【増配の力】
マネックス証券の岡本平八郎さんが素敵なツイートをしていたので紹介します。
1999年末にプール(POOL)に100万円投資をしていたら、
約22年後の2022年の配当は70万円で、
配当利回りは70%になっていたというお話です。
HUTCH ハッチ (岡元兵八郎)@heihachiro888
昨日のマネックス全国投資セミナーの米国株資料から。プール建設用資材を売ってるニッチな会社のプールコーポ(POOL)に1999年末100万円投資をしたら、それに対する今年の配当利回りは70%(配当金70万円)になっています。こういう… https://t.co/7WqoD5lFUB
2022/08/28 06:09:17
優良企業への長期投資や増配の力がよくわかるお話ですね。
もし、その過程でもらった配当を再投資し、保有数を増やしていれば、
さらに今年貰える配当額は更に増えたことと思います。
【バフェットとコカ・コーラ】
これと似た話はいくつもありますが、とりわけ有名なのがバフェットとコカ・コーラの話でしょう。
バフェットは以前「コカ・コーラを10本買えば、そのうち1本(の利益)が私の元に入ってくる」というようなことを述べていました。
しかし、実際のところはもっとえげつなく、
2018年時点で、バークシャーの取得単価で計算したコカ・コーラの配当利回りは48%(取得金額1,299百万ドル、年間配当総額624百万ドル)となっています。
その後もコカ・コーラは増配していますから、今年はもっと高い利回りになっていることでしょう。
また、これはあくまで配当だけの話で、1977年5月のコカ・コーラの株価は0.7487ドルで、現在63.11ドルですから、株価も約84倍となっています。
【ポイント】
コカ・コーラの配当利回りは現在2.7%。増配とともに、株価も上昇しているため、現在の配当利回りだけみると普通に見えますが、
昔から長くコカ・コーラを保有していた人の『投資した金額』に対する実際の配当利回りは、5%なり10%なりと、より高いものとなっていると思われます。
投資初心者の方の中には、目先の配当利回りばかりを追って投資対象を選んでしまう方もいますが、この視点も忘れないよう注意しましょう。
減配や倒産リスクの高い会社の目先の高配当利回りより、堅牢な財務基盤と安定したキャッシュフロー、株主還元の文化など持つ「普通の配当利回り」の優良企業に長期投資した方が、
結果的には、あるいは将来的には。より高い配当を安定して手に入れることができる場合もあります。
【S&P500全体でも増えてます】
さて、ここまでは米国個別企業の話をしてきましたが、
これはS&P500企業全体に関しても言えます。
1990年以降、S&P500企業全体の一株当たり純利益は年間平均25.6%増、
配当は年間平均5.7%増となっています。

https://media.monex.co.jp/articles/-/18211参照
全米株式を対象としたETF、VTIの分配金も、
暴落時などに多少減ることはあるものの、基本的には右肩上がりで増えています。
これはS&P500に連動するVOOなどのETFや投信にも言えます。

2001年にVTIを60ドルで購入した人の、2021年の配当利回りは約4.88%。
そこら辺の高配当株並みに高く、個別株企業の抱えるリスクもない、もしくは大幅に軽減できるため、個人的には高配当・インカム好きな方にも良いのではないかと思います。
間違った企業を選択する銘柄選択リスクや難しさ、手間もありませんし、『インデックス投資を最終的に高配当株に乗り換える』といった戦略を実行する際に掛かる税金もありません。
多くのアクティブファンドが長期的にベンチマークを上回れないこと考えると、
特に初心者の方や投資のスキルがない方は、変にあれこれ動き回るより、こちらの方が良い結果になる場合が多いでしょう。
以前何度か記事にしたのでここではあまり触れませんが、効率だけを考えるのであれば、配当など出さずに、勝手に再投資してくれた方が効率的だということを付け加えておきます。DRIPマジでお願いします。
【まとめ】
今回の話で最も伝えたかったことは、
「長期的に正しい投資対象に投資を続ける事の力」です。
実際、プールもコカ・コーラも長期的に投資をしていた投資家に、ものすごいリターンをもたらしました。
ただ、これが意外に難しい。
プールやコカ・コーラになれず、途中で散っていった企業も多いうえに、
投資家自身が投資を続けることを放棄してしまうこともざらにあります。
ですから、個人的には
①長期投資を続けられるよう、予め無理のない範囲で投資をすること。
そして、②できるだけ長期投資に適しているであろう正しい投資対象を選ぶ事が大切だと思います。
後者に関しては、絶対とは言えないものの、
全世界株式インデックスなどが最も無難かなと思います。
急がば回れとよく言いますが、お金持ちになりたい方や、老後安定した配当を得たいという方こそ、
逆に目先の利回りにばかり注目せず、合理的に淡々と、じっくりとできるだけ正しいであろう投資対象に投資を続けることが大切なのではないでしょうか?
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