バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。


【米国株式市場は右肩上がり?】

シーゲル教授の研究でも有名なように、

米国株式市場は、1800年以降長期的には右肩上がりで成長してきました。

ただ、「常に」右肩上がりで成長してきたというわけではありません。

暴落した時もあれば、長期的に停滞した時もあります。

また将来においても右肩上がりという保証はありません。

最高値更新期間

上の図は米国株式市場に1871年に投資をした1ドルがどうなったかを示した図です。

青の横線をみると、米国株式市場と言えど、株価が最高値をつけた後、

再び最高値を更新するまでに数年以上要した期間もざらにあるということがわかります


【債券に15年以上負ける米国株式市場】

最近では2000年から2013年までの間、S&P500は最高値を更新することができませんでした。

例えば、2000年年初からの米国株式と米国総合債券の成績を比較してみると、

米国株式市場は2017年に入るまで、米国債券の成績を上回ることはできませんでした。

 US Stock Market(米国株式)
 Total US Bond Market(米国総合債券)

この間の米国株式市場のリターンはドルベース配当込みで4.92%、

インフレを調整した実質リターンは2.7%に過ぎませんでした。

このような期間を含む約20年くらいならば、S&P500一本よりも他の資産を組み合わせたPFのほうが良い結果になる可能性が高いと思います。

そして、自身が投資する20年、30年と言う期間においてどうなるかはわかりません。

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もちろん、これは意地悪に切り取ったものではありますし、

米国株式市場が下落中に追加投資をしていれば、より早く巻き返すことも可能でしたが、

いずれにしても、米国株式市場やS&P500は、

もちろん、個人的には良い投資対象の一つだとは思いますが、

最強でも、万能でも、絶対でもない、普通にリスクのある投資対象だということがわかります。

ですから、米国では米国株と債券に60/40などで分散投資をするのが長らく一般的でしたし、

リスクを抑えるための手段として国際分散投資投資も広まりつつあります。


【全ての資産クラスが長期停滞してきた?】

あらゆる局面において万能の資産クラスなどありません。

S&P500も、金も、米国債も、新興国市場も、先進国市場も、みんな長期停滞を経験しています。

下の図は、資産クラスごとの過去の最長のドローダウンを実質ベース (インフレ調整済み) でドルで表したものです。

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投資タイミングが悪るすぎるとこんなことになります。

が、基本タイミングや未来は過去のその時点ではわからないものなので、

「運が悪い」と呼ぶ方が正しいような気がします。

例えば、安全に投資をしようと、1940年に米国債に投資をした投資家の資産は、

約70%下落を経験した後、50年後 (1991年) にようやく元の値にまで戻りました。

リスクヘッジに有効とされる金も似たようなものです。


低リスク資産やヘッジと言う言葉に過度に惑わされないこと、

一つの資産クラスや投資対象を過信しないことが大切です。

長期的にインフレを調整すると、全ての資産にリスクが伴います。


【まとめ】

よく初心者の方は、

最もリターンの高そうな資産クラスや地域、投資対象は何かと探そうとします。

ただ、長期的に資産形成をしていく上で、

より重要なのは、自分の資産を台無しにしない適切な資産を選択することです。

定期的に怪しい投資対象や流行の投資対象が生まれては消えていきます。

ただ、万能の資産クラスや投資対象と言うものはありません。

どの資産クラスであっても調子のいい時期もあれば、悪い時期もあります。


自身が投資を始めてから終える(売る)までの期間、

それぞれの投資対象のリスクやリターン相関などが事前にわかれば最適な結論が出せるのですが、

未来はわかりません。


市場価格の変化も、自身がいつお金が必要になり売るかすら、なかなかわからないものです。

結局のところ、自身の許容できるリスクの範囲内で、

適切にさまざまな資産に分散し、

バランスの取れたポートフォリオを構築することが大切だと思います。


また、金融ポートフォリオだけではなく、

事業ポートフォリオや人的資本(稼ぐ力や信用力)なども合わせた、

人生全体の総合的なポートフォリオ設計が、

将来の不安を減らしたり、市場の長期停滞に備えるうえで重要だと思います。

株式投資に期待するものは、株式投資の限界もよく理解しましょう。

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