【戦術的アセットアロケーション戦略】
昨年の市場の混乱や、景気後退の懸念を受けて、
従来のバランスのとれたポートフォリオ(60/40など)や
戦略的な資産配分に基づく、一般的なインデックス投資はダメだ。
市場のトレンドや経済状況をよんで、
動的に資産配分ポートフォリオを動かす、
「戦術的アセットアロケーション」が良いとする声を
しばしば耳にするようになりました。
では、例えば、「現金+オルカン」や「S&P500」に
ただ黙って投資するだけの基本的なインデックス投資
つまり、「戦略的アセットアロケーション」戦略をやめて、
「戦術的アセットアロケーション」戦略にに切り替えた方がよいのでしょうか?
【バンガードの分析】
下の図は、
緑、戦術的アセットアロケーションファンドと、
橙、戦略的アセットアロケーションファンドの
様々な期間におけるリターンの分布を示したものです。

出典、モーニングスターの2021年12月31日現在のデータを利用してバンガードが計算したもの。
優秀な成績で名門大学を卒業したアナリスト軍団、
高度なコンピューター・モデル、最新の設備、
その他一般的な個人投資家を上回るリソースなど
プロの資産運用者が持つ様々な利点にも拘らず、
戦術的アセットアロケーションファンドは、
戦略的アセットアロケーションファンドと比較して、
リターンの中央値が低く、結果の分布が広い(リスクが高い)ことがわかりました。
一部の戦術的アセットアロケーションファンドは、
短期的には、戦略的アロケーションファンドを上回ることがありますが、
どの戦術(ファンド)が正解かを事前に知るすべはありませんし、
長期的にみると、勝ち続けられるファンドはほとんどありません。
【5つの難題】
一見すると、賢明に思えるトレンドや市場を予測して動き回る戦略ですが
実際は、ほとんどのプロの投資家でさえ、
長期的にみると、ただ黙って市場に居続ける戦略を上回ることは容易ではありません。
市場を予測し、タイミングを計って戦術的に動くのが難しいのには理由があります。
各戦術を成功させるためには、
正しい投資判断を、1度成功させただけでは不十分だからです。
ざっと考えただけでも5つの投資判断を正確に行わなければなりません。
②ある資産クラスや市場から退出するタイミングを、正確に1日単位で特定する。
③ある資産クラスまたは市場へ戻ってくるタイミングを、正確な日を特定する。
④配分のサイズ(どの程度PFを動かすか)を考える。あまりに小さいとほとんど意味がない。
⑤コスト(取引コスト、スプレッド、税金など)を正当化できる取引を実行する。
また、コストを考慮する必要もあります。
どんな戦略であれ、高いコストはリターンを押し下げます。
【まとめ】
景気後退や株式市場の不調を予想し、
「インデックス投資はダメだ○○がいい」という意見が最近また増えてきました。
市場が良い時も、悪い時も、なぜか定期的に増えてくる時期がありますよね(笑)
でも、長期的にただ黙ってインデックスファンドを
シンプルに保有し続ける戦略を、
コスト控除後のリターンや
コスト控除後のリスク調整後リターンで上回ることはプロでもなかなか難しいのが現実です。
先ほど挙げた5点を完璧に何度も再現性をもって実行できる方など、
ずば抜けたスキルや運をもつ方は別ですが、
普通に資産形成を行っている、一般的な個人投資家の方であれば、
プロでも困難な難題に、人生の時間や労力や限られたリソースの多くを割くより
(少ないリソースで市場を上回れるほど株式市場が簡単だといいのですが)
より努力が結果に繋がりやすい所にリソースを割くことが合理的だと私は思います。
私は投資が下手な素人などで、収入を上げる努力をしたり、
人生を楽しむことに力を注ぎつつ、
これからも楽しくやっていきたいと思います。
いつもありがとうございます。
各戦術を成功させるためには、
正しい投資判断を、1度成功させただけでは不十分だからです。
ざっと考えただけでも5つの投資判断を正確に行わなければなりません。
①将来の短期的な市場リターンを示す信頼できる指標を特定する。
②ある資産クラスや市場から退出するタイミングを、正確に1日単位で特定する。
③ある資産クラスまたは市場へ戻ってくるタイミングを、正確な日を特定する。
④配分のサイズ(どの程度PFを動かすか)を考える。あまりに小さいとほとんど意味がない。
⑤コスト(取引コスト、スプレッド、税金など)を正当化できる取引を実行する。
例えば、現金化するのであれば、
現金化するタイミングだけではなく、
株式市場に戻ってくるタイミングも正確に当てなければいけません
現金化するタイミングだけではなく、
株式市場に戻ってくるタイミングも正確に当てなければいけません
コロナショック渦中に現金化したバンガードの投資家のほとんどが、
市場に戻ってくるタイミングを間違え、
結果的にコロナショック前の資産配分を、
ただ黙って維持した方が良い結果となっていたことが、
バンガードの調査でわかっています(過去記事参照)
市場に戻ってくるタイミングを間違え、
結果的にコロナショック前の資産配分を、
ただ黙って維持した方が良い結果となっていたことが、
バンガードの調査でわかっています(過去記事参照)
また、コストを考慮する必要もあります。
どんな戦略であれ、高いコストはリターンを押し下げます。
【まとめ】
景気後退や株式市場の不調を予想し、
「インデックス投資はダメだ○○がいい」という意見が最近また増えてきました。
市場が良い時も、悪い時も、なぜか定期的に増えてくる時期がありますよね(笑)
でも、長期的にただ黙ってインデックスファンドを
シンプルに保有し続ける戦略を、
コスト控除後のリターンや
コスト控除後のリスク調整後リターンで上回ることはプロでもなかなか難しいのが現実です。
先ほど挙げた5点を完璧に何度も再現性をもって実行できる方など、
ずば抜けたスキルや運をもつ方は別ですが、
普通に資産形成を行っている、一般的な個人投資家の方であれば、
プロでも困難な難題に、人生の時間や労力や限られたリソースの多くを割くより
(少ないリソースで市場を上回れるほど株式市場が簡単だといいのですが)
より努力が結果に繋がりやすい所にリソースを割くことが合理的だと私は思います。
私は投資が下手な素人などで、収入を上げる努力をしたり、
人生を楽しむことに力を注ぎつつ、
これからも楽しくやっていきたいと思います。
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