【マーケットタイミングの影響は少ない】
S&P500や全世界株式など、市場全体に投資をする伝統的なインデックスファンドのように幅広く分散されたポートフォリオで長期間運用する場合、
そのポートフォリオのリスクとリターンの大部分は資産配分によって左右されます。
研究によって多少異なりますが、マーケットタイミングの影響は10~20%程度と言われており、タイミングが与える影響はそう大きくありません。
一般的な金融理論はもちろん、バンガードやシュワブなど米国大手も基本的には一括投資を勧めています(インデックス投資をする場合)。
【シュワブの最新の研究】
以前も似たようなデータを紹介したと思いますが、
9月13日にシュワブの金融研究センターが「市場のタイミングは機能するのか?というおもしろい記事を公開していましす。
https://www.schwab.com/learn/story/does-market-timing-work
下の図は2003から2022まで、S&P500に毎年2000ドル、20年間投資をした結果を示しています。
左から
ピーターは「天才」で毎年最も終値の安かった日に2000ドル投資しました。
アシュリーは「タイミングを計らず毎年年初」に2000ドル投資をしました。
マシュー(藤井)は「ドルコスト平均法」で毎月月初に1/12づつ投資をしました。
ロージーは不運な方で「毎年最も終値の高い日に全額投資」をしました
ラリーは株式投資をせず毎年米国債に全額投資をしました。
現実的ではない最高のタイミング投資を20年連続で成功させたとしても、20年後のリターンでは、年初一括よりも8.2%、ドルコスト平均法より11.1%上回るに過ぎなかったということがわかりました。
またシュワブは1926年まで遡り、78パターン、20年間投資した結果(1926年~1945年、1927年~1946年・・・)をシミュレーションした結果も、
同じく1926年まで遡り、30年投資、40年投資、50年投資をした場合をシミュレーションした結果も、
この左から右の順、(最高のタイミング→一括→ドルコスト平均法→最悪のタイミング→米国債)は変わらなかったとしています。
この左から右の順、(最高のタイミング→一括→ドルコスト平均法→最悪のタイミング→米国債)は変わらなかったとしています。
そして、結論を市場のタイミングを計るのが難しいことを考えると、大多数の投資家にとって最も現実的な戦略は、すぐに株式に投資することでしょう。とまとめています。
【まとめ】
シュワブは以下のように述べています。
最適なエントリーポイントを待つには高いコスト(機会損失)がかかります。
タイミングが悪かった株式市場への投資であっても、株式市場への投資をまったく行わないよりははるかに優れていました。
市場のタイミングを完璧に測ることはほぼ不可能であるため、ほとんどの人にとって最善の戦略は、市場のタイミングをまったく測らないことです。代わりに、できるだけ早く計画を立てて投資してください。
この研究に基づいて長期投資家が取れる最善の行動は、
自身の目標とリスク許容度に応じ、株式市場へどのくらいエクスポージャーをとるのかを判断した後、現在の株式市場の状況に関係なく、できるだけ早く投資を検討することです。
ということで、
20年連続で最安値の日に投資をすることのできない現実の私たちにとって最も合理的なのは、自身のリスク許容度の範囲内で一括投資(給料やボーナスのたびに都度都度一括投資)
そして、メンタル等を考慮した代替案として「ドルコスト平均法」がベターですね。
投資タイミングは現実的に狙って当てられるものではなく、狙うことでかえって何もしないで脳死一括投資よりもリターンを押し下げてしまう可能性があります。
また狙うためには時間や労力がかかります。それを何十年続けても得られる成果はそう多くはありません。
こういう理論、理屈を踏まえたうえで、現実や自身の個別の要因等を含めて考慮して頂き、それぞれ判断して頂ければ幸いです。
投資はタイミングよりタイムと言います。これからも長く投資を続けていきましょう。
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