バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。

【S&P500はバブルなのか】
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eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は過去3年で約90.8%上昇しました(24年1月末時点)。

統計学者のリバーは、過去こんな発言をしていました。

「ある期間の株式市場をみて、株価が過去の平均より速いペースで上昇していれば、バブルではないかと疑うべきだろう」

「S&P500が5年間に上昇するペースが、長期的な平均値の2倍を超えた過去8回のうち、5回は直後に相場の大暴落が発生した」

参考)S&P500が過去5年で90%上昇したのち暴落したケース


〇1901年の恐慌
〇世界恐慌
〇1937年(14カ月にわたる景気後退で株価は40%以上下落)
〇ブラックマンデー
〇ITバブルの崩壊


さて、今回はどうなるのか。

・・・でも、サンプル数が少なすぎますよね(笑)



【シラーPER・CAPEレシオ】

統計学者のネイトリバーは、いわゆるシラーPER(CAPE)を参考にしてみることを提案しています。

私はシラー氏が好きなせいで、シラーPERと呼んでいますが、一般的にはCAPEレシオと呼ばれています。

CAPEレシオとは、「Cyclically Adjusted Price-to-Earnings Ratio」の略で、日本語に直すと「景気循環調整後の株価収益率」となります。

株価の割安・割高を判断する代表的指標PER(株価収益率)の考えを応用したもので、単年度の1株当たり利益ではなく、物価変動の影響を補正したうえで10年間の利益の平均額を使ってPERを計算する形になります。

これにより景気の好不調や一時的要因による影響を取り除いて、株価水準を判断することができます。

1988年にエール大学のロバート・シラー教授とジョン・キャンベルが公式に定義し「シラーPER」「CAPEレシオ」とも呼ばれます。

一般的には25倍を超えると割高とされます。ただ、FRBのバランスシートと正の相関があるともされていますので、現在のような緩和政策の中では多少の水準が高くなるのが普通です。

ここら辺に関しては、少し補足したいので近日記事にしたいと思います。


【現在のシラーPER】


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低金利や緩和政策の影響等も考慮する必要がありますが、

過去の水準よりもかなり高い位置にあります。

一応、過去のデータですが、

シラーPERと10年後のS&P500指数のリターンには相関が見受けられます。

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WSJより

更に、リバーの言葉を引用しましょう。

株式市場について確かなことはほとんどない。この株価収益率のパターンもシグナルとノイズの組み合わせといっていいかもしれない。

それでもシラーの主張には、経験則だけな証拠だけではなく、理論的な支えがある。株価収益率は、株価を評価するうえでの基本的な指標であるため、より本当らしく見える。

とまあ、こんな感じなのですが、

もちろん、完全ではないものの、将来を予想する星の数ほどある指標の中では、シラーPERはまだ全然マシな部類に入ると個人的には思います。



【シラー教授の見解】

シラー教授は、現在CAPEが高水準にあるとはいえ「全てを売るよう勧めたことは決してない」し、

“「米国株を多少減らし外国株に傾けるか、(金融、ヘルスケア、消費財などの)割安なセクターへ移動することはできるだろう」”

とWSJのインタビューで答えています。

自身はここ数年、米国株へのエクスポージャーを「減らしている」が「完全にではない」として、「米株式市場が非常に好調になることをまだ期待している」としています。(ここの部分は、米国民へのリップサービスもあるかもしれません)

株価が上昇したら、少しずつ株の持ち高を減らしていくことは、常に理にかなっている。

しかし、過去最高値圏にあるからといって、全ての保有株を切り捨てるのは、完璧な確実性のある世界でのみ理にかなう。そのような確実性は、おとぎ話の中だけに存在するものだ

としています。

参考 https://jp.wsj.com/articles/the-trouble-with-a-stock-market-bubble-11644798363

【まとめ・感想】

ということで、「根拠なき熱狂」や「ナラティブ経済学」、

日本人個人投資家のレバレッジブームの火付け役となった「ライフサイクル投資術」の推薦文でも知られる、シラー教授は現在米国株を減らしているようです。

また、国際分散投資やバリューセクターへの投資、株式比率を下げることを勧めています。

私自身は動的なポートフォリオ戦略を採用していませんので、特にどうこうすることはないのですが、もし何かしら参考になれば幸いです。

何よりも、自身が研究の末生み出した指標ですら完全に信頼してはない。

この素晴らしい姿勢は私達も見らなうべき点だと思います。

シラーPREや教授の意見を見るに、米国株式市場の今後10年間はあまりいいものにならないかもしれません。

もちろん、そうでないかもしれません。どうなるかはわかりませんが、わからないからこそ、適切な配分で私は資産をS&P500に配分し続けたいと思います。

あと、為替が1円動くと自身の資産がどうなるのか。例えば、1ドル130円になるとどうなるかなども考えておくと良いかもしれません。

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