【山崎元氏の見解】
楽天証券のトウシルに山崎元氏の「個人の債券投資覚え書き」という記事があったので紹介します。
山崎元氏は以前から、個人投資家のPFには基本的に債券は必要ないというスタンスをとってきました。(無リスク資産の置き場として個人国債変動10年は推奨)
「5000万や1億のはした金で、株と債券の配分に頭を使うのは無駄な努力」
「外国債券不要論」
さて今回はどんな主張を展開するか。見ていきましょう。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/41707
①株式と債券の組み合わせに妙味はあるか?
⇒アセットクラスとしての株式と債券との間の相関関係は安定していない(時期によっては相関係数がプラスに)
②事実上、国債以外の債券は買いにくい
⇒ 国債以外の債券の取引は流動性が無く、事実上、プロ投資家と証券会社の相対取引になっている。個人投資家の立場では、手持ちの債券を売ろうとした時に幾らで売れるのかが把握しにくいし、既発の債券を売買する時には業者同士で成立する価格からいくら乖離した価格で自分が売り買いしているのかが分からない。
率直に言って、個人が安心して投資できるのは国債だけだと言っていい。
忘れがちですが、言われてみれば確かにそうですね。
最終的には、
個人が自分のポートフォリオで10年国債を持つかどうかが問題だと思われる。
それ以外の債券には、以下で述べるような難点がある
③個人向け社債は、市場で不人気だから個人に売られている
⇒証券会社の立場で言えば機関投資家が買ってくれるのが一番いい。また、割の良い条件なら瞬間蒸発する。
⇒個人向けに売られているということは、機関投資家市場で不人気な条件だったということ。利回りがリスクに見合わないことが多い。
⑤仕組み債は個人向けに売られていること自体が問題
順番が前後しますが、仕組み債は基本的に販売側に有利だから販売されている商品(個人投資家に不利)だということを覚えておきましょう。
中身をよく理解できない個人投資家や初心者の方は近づかないのが吉ですし、中身を理解すればおおよそは投資したいと思わないと思います。
④外国債券はしばしば手数料の塊である
外国債券は原則として、業者間の店頭市場で取引される。
つまり、本当の市場価格が幾らなのか、個人投資家加えて、外国為替の売買でも大きな手数料が掛かることがある。からは見えない。債券価格で実質的な手数料を大きく抜かれる可能性は小さくない。特に対面営業の証券会社では投資しない方がいい。
この部分にはすごく同意です。債券は基本的に株式よりも期待リターンが低い分よりコストに関してシビアにならなくてはいけません。
⑥個人と機関投資家では債券に対するニーズが異なる
ここは山崎元氏が、個人の資産運用を考えるようになって、昔と今とで考えが変わったと度々述べている点の一つですね。
機関投資家の場合は運用元本が安定的であってリスクはその中のアセットアロケーションの比率で考えたらいいが、
個人投資家の場合、取りたいだけのリスクに対して運用資金を投入すればいいのであって、運用元本自体が可変である。
何が言いたいかというと、年金運用のような資金のアセットアロケーションと、個人のアセットアロケーションは大きく性質が違っている。
特に、債券に対する扱いは大きく異なるはずだ。個人が年金運用を模倣することは必ずしも適切ではないしかし、しばしば年金運用のようなアセットアロケーションがプロの常識であり、個人投資家も真似るといいものとして個人に伝えられがちだ。個人の場合、運用資金を「株式6:債券4」に分けるのではなく、単に「株式6」のリスクに相当する資金を株式に投資すればいいだけかも知れない。この場合、債券への投資は不要になる
機関投資家にとって合理的な運用を、そのまま個人の運用に置き換えていいのか。
この記事の中で、個人投資家が最も考えるべき部分は個々の部分ではないでしょうか。
⑦ハイイールド債にはリスクプレミアムが存在する
⇒債券には多くの種類がある。殆ど現金に近いものもあれば、限りなく株式に近いものもある(確かに)。
⇒債券には多くの種類がある。殆ど現金に近いものもあれば、限りなく株式に近いものもある(確かに)。
⇒ハイイールド債は株式に性質が近く、リスクプレミアムが存在し、力の発揮しがいがあるマーケットがあるかもしれない(確かに)。
ここまで手を伸ばすことができるなら、ハイイールド債を加えたアセットアロケーションを考えてもいいのかも知れない。
まさかのハイイールド債は、能力のある投資家にならありというのがちょっと興味深かったです。
本編でも数行で終わっていますが、ここのところもう少し深堀してほしかったと思いました。
個人的にも優先株やハイイールド債はおもしろい投資対象だと思っており、少し保有しています。し、PFにガツガツ加えています。
【まとめ】
以上をまとめると、
引き続き、山崎元氏は個人投資家に債券投資は要らないという見解を継続しているようです。
①個人が安心して投資できる対象が主に国債しかないこと
②国債ではリスクプレミアム的なリターンが期待しにくいこと
③個人の資産配分では(債券で)リスクを薄める必要性が乏しいこと(投資する金額でリスクを調整すればよい)
山崎元氏「株式との分散投資効果が存在する可能性に少々未練は残るものの、個人の資産運用には債券投資は必要ないように思われる」
というのが山崎元氏の結論でした。
もちろん、様々な意見や見解があると思いますが、
少なくとも、周りが投資をしているからとは流行っているから、最近よく聞くから等の理由で投資をするのではなく、良いところ、悪いところ、投資コスト、自身の資産配分やPF全体のバランスなどをよく考えて投資判断をしていきましょう。
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