二つのポートフォリオ
1972年~2015年末までの間の、二つのポートフォリオのチャートです。
(ドルベース・インフレ調整なし)
この二つのポートフォリオは、
長期的にほぼ変わらないリターンを残していることがわかります。
数字で見るとこんな感じです。
上ポートフォリオ1 下 ポートフォリオ2
ポートフォリオ2は、リターンでは、ポートフォリオ1にわずかに及ばないものの、
最悪の年の成績や最大ドローダウンを大きく抑えていたことがわかります。
ドローダウンについての補足
上と同じ二つのポートフォリオのドローダウンを示したグラフです。
(2018年12月の下落時のデータも含めた方がいいと判断したため、こちらは期間を2018年末まで伸ばしてみました。)
この期間の大きな下落の要因は
石油危機(1973~74)
ブラックマンデー
アジア危機(1997)
ロシア債務デフォルト(1998)
ITバブル(2000~2002)
サブプライム危機(2008~2009)
などがあります。
青ポートフォリオ1と赤ポートフォリオ2を比べると、
(たまに②の方が下落した年もありましたが)
ほとんどの期間で、特に大きな下落があった時は、
ポートフォリオ2の方が、下落幅を抑えられているということがわかると思います。
ポートフォリオ1
ポートフォリオ1は「S&P500・米国中期国債 60:40」という、
かなりオーソドックスで、一般的な資産配分のポートフォリオです。
(個人的には、なんだかんだで、優秀なポートフォリオだと思います)
ポートフォリオ2
ポートフォリオ2は
「S&P500と米国中期債」に「米国小型株」を加えたポートフォリオとなります。
ですが、配分は以下のとおりとしています。
S&P500 20%
米国小型株 20%
米国中期債 60%
ポイントは「米国小型株のプレミアム(ファクター)」と「債券の比率」です。
60:40ではリスク取り過ぎ説。
レイ・ダリオ氏やアンドリュー・L・バーキン氏等が指摘するように
株式は債券よりもボラティリティが非常に大きいため、
株式と債券を60:40とする典型的なポートフォリオでは、
実際にはリスクの60%以上が、
株式へのアロケーションに集中してしまうという意見があります。
例えばこの「60:40」のポートフォリオでは、
株式市場のベータがポートフォリオのリスクの約85%を占め、
残り15%の部分を債券のタームリスク等が占めています。
そこで、ポートフォリオを市場ベータとは、別の株式ファクターへ傾けつつ
(市場ベータとの相関によってリスクを引き下げつつ)
同時に債券比率を高める事によって、市場ベータにリスクが集中することを避け、
かつリターンを維持することができるという寸法です。
長期的なデータ
言葉よりで説明するより、簡単な数字を出した方がわかりやすいかと思います。
例、1927~2015年の間 (年一回のリバランス。ドルベース)
①S&P500:米国債(5年物Tノート)「60:40」
年間リターン 7.6%
標準偏差 12.2%
②S&P500+「米小型バリュー株」+米国債(5年物Tノート)
「20:20:60」
年間リターン 8.9%
標準偏差 10.4%
米小型バリュー株は、ファーマ・フレンチ・US・スモールバリュー・リサーチ・インデックスのもの。
簡単にいうと、まあこんな感じて
ファクター投資やサテライト戦略はリターンをあげるという目的の他に、
期待リターンはそのままに、リスクを下げるという目的でも使えるという考え方です。
もちろん、小型株に限らず、バリュー・モメンタム・収益性などのファクターも有効というデータもあります。
投資っておもしろい。
サテライト戦略やポートフォリオを考えるのは面白いですね。
私にとって、投資は勉強することが楽しいと感じる分野の一つです。
ただ、個人的にはこれらの戦略やポートフォリオを積極的に勧めるつもりは全くありません、
また当然将来を保証するものでもありません。
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1972年~2015年末までの間の、二つのポートフォリオのチャートです。
(ドルベース・インフレ調整なし)
この二つのポートフォリオは、
長期的にほぼ変わらないリターンを残していることがわかります。
数字で見るとこんな感じです。
上ポートフォリオ1 下 ポートフォリオ2
ポートフォリオ2は、リターンでは、ポートフォリオ1にわずかに及ばないものの、
最悪の年の成績や最大ドローダウンを大きく抑えていたことがわかります。
ドローダウンについての補足
上と同じ二つのポートフォリオのドローダウンを示したグラフです。
(2018年12月の下落時のデータも含めた方がいいと判断したため、こちらは期間を2018年末まで伸ばしてみました。)
この期間の大きな下落の要因は
石油危機(1973~74)
ブラックマンデー
アジア危機(1997)
ロシア債務デフォルト(1998)
ITバブル(2000~2002)
サブプライム危機(2008~2009)
などがあります。
青ポートフォリオ1と赤ポートフォリオ2を比べると、
(たまに②の方が下落した年もありましたが)
ほとんどの期間で、特に大きな下落があった時は、
ポートフォリオ2の方が、下落幅を抑えられているということがわかると思います。
ポートフォリオ1
ポートフォリオ1は「S&P500・米国中期国債 60:40」という、
かなりオーソドックスで、一般的な資産配分のポートフォリオです。
(個人的には、なんだかんだで、優秀なポートフォリオだと思います)
ポートフォリオ2
ポートフォリオ2は
「S&P500と米国中期債」に「米国小型株」を加えたポートフォリオとなります。
ですが、配分は以下のとおりとしています。
S&P500 20%
米国小型株 20%
米国中期債 60%
ポイントは「米国小型株のプレミアム(ファクター)」と「債券の比率」です。
60:40ではリスク取り過ぎ説。
レイ・ダリオ氏やアンドリュー・L・バーキン氏等が指摘するように
株式は債券よりもボラティリティが非常に大きいため、
株式と債券を60:40とする典型的なポートフォリオでは、
実際にはリスクの60%以上が、
株式へのアロケーションに集中してしまうという意見があります。
例えばこの「60:40」のポートフォリオでは、
株式市場のベータがポートフォリオのリスクの約85%を占め、
残り15%の部分を債券のタームリスク等が占めています。
そこで、ポートフォリオを市場ベータとは、別の株式ファクターへ傾けつつ
(市場ベータとの相関によってリスクを引き下げつつ)
同時に債券比率を高める事によって、市場ベータにリスクが集中することを避け、
かつリターンを維持することができるという寸法です。
長期的なデータ
言葉よりで説明するより、簡単な数字を出した方がわかりやすいかと思います。
例、1927~2015年の間 (年一回のリバランス。ドルベース)
①S&P500:米国債(5年物Tノート)「60:40」
年間リターン 7.6%
標準偏差 12.2%
②S&P500+「米小型バリュー株」+米国債(5年物Tノート)
「20:20:60」
年間リターン 8.9%
標準偏差 10.4%
米小型バリュー株は、ファーマ・フレンチ・US・スモールバリュー・リサーチ・インデックスのもの。
簡単にいうと、まあこんな感じて
ファクター投資やサテライト戦略はリターンをあげるという目的の他に、
期待リターンはそのままに、リスクを下げるという目的でも使えるという考え方です。
もちろん、小型株に限らず、バリュー・モメンタム・収益性などのファクターも有効というデータもあります。
投資っておもしろい。
サテライト戦略やポートフォリオを考えるのは面白いですね。
私にとって、投資は勉強することが楽しいと感じる分野の一つです。
ただ、個人的にはこれらの戦略やポートフォリオを積極的に勧めるつもりは全くありません、
また当然将来を保証するものでもありません。
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