【1年前の予想を検証】
12月20日のウォールストリートジャーナルに
『米株安を当てたのは誰? 1年前の読者予測を検証』というおもしろい記事があったので紹介します。
筆者のジェイソン・ツヴァイク氏は、あの敗者のゲームで有名なチャールズ・エリス氏からも一目置かれるコラムニストで、当ブログでも度々引用しています。(私もファンです)
さて、そんなツバイク氏の今回の記事ですが、
簡単にいうと昨年末の投資家の予想は結果どうなったか。
そしてその当時の自身の予想を覚えているのかという話です。
【記憶を改ざんする能力】
平均すると読者は、2022年末のS&P500は6%高になると予想していました(過去の平均並みですね)
結果はご存じの通り、12/20時点でドルベースで‐16.47%となっています。
22%も予想と開きがありますね(笑)
最もパフォーマンスが良いと思われる資産としてエネルギー(2022年は今のところ約60%高)を挙げていた読者は1人だけ。
ビットコインは5万3900ドルを超えるとの見方でした。
ビットコインは5万3900ドルを超えるとの見方でした。
とまあ、ここまではよくある話ですが、
昨年末の記憶を辿って自身がどう予想していたかと尋ねてみると、
平均してS&P500は‐1%と予想していたという回答が返ってきました。
読者の多くが1年前の自分の予想を正確に覚えていないどころか、
結果に合わせて、あるいは後知恵で、記憶を寄せていることがわかりました(笑)。
S&P500だけではなく、ダウも、米国債も、ビットコインでも同様の傾向がありました。
1年前、読者の多くが、今思い出すよりもずっと高い水準の予想をしていたわけです。
ツバイク氏は「後知恵バイアス退治」に今回の記事のような年次演習を行うことをお勧めしています。
心理学者が後知恵バイアスと呼ぶこのパターンは、
「自分は最初から未来を予見していた」、「起こったことは必然だった」、「現状を予見しなかった人はばかだ」と思わせるものだ。
これはほとんど抗しがたいもので、しかも錯覚に過ぎない。
【まとめ】
今回の記事も相変わらずキレッキレのツバイク氏。
名言を連発しています。
今回特に私が気に入った2箇所を引用して今回は閉めたいと思います。
また、記事下にリンクをつけましたが、
ツバイク氏の書籍はおもしろいので興味のある方は是非読んでみて下さい。
投資において最も悲惨な言葉は「たられば」だ。
「インフレ率はここ数十年の記録を全て塗り替え、エネルギー株は急騰する、という心の声に耳を傾けてさえいれば」、
「米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げすると気付いた時に、債券ファンドから資金を引き揚げ、暗号資産(仮想通貨)を売却していれば」、
「ハイテク株は割高という直感を信じて行動し、株価が急落する前に売却していれば」
「あの時、自分の直感に耳を傾けていれば、いま胃が痛くなるような損失を被ることはなかったのに」、「自らの先見と洞察に基づいて行動する勇気があったなら」
例を挙げればきりがない。
1年の間に私たちの意識の中には数えきれないほどの予感や直感が現れる。
本当に正しかった予感・直感は自然に覚えている。
その他の多くは間違っていることが明らかになり、心の中のごみ箱に入れられる。
今起きていることの意味は大抵、それが「過去」になるまで分からない。
その時になって以前の無知の状態を再現することはできない。
そのため、何が起こるか最初から分かっていたかのように、いとも簡単に思い込んでしまう。
結果、次に何が起こるか今分かると錯覚してしまうことがある。
今から1年後、自分の答えを振り返ってみてほしい。
明白だと思っていたことが突然曖昧になったり、
明確だと思われた批判が不明確になったり、
確実なことがばかげたことに思えたりするかもしれない。
そして、投資家として大きな一歩を踏み出すことになるのだ。
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