中学生でもわかる「長期投資で元本割れしにくくなる」しくみ──3つの動きで理解する
「長期で投資すると、損する確率が下がる」とよく言われます。
でも、なぜそうなるのか? 仕組みをちゃんと説明している記事って、意外と少ないですよね。
この記事では、中学生でも理解できるレベルまで噛み砕いて、長期投資で元本割れ確率が下がる仕組みを解説します。読み終わる頃には、「なるほど、こういうカラクリだったのか!」とスッキリするはずです。
まずは結論
長く投資を続けると、お金の増え方には3つのことが同時に起こります。
① 平均は右上に動く(増える方向に進む)
② ブレ幅は広がる(上下の振れが大きくなる)
③ 形がゆがむ(下より上に長〜く伸びた形になる)
この3つが組み合わさると、「元本割れする確率」は少しずつ下がっていきます。順番に見ていきましょう。
① 平均は「斜め上」に動いていく
株式は、長い目で見るとプラスのリターンが期待できます。
無理リスク資産や債券よりもリスクが高いため、投資家はそれ相応のリターンを要求し(リスクプレミアム)、資金を調達したい企業はそれに応じるといったインセンティブが期待できるからです。
しかも投資には複利という力があります。利益がさらに利益を生むので、平均的な資産額は、
「まっすぐ上」ではなく「斜め上にぐんぐん伸びていく曲線」
になります。これを難しい言葉で「ドリフト(漂流)」と言います。
川の流れみたいに、ゆっくり一定方向に(株式市場の場合は右上に)押し流されるイメージです。
② ブレ幅は「横」に広がっていく
一方で、株価は毎日上がったり下がったりしますよね。このブレは時間が経つほど積み重なっていきます。
- 1年後 → 上にも下にも、そこそこ動く
- 20年後 → 上にも下にも、めちゃくちゃ動く可能性がある
つまり、未来の資産額は「ありえる可能性の範囲」がどんどん横に広がっていくわけです。
③ 形は「右に長く伸びた山」になる
ここがちょっと面白いところ。
普通、ブレ幅といえば左右対称の山(釣鐘型)を想像しますよね。でも、お金の場合はそうなりません。
なぜか?
| 方向 | 限界 |
|---|---|
| 下方向 | 0円より下には行けない(借金しない限り) |
| 上方向 | 理論上は無限大に増えられる |
つまり、
- 下は「0円」でストップ
- 上はどこまでも伸びられる
その結果、資産額の分布は「右に長〜く尻尾を引いた山の形」になります。
これを「対数正規分布(たいすうせいきぶんぷ)」と呼びます。
イメージで言うと、こんな感じ。
左側はぎゅっと詰まっていて、右側にゆる〜く長く伸びた形。
なぜ「元本割れ確率」が下がるのか?
ここまで理解できたら、本題に入れます。
1年後のあなた
ブレ幅が大きすぎて、プラスになるかマイナスになるかはほぼ運任せ。コイン投げみたいなもので、半々に近い。
20年後のあなた
毎年の「上がった」「下がった」が打ち消し合いながら、だんだん平均的な利回りの近くに落ち着いていきます。
そして②で見たとおり、平均そのものが右上に動いているので、分布の山全体が、元本のラインより右側(プラス側)に移動しているわけです。
つまり、
🔑 「平均が右に動くスピード」が「ブレ幅が広がるスピード」を上回っている間は、山の左端が元本ラインを下回る面積(=元本割れ確率)はだんだん小さくなる。
大事な注意点
この話、いいことばかり言っているように聞こえますが、勘違いしてはいけないことがあります。
| 〇 正しい理解 | × よくある誤解 |
|---|---|
| 元本割れの確率は下がる | 元本割れしなくなる |
| 平均は右に動く | みんな平均通りになる |
| ブレ幅は広がる | 長期だと安定する |
⚠️ 確率が下がるのとゼロになるのは全然違います。
20年・30年経っても、運悪く山の左端(元本割れゾーン)に入ってしまう可能性はあります。
📌 この記事のまとめ
- 🚀 平均が斜め上に動く(複利+プラスの期待リターン)
- 📏 ブレ幅が横に広がる(時間とともにリスク蓄積)
- 🎢 形が右に長く伸びる(0円が下限、上は無限大)
- この3つの合わせ技で、山全体が右に動き、左端が0円で止まる
- 結果として元本割れ確率は下がる。ただしゼロにはならない
本記事は投資判断を提供するものではなく、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。
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