バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。


【市場から数日離れていると】

昨今の市場状況や今後の景気後退を予測し、

市場から離脱したり、現金化をするよう促す声も多くあります。

そのような意見に耳を傾けるのもよいのですが、

市場から出る前に思い出して欲しいことがいくつかあります。


【1928年~2021年までのデータ】

1928年から2021年まで、

米国株式市場の取引日数は約23,300日ありました。

これらのうち、最も株式市場が上昇した

最高の取引日ベスト30日間のリターンが

米国株式市場の市場のリターンの約半分を占めていました。

参考)1928年~2021年末までの米国株式市場のリターン(年率)


全期間         6.2%
ベスト10日を除いた場合 5.0%
ベスト20日を除いた場合 4.1%
ベスト30日を除いた場合 3.3%

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注 リターンは、米国株式市場の代理として、1928年1月から1957年3月まではS&P90指数、それ以降は2021年までS&P500指数の日々の価格リターンに基づいています。リターンは配当再投資分を含んでいないため、すべてのバーで数値が高くなる可能性があります。

出典 2021年12月31日時点のマクロボンド社のデータを用いてバンガード社が計算したものです。


間違った時期に市場から撤退すると、思っている以上に高くつく可能性があります。

また、動くことでコストがかかります。

ほんの数日間の急上昇日を逃すことで、

あるいは市場から出入りを繰り返すコストで、

長期的な投資リターンを自らの手で押し下げてしまう可能性があります。


【最悪の日を回避することを狙うのは】

また、数学的には当たり前のことですが、

最悪の取引日(ワーストリターンの日)を回避する事でも、大きくリターンが改善します。

ただ、例えば、過去記事でより詳しく紹介した通り、

最悪の取引日は、最高の取引日のすぐ近くにある場合が多いことが過去の研究でわかっています。

(米国株式市場の株価は完全にランダムではなく、ボラティリティーは継続する傾向がある)
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最高の日を逃さないことは、

市場に居続ければ良いだけなので誰でも容易に行えるのに対し、

最悪の日ベスト○○日だけピンポイントで市場から出て、

すぐその翌日にピンポイントで戻ってくることは容易ではありません。


また、基本的には、市場から出入りを繰り返す戦略の方がコストがかかります。

ヘッジをするのも同様にコストがかかります。

このコストを正当化しつつ、出るタイミングと戻るタイミング、2つを当てる難しさは、

コストをできるだけかけずに、ただ黙って市場に居続ける戦略の難しさと比較すると、

天と地ほどの差があると言ってもいいでしょう。


【まとめ】

過去で紹介した通り、実際に株価の下落を採用し、成功したファンドは確かにあります。

しかし、そのファンドを模倣した多くのファンドは散っていきました。

初心者の方が行うのは、思っている以上に難しすぎる戦略だと個人的には思います。

市場から撤退するのに、最適な日といつ株式市場に復帰するかを正確に予測することは通常不可能です。

記憶に新しいコロナショック時でも3月23日の底を過ぎて、ある程度株価が戻した後もしばらくは二番底への警戒や予想が続きました。

そのため、特に一般的なスキルやレベルの投資家は長期的な視野で資産形成を捉えることが大切です。

不安や恐怖から現金に移行することを検討する際は、短期的なノイズに惑わされていないか良く考えてから行動しましょう。

基本的には自身のリスク許容度、目標・計画に沿った資産配分を維持するように努めるのがベターな選択だと思います。

もし下落の間、リスクを取り過ぎていたなと感じた場合は、下落中ではなく、その後、市場が回復し、落ち着いた後で、リスク許容度や資産配分を見直すと良いと思います。

決して、下落や混乱の最中、感情や衝動的に負けて投資判断をしてはいけません。

資産がなかなか増えないのも焦ってはいけません。

株式市場のもたらすリスクプレミアムは階段状ななだらかに上昇していくのではなく、

ある日突然ドンと齎されるものです。それを逃さないことが大切です。

資産形成で最も大切な事の一つは、

タイミングを計ることではなく長く続けることだと思います。

無理のない資産配分を維持し、自分のペースで投資を続けていきましょう。

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