S&P500に投資をする方へ
よく「若いうちはS&P500に集中投資して、その後・・・(高配当株など)」
という話を耳にします。
私は、ご存知の通り、S&P500や米国株が大好きですし、
目標や許容できるリスク、投資期間などが『本当に』許すのなら、
S&P500や米国株100%もありだと思いますし、選択は各々の自由だと思っています。
ですので、この記事は決して特定の誰かの意見や主張・投資方法を否定するものでは一切ありません。
ただ、今回はその『本当』の部分について、つまり、本当に「(実際に過去あった)あり得る可能性を考慮しているか」という点に一石投じてみたいと思います。
ボーグル氏の意見
バンガードの創設者、ジャック・ボーグル氏も著書
「インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から確実な利益を得る常識的方法」の中で、
と述べています。
※ただし、米国株60%・米国債40%のバランスファンドの方が、S&P500 100%よりも「リスク調整済みのリターンが良く」「下落にも強い」とも述べています。
では、実際にどのくらいの胆力や勇気が必要か、
ここで一つ具体的な数字を紹介したいと思います。
2000年から2009年までの10年間
例えば、2000年から2009年末までの10年間を比較した場合、
(こちらはドル換算のデータです)
青 米国株式市場 -0.27%
赤 先進国株式市場 1.24%
黄色 新興国株式市場 9.82%
この10年間では、米国より、新興国株式の年率平均リターン方が約10%高かったことがわかります。
こちらも切り取る期間の影響によるものです。
ですが、この10年に限らず、米国株式市場(S&P500)が長期的に不調だったり、他の株式市場の方が高いリターンだった時期は、過去に何度もありました。
S&P500に集中投資をする方は、そういう時期に、自分があたる可能性を良く考える必要があります。
また、インデックス投資を続けるうえで、障害となるのは暴落だけではありません。
「S&P500」⇒「いやリターンが物足りないナスダックだ」⇒「下落きつい。やっぱり全世界株式だ」⇒「いやこれからはインドだ」と、
その時々話題に上がったものや上昇しているものに、後追いで乗っかりたくなる衝動も抑えなければなりません。
「悪い一例」
S&P500の停滞と新興国の高いリターンに我慢しきれず、
2007年ごろに新興国に切り替えたとしましょう。
2009年から現在までのS&P500の高いリターンと
新興国の停滞は皆さんご存知の通りだと思います。
こういう時期に耐える胆力がないのであれば、
無理せず最初からより分散したポートフォリオを組んでずっとそのまま保有していた方が、
途中で降伏して、高値買いの安値売りを繰り返すより、
結果的に良いリターンになる可能性が高いと私は思います。
「若いうちはS&P500に集中投資して・・・」
自分の若い時期(資産を早く増やしたい時期)と、
S&P500の伸びる時期が噛み合うとは限りません。
例えば、若いうちにS&P500が10年くらい停滞して、
年を取ってからグンと成長する可能性もあるわけです。
VOO→VTより、VT→VOOの方が資産が効率的に増える可能性だってあるわけです。
若いうちにインデックス投資、年を取ってから高配当も
10年インデックス投資して横ばい、高配当株は絶好調!。
高配当株に切り替えたら、次の十年インデックスはぐんぐん上昇、高配当株は市場をアンダーパフォーマンスなんてことが普通に起こりえます。
つまり、自分の都合や理想、予想通り市場が動いてくれるとは限らない
ということをよく理解することが大切です。未来は誰にもわかりません。
私はS&P500が好きです。
ですから、S&P500への投資を否定するつもりはありませんし、長期的には成長すると思います。
ただ、流行っているから、みんな勧めているから、最近話題だから。
といった感じで投資を始めるのは少し危ういかなと思います。
S&P500の弱点や限界もよく理解したうえで投資をすることが大切だと思います。
また、リスク許容度の変化に応じて資産配分やリスクを調整するとかならいいのですが、
「若いうちはS&P500で資産を効率よく増やして、年をとったら○○戦略に変更した方が効率が良い」というように、
自分の都合のいい想定、想像の元で投資を始めるのは、ちょっと安易かなとも感じます。
S&P500投資を始めるからには、
直近のリターンや超長期リターンだけではなく、「リスク」や「上手くいかない時期に自分が当たるケース」を良く考たうえで、
どのくらい自身の資産を配分するか。
年を取ってから本当にあえて戦略を変更する必要があるのか
などを慎重に決めた方が良いと私は思います。
途中でやめてしまうのは何よりもったいないですから。
今後もいろいろあると思いますが、お互い自分の投資を続けていきましょう。
いつもありがとうございます。
もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。
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よく「若いうちはS&P500に集中投資して、その後・・・(高配当株など)」
という話を耳にします。
私は、ご存知の通り、S&P500や米国株が大好きですし、
目標や許容できるリスク、投資期間などが『本当に』許すのなら、
S&P500や米国株100%もありだと思いますし、選択は各々の自由だと思っています。
ですので、この記事は決して特定の誰かの意見や主張・投資方法を否定するものでは一切ありません。
ただ、今回はその『本当』の部分について、つまり、本当に「(実際に過去あった)あり得る可能性を考慮しているか」という点に一石投じてみたいと思います。
ボーグル氏の意見
バンガードの創設者、ジャック・ボーグル氏も著書
「インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から確実な利益を得る常識的方法」の中で、
投資期間が長く、かなりの胆力と度胸のある投資家、
つまりその時々の、
市場の暴落に動じない勇気のある投資家は、
S&P500インデックスファンドに100%アロケーションすることが良い選択肢となろう
と述べています。
※ただし、米国株60%・米国債40%のバランスファンドの方が、S&P500 100%よりも「リスク調整済みのリターンが良く」「下落にも強い」とも述べています。
では、実際にどのくらいの胆力や勇気が必要か、
ここで一つ具体的な数字を紹介したいと思います。
2000年から2009年までの10年間
例えば、2000年から2009年末までの10年間を比較した場合、
(こちらはドル換算のデータです)
青 米国株式市場 -0.27%
赤 先進国株式市場 1.24%
黄色 新興国株式市場 9.82%
この10年間では、米国より、新興国株式の年率平均リターン方が約10%高かったことがわかります。
こちらも切り取る期間の影響によるものです。
ですが、この10年に限らず、米国株式市場(S&P500)が長期的に不調だったり、他の株式市場の方が高いリターンだった時期は、過去に何度もありました。
S&P500に集中投資をする方は、そういう時期に、自分があたる可能性を良く考える必要があります。
また、インデックス投資を続けるうえで、障害となるのは暴落だけではありません。
「S&P500」⇒「いやリターンが物足りないナスダックだ」⇒「下落きつい。やっぱり全世界株式だ」⇒「いやこれからはインドだ」と、
その時々話題に上がったものや上昇しているものに、後追いで乗っかりたくなる衝動も抑えなければなりません。
「悪い一例」
S&P500の停滞と新興国の高いリターンに我慢しきれず、
2007年ごろに新興国に切り替えたとしましょう。
2009年から現在までのS&P500の高いリターンと
新興国の停滞は皆さんご存知の通りだと思います。
こういう時期に耐える胆力がないのであれば、
無理せず最初からより分散したポートフォリオを組んでずっとそのまま保有していた方が、
途中で降伏して、高値買いの安値売りを繰り返すより、
結果的に良いリターンになる可能性が高いと私は思います。
「若いうちはS&P500に集中投資して・・・」
自分の若い時期(資産を早く増やしたい時期)と、
S&P500の伸びる時期が噛み合うとは限りません。
例えば、若いうちにS&P500が10年くらい停滞して、
年を取ってからグンと成長する可能性もあるわけです。
VOO→VTより、VT→VOOの方が資産が効率的に増える可能性だってあるわけです。
若いうちにインデックス投資、年を取ってから高配当も
10年インデックス投資して横ばい、高配当株は絶好調!。
高配当株に切り替えたら、次の十年インデックスはぐんぐん上昇、高配当株は市場をアンダーパフォーマンスなんてことが普通に起こりえます。
つまり、自分の都合や理想、予想通り市場が動いてくれるとは限らない
ということをよく理解することが大切です。未来は誰にもわかりません。
私はS&P500が好きです。
ですから、S&P500への投資を否定するつもりはありませんし、長期的には成長すると思います。
ただ、流行っているから、みんな勧めているから、最近話題だから。
といった感じで投資を始めるのは少し危ういかなと思います。
S&P500の弱点や限界もよく理解したうえで投資をすることが大切だと思います。
また、リスク許容度の変化に応じて資産配分やリスクを調整するとかならいいのですが、
「若いうちはS&P500で資産を効率よく増やして、年をとったら○○戦略に変更した方が効率が良い」というように、
自分の都合のいい想定、想像の元で投資を始めるのは、ちょっと安易かなとも感じます。
長期投資をしていれば、バラ色の日々だけではなく、
何もかもうまくいかないもどかしい日々や、
くやしさをこらえる日々が続く事は全然あると思います。
S&P500投資を始めるからには、
直近のリターンや超長期リターンだけではなく、「リスク」や「上手くいかない時期に自分が当たるケース」を良く考たうえで、
どのくらい自身の資産を配分するか。
年を取ってから本当にあえて戦略を変更する必要があるのか
などを慎重に決めた方が良いと私は思います。
途中でやめてしまうのは何よりもったいないですから。
今後もいろいろあると思いますが、お互い自分の投資を続けていきましょう。
いつもありがとうございます。
もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。
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