【一緒に勉強しませんか 第9回】
さて、今回のテーマは「米国企業の死」
さて、今回のテーマは「米国企業の死」
米国企業への長期投資が流行している今日この頃ですが、
米国個別企業への投資は、短期投資も難しければ長期投資も難しいと私は思います。
早速今回も、データや数字を見ながら一緒に勉強していきましょう。
【復習】
1950年から2009年までの間、
米国株式市場では2万8853社が上場しました。
米国株式市場では2万8853社が上場しました。
しかし、2009年までに2万2469社、約78%の企業が市場から姿を消しました。
内訳は、約45%が他の企業による吸収・合併。
倒産・清算が約9%。上場廃止が約3%となっています。
【米上場企業の死亡率曲線】
下の図は、1950年から2009年までに米国市場に上場した企業の死亡率曲線です。
生存率曲線同様に、IPO後10年以内に半数の企業が亡くなり、30年以上生き残る企業が稀だという事がわかります。
〇倒産・清算により死んだ企業の死亡率曲線
内訳は、約45%が他の企業による吸収・合併。
倒産・清算が約9%。上場廃止が約3%となっています。
【米上場企業の死亡率曲線】
下の図は、1950年から2009年までに米国市場に上場した企業の死亡率曲線です。
生存率曲線同様に、IPO後10年以内に半数の企業が亡くなり、30年以上生き残る企業が稀だという事がわかります。
〇倒産・清算により死んだ企業の死亡率曲線

〇吸収・合併により死んだ企業の死亡率曲線

スケール 下:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則より引用
上下のグラフを見てわかるとおり、企業の死亡理由(倒産か・合併か)によって、
死亡率曲線(前回の生存率曲線も)はあまりかわらないことがわかります。
次に注目して欲しいのが企業のサイズ。
どのサイズの企業も死亡率曲線は似通っていて、
サイズによっても死亡リスクはあまり変わらないという事がわかります。
【投資家にとって重要なポイント】
Geoffrey West氏の研究によれば、
エネルギー、IT、金融、他どの産業でも似たような指数関数的な生存率曲線及び死亡率曲線がみられ、
死亡原因が何であっても10年以上続く米国上場企業は半数しかないということ。
そして、企業が死ぬリスクは「年齢」や「サイズ」に無関係という事がわかっています。
「補足」
「企業が何歳であっても、一定期間の死亡率は変わらない」
この点は、わかりにくいと思うので簡単な例で補足します。
例)期間を1年とした場合、上場6年目の企業が7年目に達する前に死ぬ割合と、
創立50年目の企業が51年目に達する前に死ぬ割合は同じということです。
【この研究の課題】
ただ、この研究にはいくつか課題があります。
60年間という短い期間のデータしか反映されていないこと。
1950~2009年に上場した企業しか反映されていないこと。
注)ウェルズ・ファーゴやフォードのように、1950年以前に上場しかつ2009年まで生存しているいくつかの企業のデータは反映されていない。
ただ、Geoffrey West氏は、
この60年という期間の短さを補うため、
「生存時間解析」という薬学等で用いられる手法を使い更に検証を行い、
その結果、米国上場企業の「半減期」は約10.5年に近いことが判明しました。
つまり「どの年に上場した企業でも、半数が10.5年で消える」ということです。
【まとめ・感想】
個人的におもしろいなと思ったのは、
死因や業種によって死亡率曲線は変わらないこと。
企業が死ぬリスクは「年齢」や「サイズ」に無関係だということ。
この2点ですね。
一般的によく言われている「米国の大企業だから」とか
「50年以上続いている米国企業だから」というような理由では、
安心して長期投資をするための、あまり有力な根拠にならないという事がわかります。
米国企業が上場する瞬間は大抵注目が集まりますが、
米国企業の死についてはあまり注目されません。
Geoffrey West氏の研究を基にしたこれらのデータを、
それぞれの投資にお役立ていただければ幸いです。
私はS&P500に投資を続けていきたいと思います。
いつもありがとうございます
