落ちることもあります。
真剣に考えるなら、相関やリスクにもよりますが、一般的には例えばドイツとフランスのような、相関の高い投資対象であれば10%以上は加えないと改善効果は望めないことが多いです。
興味のある方は、
などを読んでみてください。逆にここら辺を勉強せずに、何となくインドファンドや新興国ファンドに手を出すのは勉強不足と言えるかもしれません。
6. よくある質問(FAQ)
A. 迷ったらオルカン(オール・カントリー)でOK。1本で全世界に分散でき、理論的にも素直な商品です。
A. 既に日本株のエクスポージャーがあるなら、「除く日本」を組み合わせるのは合理的な選択です。。
A. 楽しみとしてならOKですが、数%程度ではポートフォリオ全体への影響は限定的です(余程その対象が市場をアウトパフォーマンスした場合は別)。手間が増える分、むしろ非効率になることもあります。
A. 結果的に日本株比率が下がるだけで、意味のある分散にはなりません。どちらか1本に絞るのがシンプルです。
7. まとめ
- オルカンとオルカン(除く日本)の中身の違いは日本株(約5.5%)だけ
- チャートも数字もほぼ同じ。差は実質「運」レベル
- 初心者はオルカン1本でOK
- 既に日本株を持っている人は「除く日本」が合う
- 少額を追加で加えてもリスク・リターン改善効果はほぼゼロ
100円が10倍になっても所詮1000円。100万円や500万円のポートフォリオのシャープレシオが若干改善したところで、実際に手にできるお金はたかが知れています。
それよりも、週2万円稼げる副業(土日で1万円、平日4千円×5日でも約月8万円×12か月で約100万円)や、転職・昇給で本業の収入を上げる方が、確実に資産は増えますし効率的です。
山崎元氏等もおっしゃるように、5000万円や1億円以上を持っている方でなければ、小手先で少額をいじくりまわすよりも
オルカンなどにシンプルに投資をして、株式投資に費やす時間や労力を最小限にし、空いた時間で人的資本を高めたり拠出額を増やすよう努力する。これが、ほとんどの人にとって最も効率的な道だと思います。