バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。

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画像は ピクテ投信のHPより

今回の結論


例えば「市場が三カ月で20%以上下がる事はない」 

という主張があるとします。

でも、仮に過去のデータがそうなっていたとしても特に意味はありません、


それはただ単に「過去市場が3カ月で20%以上下がったことがなかった」

という情報にすぎません。

言い換えると、

「これまで下がったことがなかった」いう事実と、

「これから下がる事はない」を一緒にしてはいけないからです。


過去三ヶ月台風が来なかったからと言って来月こないとは限りません。

過去100年震度7の地震が来なかったからといって来年こないとも限りません。


サンプル数が不充分かもしれませんし、

過去の分析の仕方が適切でないかもしれません。

そして、過去と未来で傾向や制度が大きく変化する可能性もあります。

過去の事実が未来もそのまま続くとは限りません。





S&P500について

それを踏まえた上で、S&P500について考えてみましょう。

S&P500指数は1957年2月28日に誕生しました。

その母体となったのは1926年から公表されたS&P総合指数で、大型株90銘柄で構成されたものでした。

ただ、当時時価総額1位のAT&Tが含まれていなかったり、鉄道・公益株の扱いが今と異なったりしています。


S&P500の20年間毎の成績

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参考 ナザールさんのブログ

S&P500の20年チャートを見た時、

私が一番に思うのは、そもそものサンプル数が少なすぎるという事です。

サイコロを8回振っただけで、

次の出目や平均を正確に分析することはできるのでしょうか?

そして、市場は何面体のサイコロかわからないくらい厄介です。


重複する期間が多ければ、当然結果はその分収束します。

1930~1949年と1931年~1950年というように1年ずつずらしても、

将来の長期投資の結果と予想するのにはあまり意味がありません。

1931~1949年というほとんどの期間が重複するので、ある程度似た数字になって当たり前なのです。


もし、仮に1930年から「期間を重複させず」に、

「完全に独立した20年間」を切り取るとしたら、

1930年~1949年
1950年~1969年
1970年~1989年
1990年~2009年

の四つの期間しかありません。

もちろん、切り取り方にもよりますが、いずれにしても少ないという事はわかると思います

これは、過去10年、30年のリターンでも同じことが言えます。

過去200年程度のデータで長期投資の何かを証明することは不可能なのです。

ですから、私は絶対に、10年、20年、30年投資をすれば絶対に儲かるなんてことは、絶対にいいません。


先日、利上げやSVBの破綻のニュースがある中でも、円ベースのS&P500は特段騒ぎ立てるくらいのリスク(ボラティリティー)にはなっていない。

という主旨のツイートをした際、eMAXIS Slim 米国株式S&P500の設定来(2018年7月)から現在までのチャートでは不十分だ。20年チャートを出すように。

と言う意見を頂きましたが、おそらくそれは私の主張とは少しずれますし、そもそも20年チャートを出したところで何もならないのです。


統計学的な結論を出すにはサンプル不足

統計学者のネイト・シルバーは、

米国株式市場の信頼できるデータは過去100年分ほどしかなく、

例え、一年毎のリターンで見た場合であっても、

統計的に信頼できる結論をだすためのサンプル数が不足してると指摘します。


この指摘を米国株投資家は忘れてはいけません。

過去10年、20年、30年のデータがそうだったからと言って、

今後もそうなるとは限りません。

その傾向や結果がノイズなのか、たまたまだったのか。それがサイクルなのか。

統計的に信頼できるものかと判断するには、歴史が浅すぎる(データが少なすぎる)という事です。

良動画⇓

https://youtube.com/shorts/ssxJuVUVScs?si=G_tjdG0-YwdIPLny


まとめ・感想

投資判断や何かしらの主張をするのは実はとても難しいと思います。

〇週週間、数か月、一年をきりとれば、たまたまそうなることもあります。

〇有効とされるファクター(バリュー・モメンタム・小型株)も、それぞれ過去60カ月以上市場平均を下回り続ける期間を経験しています。(5年くらい通常とは逆の傾向が続くこともある)

〇10年~30年間だと一見参考になりそうですがサンプル数は少なく。

〇40~50年間となると、現状とはだいぶ違う情報が混じってきます。

〇過去100~200年ですと、実用性に難があります。(過去100年は右肩上がりでも自分が投資する20年間は、1929年~大恐慌後のようにひどい20年になるかもしれないなど)

〇終値を使うか、日中の最高値を使うか、どの数字を使うかで結果が変わってくるし、実際に毎日終値きっかりで買うことは現実として非常に難しい。・

〇コストを考慮する必要がある。

といった感じで、

データや数字を見るのも、利用するのもいろいろ難しいと個人的には思います。


誤解しないで欲しいのは、

決して米国株式が悪い。

これらデータを使ったり議論したりする事が悪いといいたいわけではありません。


今回私が言いたかったのは

①過去のデータを使っても、「米国株式市場の未来はわからない」ということ。

②過去のデータを参考にする時は、その扱い方に十分気をつけて欲しいという事。

この二点となります。


素人やプロのインフルエンサーが「適当」と言っては失礼ですが、

不十分なデータや現実的ではないデータ、変に切り取った特定のグラフを用いた主張を聞いて、

それを鵜呑みにして信じたり過度な期待や影響を受け過ぎないように気をつけてください。

これはプロでも変に都合のいいデータを集めて自分の主張を補強する人がたくさんいます。

間違ったデータを、間違って読むと、当然、間違った結論に行きつきます。


特に初心者の方やこれから投資を始める方は、騙されないように特に注意しましょう。

「未来がわからない」から不安だという方もいると思います。

でも、だからこそ、リスクがあるからこそ、株式は預金や債券よりも高いリターン(リスクプレミアム)を期待することができるのです。

未来はどうなるかわかりませんし、未来はどうなるかわかりませんが、私は自身の許容度の範囲内で、株式市場に資産を配分し続けていきたいと思います。

いつも本当にありがとうございます。

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