【3月15日 米国株式市場】
ダウ 38,905 ‐0.35%
S&P500 5,150 ‐0.29%
ナスダック 16,128 ‐0.30%
米国株式は下落。ダウは4日ぶりの下落となりました。
2月の米生産者物価指数(PPI)が予想を上回り、CPI同様根強いインフレを示唆しました。小売売上高は予想を下回ったものの前月より改善。個人消費の底堅さを示唆しました。
これらを受けて米国債利回りが上昇。株式市場を圧迫しました。
ラッセル2000は‐1.96%と小型株は大きく下落。
VXUS(全世界株式除く米)も‐0.63%と下落しました。
米10年債利回りは4.298%。+0.106と上昇しました。
VIX指数は14.40。+4.73%と上昇しました。
【為替・コモディティー】
ドル円 148.27 +0.36%
NY原油 81.11 +1.74%
NY金 2,162 ‐0.53%
経済指標を受けてドル円は148円台前半に。
IEAが今年の世界石油市場が供給不足に陥るとの予想を明らかにしことを受けて原油は続伸。これを受けてエネルギーセクターも上昇しました。金は下落。
ビットコインは70,696ドル。‐3.33%と下落しました。
【S&P500マップ】
エヌビディアやAMDなどの半導体銘柄やテスラの売りが続きました。
【セクター】
11セクター中、通信とエネルギーを除く9セクターが下落。
特に不動産、素材、生活必需品などが大きく売られました。
【スタイルボックス】
全てのカテゴリーが下落。
特に中・小型株が大きく下げました。
【個別株】
○ロビンフッド・マーケッツ +5.19%
2月の預かり資産の増加や取引量の急増などポジティブなデータを報告しました。
○アンダーアーマー ‐10.74%
プランク会長がCEOに復帰する人事を発表。投資家からは不評で株価は下落しました。
【経済指標】
○2月米国 生産者物価指数(PPI)
(前月比)0.6% 予想 0.3% 前回 0.3%
(前月比)0.6% 予想 0.3% 前回 0.3%
(前年比)1.6% 予想 1.2% 前回 1.0%
2月のPPIは前月比+0.6%と1月の0.3%から加速。市場予想も上回る伸びとなりました。ガソリン(+6.8%上昇)や食料品など、財(モノ)の価格が上昇。
CPIに続きインフレの根強さを示唆する内容となりました。
○コアPPI(食品・エネルギー除く)
(前月比)0.3% 予想 0.2%・前回 0.5%
(前年比)2.0% 予想 1.9%・前回 2.0%
FRBが重要視するコア指数は予想をやや上回ったものの、前月から横ばい。
サービスの価格が0.3%上昇。うち、ホテルなどの宿泊費の3.8%の上昇が1/4を占めました。
○2月米国 小売売上高
(前月比) 0.6% 予想 0.8% 前回 ‐1.1%
(前月比) 0.6% 予想 0.8% 前回 ‐1.1%
(除自動車) 0.3% 予想 0.5% 前回 ‐0.8%
2月の小売売上高は予想を下回ったものの、前月よりは回復。
自動車やガソリンの売上が増加したことを受け前月比+0.6%となりました。
○新規失業保険申請件数
(3/9までの週)20.9万件 予想 21.8万件 前回 21.0万件
(3/9までの週)20.9万件 予想 21.8万件 前回 21.0万件
○米失業保険継続受給者数
(3/2までの週)181.1万人 予想 190.5万人 前回 179.4万人
いずれも予想を下回り、米労働市場の底堅さを示す内容となりました。
金融市場ではこれらの経済市場を受けて、6月の利下げ確率が一週間前の81.7%から約62%に低下。
利下げの予想曲線は全体的に右寄りにシフトし、FRBの利下げ開始が年後半にずれ込む可能性をやや織り込みました。
【まとめ】
米国株式市場は下落。米消費者物価指数(CPI)に続いてPPIもインフレ圧力の高まりを示唆したことで、FRBが利下げを急がないのではとの観測が強まりました。
先日書いた通り、利下げに関しては、6月から年後半にずれ込む可能性は十分ありますから、あまりやきもきせず、慌てずに付き合うことが大切です。
また、チャットGPTの発表以降ここ数か月市場を牽引してきたAI・半導体銘柄が昨日に続き売られ、フィラデルフィア半導体指数は‐1.8%と下落。同指数は今週に入り約3.5%程下げています。
利確や割高感のあった銘柄に調整が入ってもおかしくはありません。
さて、利下げや半導体ブームに暗雲が立ち込めるニュースが続いていますが、S&P500は年初来で約8%、半年で15%以上上昇しています。
むしろ非常に良い数字で、多少下落しても当たり前だと思いますし、ほんの数%下落したところで、どこに慌てたり騒ぐ必要があるのかとも思います。
株価も経済もいい時もあれば悪い時もある。思い通りにならないことも当たり前。そういう当たり前のことを忘れずに、長期的な視点を維持しながら、いつも通り投資を続けていきましょう。
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