【全上場企業の売上成長のグラフ】
更に非常に興味深いのが次のグラフ。
1950年から2009年までの間に、
米国株式市場で上場した全2万8853社のインフレ調整済み売上成長のグラフです。
1つのグラフに納めるため、売上を示す縦軸は対数グラフになっています。
線がの傾きが縦方向に急だと企業は急成長をしており、
逆に横ばいだと売上高の成長が鈍化していることを示しています。

少し見づらいですが、全体的な傾向としては、米国株式市場で上場した全2万8853社のインフレ調整済み売上成長のグラフです。
1つのグラフに納めるため、売上を示す縦軸は対数グラフになっています。
線がの傾きが縦方向に急だと企業は急成長をしており、
逆に横ばいだと売上高の成長が鈍化していることを示しています。

①若い企業や規模の小さい企業の線は縦に伸び、急成長を遂げていること。
②しかし、やがて成長が減速し横ばいになっていること。
③存続の古い成長企業の線は横に傾いており、安定しているが成長は遅く低成長が続いていること。
などがわかります。
【アメリカ大企業の売上高成長】

米国の有名な大企業の売上高の成長グラフです。
線の傾きが時間と共に横ばいになっており
企業が大きくなるにつれ、売上高の成長が鈍化していることがわかります。
【全ての大企業の成長は止まっている?】
さて、更に興味深いのがこちらのデータ。
各企業の成長と市場全体の成長とを比較したものです。
先程の紹介した、米国の上場企業全28853社のインフレ調整後の売上成長から、
更に「市場全体の成長」も調整したグラフです。

ジョフリー・ウェスト氏は、
全ての成熟した米国大企業の成長は止まっていると指摘しています。
ウォーレン・バフェト氏も指摘しているように「企業の規模が大きくなれば成長は鈍化する」ということが改めてわかりますね。
言葉や数字では理解していましたが、
ある程度信頼できる分析に基づく・データ、グラフで見るとまた新鮮に感じますね。
ある程度信頼できる分析に基づく・データ、グラフで見るとまた新鮮に感じますね。
【投資家目線の補足】
もちろん、単純に「売上高の成長」や「利益の成長」だけが、
投資家の実際に手にするリターンに結びつくとは限りません。
投資家の実際に手にするリターンに結びつくとは限りません。
株価は期待を上回るか、下回るかによって構成されていきます。
シーゲル教授の分析のように、元々低成長で期待値の低い企業でも、投資家に高いリターンをもたらすことがあります。
このグラフはグロース株投資家にも教訓を教えてくれます。
基本的に、グロース株は、元々高い期待を更に上回る成長を続けることにより、どんどん株価も上昇し、高いバリュエーションも正当化されているわけです。
しかし、グラフからもわかる通り基本的にどんな企業でも、(かつてのハイパーグロース株でも)いつか成長が鈍化するものです。
期待を下回り成長が鈍化した時、もしくはその兆候が見えた時、元々高かった株価は正当かできなくなり、一気に調整されるでしょう。
このグラフは2009年までなので、それ以降のデータは反映されてきませんが、
この研究をしたジョフリー・ウェスト氏はテスラやGoogleもいつかはそうなると述べています。
【まとめ】
もちろん、このデータが投資の全てではありません。
基本的に、グロース株は、元々高い期待を更に上回る成長を続けることにより、どんどん株価も上昇し、高いバリュエーションも正当化されているわけです。
しかし、グラフからもわかる通り基本的にどんな企業でも、(かつてのハイパーグロース株でも)いつか成長が鈍化するものです。
期待を下回り成長が鈍化した時、もしくはその兆候が見えた時、元々高かった株価は正当かできなくなり、一気に調整されるでしょう。
このグラフは2009年までなので、それ以降のデータは反映されてきませんが、
この研究をしたジョフリー・ウェスト氏はテスラやGoogleもいつかはそうなると述べています。
【まとめ】
もちろん、このデータが投資の全てではありません。
ただ、今回紹介したようなデータもある。
という事だけでも頭に入れておけば、
全く知らないよりは間違った投資判断をすることが防げますし、
今後、何かしらの決断をする時に役に立つかもしれません。
【私の方針】
先日紹介した通り、米国上場企業の生存数はIPO直後から急激に減り始め、
10年で半数が消え、30年後に残っている企業はたった5%にすぎません。
そして、企業が死ぬリスク(割合)は企業の年齢やサイズとは無関係だというデータもあります。
大企業や何十年続いてきた大企業でも、市場から消える時は消えるというわけです。
私個人としては、個別企業は「盛者必衰」だと思っています。
そして成長がいつまで続くのが、衰えるタイミングがいつなのかは誰にもわかりません。
個人的にはたくさんの企業を分析してひたすら追いかけたくもないですし、
個別銘柄選択リスクを背負いたくもありませんので(笑)
今まで通り市場全体に時価総額加重で投資をするインデックスファンドを用いて、運用を続けていこうと思います。
いつもありがとうございます

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