1929年~51年までのS&P500チャート
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暴落前の株価に戻ったのは1954年。
株価が回復するまで「25年」もかかった。
という事がよく話題に上がります。
でも、個人的にその通説には疑問が残ります。
以下「ドルベース・インフレ調整なし」で考察をしていきたいと思います。
※インフレを考慮するとより有利になります。
1929年の大恐慌の話をする時に大体使われるのが、
「配当無し」の株価チャートです。
先程のよく見るチャートも「配当無し」のものです。
S&P500指数そのものは確かに回復まで25年を擁しています。
しかし、
実際に、投資家には「配当」が発生しているわけですから、
「配当込み」のデータを用いるのが正しい計算だと思います。
配当込みの指数を見てみると、
回復までにかかった期間は、15年5か月と約10年以上短くなります。
②株と債券に分散投資をする
より大切なのはここからです。
大恐慌時代も、
Tビルなどの安全な米国債券はプラスリターンを出し続けていました。
例えば、1929~32年の間、一か月物のTビルのリターンは+6%程となっています。
もし、よく言われる
株と債券50:50のポートフォリオを組んでいれば、
下落幅も抑えることができ、
配当込の指数15年5カ月より、さらに短い、
6年2か月で元本を回復させることができました。
(1925年に100ドルを投資し、月次リバランスを続けた場合)
③暴落中も追加で投資
②の株と債券(50:50)のポートフォリオで、
1929年8月の株価がピークの時から、
毎月一定額、ドルコスト平均法で拠出を続けた場合、
大暴落後も平均購入価格が下がり続けるため、
3年9か月後の1933年5月の時点で、収支がプラスに転じます。
机上の空論ではあるが・・・
もちろん、議論の余地はあると思います。
例えば、4人に1人が失業している中、本当にドルコスト平均法を続けられたのか。
取引コストを考慮していないとか。
(当時のものを調べることができず、すみません)
その一方で・・・
①の配当を考慮するのは普通の事として置いておいて
②、③に関しては
〇「資産の分散「リスク許容度の範囲内で投資をする」
〇「下落時でも定期的に拠出する」「追加投資や配当再投資」
といった、投資の基本と言われている事の大切さが
よくわかる結果だったのではないでしょうか?
難しい事をしなくても、基本通り、
「当たり前の事」を「当たり前に続ける」だけで、
1929年の大暴落後ダメージは、かなり和らげることができた。
ということはわかって頂けたかと思います。
あと、これらはあくまでバブルのピークから投資を開始した時の話で、
バブルのピーク数年~数か月前から投資をしていれば、かなり(半分以上)早く資産を回復することができました。
暴落の底で投資をするのが難しい様に、バブルのピークのピークで全力一括投資をするのもまた難しいと、個人的には思います。
以下余談です。
事実を知る。
「ファクトフルネス」ではありませんが、
株価のチャートだけをみて「25年も・・・」と、
何となく恐怖を感じたり、不安を煽る前に、
事実をしっかりと知ることが大切だと思います。
リスク許容度に応じて・・。
②、③に関しては「50:50」仮定に基づくものですが、
例えば「株と債券 60:40」した場合、
当然回復までに要する期間は長くなりますが、
それでも、株式100%の時に比べて大きくダメージを減らす事が可能です。
このバランスは、各々のリスク許容度に応じて良く考えて頂ければと思います。
市場に居続けることが大切。
米国株式市場が最も最悪の年だった1年は
1931年で、1年間で-43.1%という下げ幅を叩き出しました。
その一方で、最も1年間のリターンの高かったベストイヤーは、
1933年。+54.2%の上昇を記録しました。
日別でみても最悪のリターンの人ベストリターンの日はすぐ近くにある傾向があります。
※株価は完全なランダムではなく、ボラティリティは継続する傾向がある。
暴落の後も市場に居続ける事の大切さ、
そしてタイミングを計る難しさが
よくわかる好例だと思います。
実は70年代の米国市場の方が厳しい
もちろん、
この「米国株式+米国債券 50:50」のポートフォリオが、
全てにおいて万能と言うわけではありません。
例えば70年代。特に中盤の下落や後半のインフレに対しては、米国内の資産だけで乗り切ろうとするよりも、国際分散を図った方が、より簡単に、よりよい結果に持っていけました。
結論
余談の方が長くなってきたので、
結論をまとめたいと思います。
「資産の分散」・「定期的な資金の拠出」
(人的資本による追加投資や配当再投資など)
基本的な事、当たり前だと言われるような事でも、
それをやり通せば、
1929年の大恐慌後のダメージを大幅に軽減することができました。
もちろん、下落そのものを抑える事はできませんが、
暴落直後に資産を全て売り、投資をやめてしまったり、
全く何も備えていない場合よりは、
大分マシだと思います。
「当たり前の事」が、なぜ大切なのかをしっかりと理解し、
決して基本を軽視したり、おろそかにすることなく、
規律を保ち、
最期まで続けることが何より大切だと思います。
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米国株ランキング
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1929年の10月24日、暗黒の木曜日から始まった大恐慌。
株価はピークから80%以上も下げるという大暴落でした。
株価はピークから80%以上も下げるという大暴落でした。
暴落前の株価に戻ったのは1954年。
株価が回復するまで「25年」もかかった。
という事がよく話題に上がります。
でも、個人的にその通説には疑問が残ります。
以下「ドルベース・インフレ調整なし」で考察をしていきたいと思います。
※インフレを考慮するとより有利になります。
①配当を考慮する。
1929年の大恐慌の話をする時に大体使われるのが、
「配当無し」の株価チャートです。
先程のよく見るチャートも「配当無し」のものです。
S&P500指数そのものは確かに回復まで25年を擁しています。
しかし、
実際に、投資家には「配当」が発生しているわけですから、
「配当込み」のデータを用いるのが正しい計算だと思います。
配当込みの指数を見てみると、
回復までにかかった期間は、15年5か月と約10年以上短くなります。
②株と債券に分散投資をする
より大切なのはここからです。
大恐慌時代も、
Tビルなどの安全な米国債券はプラスリターンを出し続けていました。
例えば、1929~32年の間、一か月物のTビルのリターンは+6%程となっています。
もし、よく言われる
株と債券50:50のポートフォリオを組んでいれば、
下落幅も抑えることができ、
配当込の指数15年5カ月より、さらに短い、
6年2か月で元本を回復させることができました。
(1925年に100ドルを投資し、月次リバランスを続けた場合)
③暴落中も追加で投資
②の株と債券(50:50)のポートフォリオで、
1929年8月の株価がピークの時から、
毎月一定額、ドルコスト平均法で拠出を続けた場合、
大暴落後も平均購入価格が下がり続けるため、
3年9か月後の1933年5月の時点で、収支がプラスに転じます。
机上の空論ではあるが・・・
もちろん、議論の余地はあると思います。
例えば、4人に1人が失業している中、本当にドルコスト平均法を続けられたのか。
取引コストを考慮していないとか。
(当時のものを調べることができず、すみません)
その一方で・・・
①の配当を考慮するのは普通の事として置いておいて
②、③に関しては
〇「資産の分散「リスク許容度の範囲内で投資をする」
〇「下落時でも定期的に拠出する」「追加投資や配当再投資」
といった、投資の基本と言われている事の大切さが
よくわかる結果だったのではないでしょうか?
難しい事をしなくても、基本通り、
「当たり前の事」を「当たり前に続ける」だけで、
1929年の大暴落後ダメージは、かなり和らげることができた。
ということはわかって頂けたかと思います。
あと、これらはあくまでバブルのピークから投資を開始した時の話で、
バブルのピーク数年~数か月前から投資をしていれば、かなり(半分以上)早く資産を回復することができました。
暴落の底で投資をするのが難しい様に、バブルのピークのピークで全力一括投資をするのもまた難しいと、個人的には思います。
以下余談です。
事実を知る。
「ファクトフルネス」ではありませんが、
株価のチャートだけをみて「25年も・・・」と、
何となく恐怖を感じたり、不安を煽る前に、
事実をしっかりと知ることが大切だと思います。
リスク許容度に応じて・・。
②、③に関しては「50:50」仮定に基づくものですが、
例えば「株と債券 60:40」した場合、
当然回復までに要する期間は長くなりますが、
それでも、株式100%の時に比べて大きくダメージを減らす事が可能です。
このバランスは、各々のリスク許容度に応じて良く考えて頂ければと思います。
市場に居続けることが大切。
米国株式市場が最も最悪の年だった1年は
1931年で、1年間で-43.1%という下げ幅を叩き出しました。
その一方で、最も1年間のリターンの高かったベストイヤーは、
1933年。+54.2%の上昇を記録しました。
日別でみても最悪のリターンの人ベストリターンの日はすぐ近くにある傾向があります。
※株価は完全なランダムではなく、ボラティリティは継続する傾向がある。
暴落の後も市場に居続ける事の大切さ、
そしてタイミングを計る難しさが
よくわかる好例だと思います。
実は70年代の米国市場の方が厳しい
もちろん、
この「米国株式+米国債券 50:50」のポートフォリオが、
全てにおいて万能と言うわけではありません。
例えば70年代。特に中盤の下落や後半のインフレに対しては、米国内の資産だけで乗り切ろうとするよりも、国際分散を図った方が、より簡単に、よりよい結果に持っていけました。
結論
余談の方が長くなってきたので、
結論をまとめたいと思います。
「資産の分散」・「定期的な資金の拠出」
(人的資本による追加投資や配当再投資など)
基本的な事、当たり前だと言われるような事でも、
それをやり通せば、
1929年の大恐慌後のダメージを大幅に軽減することができました。
もちろん、下落そのものを抑える事はできませんが、
暴落直後に資産を全て売り、投資をやめてしまったり、
全く何も備えていない場合よりは、
大分マシだと思います。
「当たり前の事」が、なぜ大切なのかをしっかりと理解し、
決して基本を軽視したり、おろそかにすることなく、
規律を保ち、
最期まで続けることが何より大切だと思います。
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