【インデックス投資家の役に立つ良記事】
2022年7月6日のダイヤモンド・オンラインに、経済評論家で楽天証券経済研究所客員研究員である山崎元氏の『株価の低迷はいつまで続くか、「株の死」は訪れるのか』という良い記事があったので紹介したいと思います。
元記事「https://diamond.jp/articles/-/305951」
国内外で見舞われている株価低迷の状況はいつまで続くのだろうか?難題であることを承知で少々考えてみよう。インフレはいつまで続くか、不況の到来なしで収束するのか。「株の死」と呼ばれた、1970年代に訪れた株価の長期低迷は再び来るのか――。投資家が状況の理解を手助けしようとするささやかなお手伝いとなれば幸いだ。
全6ページに渡る記事となっており、前半部分は“相場の世界で「いつ?」は「いくら?」よりもさらに難しい問題だが、不可能を承知で少々考えてみよう”。として、
今年上半期のような冴えない株式市場や高いボラティリティがいつまで続くのか、山崎元氏が考えを示しています。
【1~2ページ目の面白い記述】
1~2ページ目で個人的に面白いと思ったのはここです。
「世界株式」に投資する場合、その6割程度を占めている米国の株式市場を中心に考えることが必要だ。
ただし、投資それ自体としては「米国株だけ」ではなく、他の国にも分散投資する方がいい。投資する金融商品を1本で済ますなら、「全世界株式(できれば、含む日本株)」ないし、これに内容が近くて運用管理費用が安いインデックスファンドをお勧めする。
おっしゃる通りだと思いますし、とても理に適った意見だと思います。
ただ、S&P500や米国株一本ではダメ。あるいはS&P500は82点、全世界株式は91点というようなことをおっしゃっている山崎元氏でも(もちろんその理由や主張も十分に理解できます)、
今後を考える際には『米国株式市場を中心に考えることが必要』と言っている点において、やはり世界の株式市場において米国株式市場の影響は大きいんだなと個人的には面白く思いました。
【2~6ページ前半】
その後は山崎式経済時計を用いながら、現状を解説しつつ将来の見通しについて語っています。
米国株投資界隈では広〇氏の金利と景気サイクルと各セクターの関係を表した図が有名で良く用いられていますが、(あれはあれで間違いではないですしわかりやすくていいのですが)
個人的には、山崎式経済時計の方がより経済の実態に近い印象を受けます。
解説においても山崎元氏は、時計の針を進めたり、戻したり、急に一気に進めたりすることがあるのですが、実際に経済や市場サイクルも、必ずしも同じペースで一方方向に進むものではなく、そのように進むものだと私は認識しています。
出典 図解・最新 学校では教えてくれないお金の授業
2~5ページに関しては、私が掻い摘んで説明してもあれなので、是非本編を読んで頂ければと思います。
ちなみにタイトルの一つ『「株の死」は訪れるのか』疑問に対して、
1970年代に訪れた「株の死」は来るのかインフレの抑制に予想外の時間が掛かる場合、よく似た状況が訪れる可能性がないとは言えない。
筆者は現時点で「21世紀版・株の死」の到来を予想しているわけではないが、
投資家は「回復に意外に時間が掛かる」可能性があることも頭に入れておくべきだろう。
とまとめています。「回復に意外に時間が掛かる」可能性があることも頭に入れておくべき。
これは本当にそう思います。
積立投資や長期的にインデックス投資をしている方は、そういう時期に当たることも、長期投資をしていれば普通にあるよね。くらいに捉えることが大切だと思います。
心構えだけして置き、株価の低迷や上値が重い展開が続いても、あまりやきもきせず、いつもどおり投資を続けていくことが大切だと思います。
【まとめ】
個人的に一番いいなと思ったところは、6ページの「○○ショック」の可能性とその影響とは?という段落です。
時間のない方、市場の先行きの予想や日々の株価に興味のない方などは、ここ部分だけ読むのがある意味効率がいいのかもしれません。
「
ショック」の状況下では株価が大きく下げる可能性が大きいので、この場合は投資のチャンスになる可能性が大きいと申し上げておく。
しばらく続くかもしれない冴えない株式市場の状況と向き合う上で、投資家にとっては一つの「楽しみ」になり得る可能性だ。追加投資できる資金の算段をしながら、市場にとどまっているといい。
個人的にすごくわかると思ったのがここの行で基本的に待機資金を持たずに、投資に回せるお金は全て一括で投資に回す私ですが、今後株価が更に下落したり、あるいは長期的明する可能性に備えて、
そして、タイミングを計る戦略を採用せず、長期的なバイ&ホールドを基本戦略とする私としては、以下の行には同意しかありません。
投資のセオリーとしては「時計が何回転もする時間を、高値にも安値にも付き合うつもりで長期投資すること」だ。「持ち株をいったん売っておいて、下がったところで買い直そう」というオペレーションは、プロでもうまくいかない場合が多いとされている。
例えば、「2〜3年待つ」ことになるとつらいかもしれないが、株価が上昇に転じるタイミングは分からないし、その場合に当初の上昇幅は大きいことが多い。「じっと持つ」が概ね正解なのだ
(中略)
下げ相場にあってじっと持ち続けるには一種の胆力が必要だが、タイミングを計る努力は概ねうまくいかないのだと割り切って、事態を眺めているといい。努力してもうまくいかないなら、努力しない方が人生にとっては合理的だ
【私自身の方針】
私自身は、①そもそも長期的に分散されたPFで運用する場合タイミングがリスク・リターンにの与える影響は少ないこと。
②タイミングを計る戦略は、追加コストがかかるうえ、③「売り」と「買い」2度のタイミングを成功させることが必要であり、上手くいくこともあればいかないこともあること。
④過去多くのプロが長期的には、銘柄選択あるいは売買タイミングを間違え、コスト控除後のパフォーマンスで結局ベンチマークを上回ることができていないこと。
などから、タイミングをどうこうするよりも、今自分に確実に成果に繋がりそうな努力(毎月の拠出額をあげる)。などに力を注いでいきたいと思っています。
また、あまり株式市場の動きに依存しない収入源があることは、将来のリスクヘッジになるとも思っています。
まあ、ここら辺は私自身の考えなので、いろいろな考えや価値観の方がいていいと思います。
山崎元氏は、記事の最後を、本稿は、投資家が株式を「じっと持ち続ける」に当たって、状況の理解を手助けしようとするささやかなお手伝いだ。
と締めくくっています。
私もそのような形で長期投資家の方に真に役立つ情報を発信出来たらなと思う今日この頃です。
体調が戻ってきたので、今週からまた頑張っていきたいと思います。
いつもありがとうございます。
もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。
にほんブログ村