投資の世界では基礎基本、王道戦略の一つである、全世界の株式と債券に60:40で分散投資する『60/40』ポートフォリオは、いろいろな資産クラスが上下する中、安定的なリターンを投資家にもたらしてきました。
バンガードのHPより引用
青色の『60/40』はだいたい図の真ん中にありますね。
そんな『60/40』ですが、2022年に約16%下落しました。
過去のS&P500の年間平均ドローダウンが約16%なので、数字だけ見るとそこまで慌てるほどではないのですが、
リスクとリターンのバランスを求め『60/40』を採用していた保守的な投資家にとっては苦しい時期となり、この戦略の実行可能性に疑問が生じました。
一部のメディアやコメンテーターは、この古い定番戦略は死んだとさえ発言。有名投資メディアのバロンズやブルームバーグなどもそれを報じていました(あとで手のひら返ししましたが)。
ブルームバーグ「https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-18/RAI9SMT0G1KW01」
その後の全世界『60/40』ポートフォリオのリターンは、2022年末から2024年9月までの累積で+29.7% となっています。
2022年は、単年の不調でこの戦略の航路を変えるべきではない。いつもメディアは騒ぎすぎるという歴史通りの教訓となりました。
2022年は、単年の不調でこの戦略の航路を変えるべきではない。いつもメディアは騒ぎすぎるという歴史通りの教訓となりました。
上の図は、1997 年以降の60/40に1年投資した時のリターンはと10 年間投資をした時のリターンを示したものです。
単年ではリターンはぶれますが、10年間投資した時の年率平均リターンは5.6% から 7.6% と比較的狭い範囲に留まっています。
単年ではリターンはぶれますが、10年間投資した時の年率平均リターンは5.6% から 7.6% と比較的狭い範囲に留まっています。
もちろん、過去は未来の保証にはならず、検証期間も短いのでこれで何かを結論付けたり主張する気はありませんが、
長期投資家が短期的な成績に振り回されてはいけないという基本を思い出すきっかけにはなるでしょう。
リスク資産ですからマイナスになる可能性もあります。
それでも、60/40 ポートフォリオは、幅広い分散投資と長期にわたる堅実な実績を求める中程度のリスク許容度を持つ投資家にとって賢明な選択となる可能性があります。
リーマンショック以降の0金利、0インフレの時代が終わり、インフレと金利のあるレジームに世界の金融市場が変わりつつあります。そうすると、過去10年忘れ去られていた債券に再び陽の光が当たる可能性があります。
また現在、株式のバリュエーションが高く、歴史的に見ると10年後の株式の期待リターンは低くなる可能性があるため、相対的に債券の魅力が高まる可能性があります。
債券をポートフォリオに加えるかどうか、必要かどうかは結局のところ『人』(個人のリスク許容度)と『戦略』(目的)によりますが
過去10年無視されづづけた資産クラスや基本戦術を今一度一考してみてもよいかもしれません。
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