【オルカンの60%は米国株】
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VTやオルカンのように、時価総額で全世界株式を丸抱えするようなインデックスに連動する商品について、よく指摘されることの一つに、米国株が60%を占めているから危ない、リスク分散になっていないという意見があります。

今回はこのことについて簡単に書いていきたいと思います。

【先進国比率も見逃すな】

ちなみに、オルカンの米国株比率の高さの話を問題視する際に、米国株にばかり意識がいって忘れられがちなことが1点あります。

それは先進国比率が約9割(89%)となっていることです。

下は米国株 米国を除く先進国。ドルベース、配当込み、1986年からのチャートです。

本当はより長い期間で円ベースのものを出せればいいのですが、今手元に簡単に用意できたのがこれだったのでご了承ください。ただ、これでも要点は十分お伝え出来ます。

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1970年代や1980年代は米国株よりも米国を除く先進国の方がリターンが高い時期が続きました。また、米国株との相関も低くなっていました。

つまり、米国株と組み合わせることでリスクを抑えつつリターンを向上させる効果があったわけです。

しかし、近年では米国と他の先進国市場の相関が高まり、リスクを抑える効果が薄くなってきたと言われています。

このグラフの期間全体では相関は0.72ですが、期間を分けてみると、1990年以前は0.42なのに対して1990年から2023年3月末にすると0.77 2000年から2023年3月末みると0.88と高くなっています。

(補足)1が完全相関で分散効果(リスクを抑える効果)はなし。0やマイナスの方が分散効果は大きい

もちろん、分散効果がないわけではありませんが、0.88となるとあまり期待できなくなります。

ただし、相関は時間の経過とともに変化します。この傾向が今後どうなるかはわかりません。
また相関だけではなく、値動きの幅も合わせてみる必要があります。

しかしながら、オルカンの60%が米国株だから危ないと、現在の米国比率を見て指摘するのであれば、それについて考える時に、米国比率のみを問題視する「他に」

じゃあ、米国株と近年相関がたかくなっている先進国に9割のウェイトを持つのはいいのか。

とか先進国株式インデックスやファンドに投資をするのはどうなのか(米国比率をみてもより高くなる)という話も合わせて考えることが大切だと思います。




【米国株比率の変化】

さて、本題に戻りましょう。

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全世界の株式市場における米国株の占める割合は大きく変化してきました。

今60%だからといって今後も60%だとは限りません。

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例えば、つい5年ちょっと前の2017年12月時点でも米国株式市場の比率は50%にすぎませんでした。

2009年だと米国の比率は42%にとどまっています。

リーマンショック以降の、あるいは2017年以降の米国株式市場の株価の急成長を受けて比率が大きくなっているわけですが、これはオルカンが米国株式市場の成長をしっかりと取り込んだ証明でもあります。

オルカンのメリットの一つは世界の株式市場のほぼすべてにエクスポージャーを取ることで、その地域の株式市場や企業が生み出す利益の分け前を貰うことができる点にあります。

これをほぼ手間をかけずに、低コストで、分散効果によりできるかぎりリスクを抑えつつ実行できるのがオルカンの素晴らしい点だと思います。




【時価総額加重VS・・・・・】

オルカンのメリットもわかった。時価総額比率が変化することもわかった。

でも、今の株価が上昇した(割高になった可能性がある)米国株式市場にたくさん投資をするのは怖くないと思う方もいるかと思います。

わかります。慎重なあなたは間違っていません。

結局この話は、時価総額加重で投資をすることをよしとできるかという話になってきます。


【時価総額加重が基本(だが絶対ではない)】

時価総額加重のメリット・デメリットは過去記事に書いたので割愛しますが、

理論上は時価総額加重で持つのが合理的とされ、基本とされています。

(が、実際の最適なリスクリターンの点はずれます。が、それは事前にわかるものではなく、後になって計算してわかるものです。またそれを狙うことによって追加の手間とコストがかかります。←時価総額加重が絶対ではないけどかなり合理的な理由)

また、運用が簡単でコストを抑えられる傾向にあるのが大きいです。

バンガードは、公式HPに、インデックスは原資産の時価総額構成に応じて構築されるべきだと考えています。とはっきりと載せていました。

もう少し踏み込んで時価総額加重のメリットや理論的根拠を知りたい方は簡単な入門書を一冊読むことをお勧めします。

ファイナンス理論全史

ファイナンス理論入門

逆説的ですが・・・

もし「明らかに」均等加重など他の方法、配分の方が優れていたら、各運用会社は競うようにそちらを採用し、投資家もそれを買うはずです。

しかし、少なくとも現状では、そこまでの状況には至っておりません。ETFの資産額などをみると未だ時価総額加重型の方が上位に並んでいます。

【米国株の比率が気になる要なら】

いや、でも、それでも、守りたい資産があるんだ

と、米国株比率が気になる方もいるでしょう。

そういう方は難しく考える必要はありません。


長期的によく分散されたPFで運用する場合資産配分がそのリスクとリターンの大部分を決めます。

今のオルカンの中の米国比率が気になるのであれば、米国株以外の地域の株式(やファンド)を買って他の地域の構成比率をあげたり、米国をショートしたり、

そもそもオルカンではなく、昔の日本のインデックス投資家のように「日本+先進国+新興国」とか「日本株+日本を除く全世界株式」と言った形で保有してもいいですし、

米国人投資家のように「米国+米除く先進国+新興国」という形でもいいでしょう。


この場合はリスク、リターン、相関などを考えて自分で計算して比率を決め、状況によっては、リバランスなどのメンテナンスを行う手間と追加コストがかかるので、ここをどう判断するかですが、自身の好きな比率で投資がしたいという方にとっては意外と苦ではないと思います。

将来のリスクやリターン相関が「全く」わかならいという方は、3資産均等型のように均等型が合理的になる可能性もあります。

【比率をいじることのデメリットも理解しよう】

注意点は、最初に決めた方針(計算)が実はそもそも間違っていた可能性があること(特に初心者の場合)、あるいは正しかったのに途中の市場環境の変化に動揺して、計画を放棄して安値売りしたり、流行の投資対象に後乗りして高値買いしてしまうことなどがあげられます。

そういう意味では初心者の方にはオルカン買ってただ放置が向いていると思います。

また、時価総額加重型よりも、米国株式市場の比率を下げることで、今後更に米国株式市場が上昇を続けた時リターンが低くなる可能性もあるので、米国株比率を下げることは一方的に有利な戦略ではなく、トレードオフの戦略だということも覚えておきましょう。

個人的には時価総額加重をお勧めしますし、私もそれを採用していますが、元々バリュー投資家だったので、割安だと思われる地域の比重をあげたくなる気持ちはとても、とてもわかります。




【まとめ】

長くなりましたが、いずれにしても米国株比率が高いのはそこまで騒ぐほどの問題ではありません。

対応策がいくらでもあるからです。

変に騒ぎ立てるよりも、時価総額加重の合理性を信じる方は気にせず投資すればいいし、気になる方は具体的な対応策を考えることが建設的です。

リスクや危険性の話であれば、最終的には無リスク資産とリスク資産との比率でバランスをとり、リスクを限定する方法もあります。

理想としては株式や米国株式市場の出来に左右されないくらいの、資産や収入源、人的資本を確保していくのがよいでしょう

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