オルカンは最も優れているかはわかりませんが、
— りんり@バンガードS&P500ETF(VOO) (@SandP500ETF) July 9, 2023
①幅広く分散投資ができる(リスク減)
②低コスト
③簡単さ
④配当を効率よく再投資できる
⑤つみたてNISA等の制度でも利用可能。
⑥100円からでも分散投資可能。
など優れた点も多々ありますhttps://t.co/8KP68q8Rb5
【オルカンは優れていないわけではない】
私は米国株式市場が大好きです。
が、全世界株式も大好きです。
割と、どちらに投資をしている方の言い分もよくわかります。
ただ、ほとんどのアクティブファンドが、コスト控除後の成績でベンチマークを上回ることに苦労していることからもわかるように、
オルカンよりも遥かにイマイチな投資手法の方が世の中たくさんあるわけですし、
上記のツイートのようにオルカンにも長所がたくさんありますから、
決して最強ではないものの、『優れていない』というわけでもなく、
むしろ大多数のイマイチな投資戦略よりもかなりマシだと思います。
【どちらが良いリターンになるかはわからない】
過去、米国株式市場のリターンがよかったことは事実ですが、
時期によっては米国以外の株式市場の方が良いリターンだった時期もあります。

過去記事に書いた通り、切り取る20年によっては米国以外の株式に投資をした方が良い結果となるケースもあり、
自身の投資する将来の20年や30年という期間において、『どちらが良いリターンとなるかは誰にもわからない』としか言いようがありません。
この点においては米国オンリー派、全世界株式派どちらの言い分もよくわかります。
【もし、過去のリターンだけで判断するのであれば】
もし、過去のリターンだけで将来の投資の結果が決まるのであれば、
必ずしも米国株式市場ではなく、南アフリカやオーストラリアでもいいはずですが、
『過去のリターンやチャートがよかった「から」米国株式』という方は、
ここら辺をどう解釈しているか。個人的には気になる所です。

「
米国の人口や制度や株主還元、市場の流動性などのわかりきっていることは、既に株価に織り込まれているというか、織り込まれてきたからこそ、今までのような魅力的なチャートや株価が形成されてきたわけで、未来はどうなるかわかりません。
【リスクは組み合わせた方が低くなる】
ただ、株式投資はリターンだけではなく、リスクとリターンの両輪で回っています。
高いリスク(ボラティリティー)は将来投資家が得るリターンを押し下げることに繋がります。

ファンドの海より引用。
特に複利を活かしながら長期投資をする際には、
①リスクと②コストを抑えつつ投資をすることが非常に重要になります。
そして、別々の値動きの対象を組み合わせる『分散効果』によって、
リターンを(ほぼ)損なわないまま、リスクを抑えることが可能です。
例えば、1970年から2018年までの期間で比較してみると(ドルベース)
【米国株式市場】
リターン 9.0%
リスク 15.1
シャープレシオ 0.59
【米国を除く全世界株式(MSCI World ex US Index)】
リターン 8.4%
リスク 16.8
シャープレシオ 0.50
と、なっており、ここでも、一見する米国株式の方が良く見えますが、「米国株式」と「米国を除く全世界株式」を組み合わせることにより、
リターンは9.0%とそのままで、リスクは14.3%と低くなり、シャープレシオを0.63に改善することができる。
上記の例は、ほんの一例ですが、米国株式と米国以外の株式を組み合わせることによって、リスクを抑えられるという研究はたくさんあり、
実際、米国の大学基金など機関投資家は、米国オンリーの運用から、米国以外の株式も組み合わせて投資をするスタイルに変化してきました。

また、「VTは米国では人気がない」という反論がよくあります。
VTに関しては、確かにそのとおりなのですが、
VEA、VWO、VXUSのような米国以外の地域に投資をするETFは、米国では普通に人気があります。

(Largest ETFs スクショの関係で4位VTI以下から)
これは、VTそのものが、比較的後発の新しいETFであることも要因ですし、
米国の税制上、米国内の株と米国外の株を違う口座で分けた方がお得という背景もあります。
また、米国では、元々S&P500ファンドなど、米国株を既に持っている投資家が多かったこともあって、
そこに期待リスクや期待リターン、相関等を計算して、米国外の株式も適切な配分で組み合わせようという流れになったため、VTではやや使いづらかったという側面もあります。
以上のことから、「VTが米国で人気がない『から』国際分散は必要ない」というのはおかしい理屈だと思います。
ただ、日本でこれから全世界株式に投資をする人であれば、上記の様な米国固有の理由が当てはまらくなるので、時価総額加重だと嫌だという方でなければ、最初からVTやオルカンでもいいと思います。
なお、米国でも米国オンリー派と国際分散派がネットのスレで戦っている姿をしばしば見かけます(笑)
【まとめ】
米国株と全世界株式(オルカン)、どちらが良いリターンになるかはわかりません。
投資を開始した日と末日に依存するとしか言いようがありません。
せいぜいそれぞれの勝手な予測に基づく期待くらいの根拠しかないでしょう。まあ私は米国が好きですけど。
一方で、米国株と米国以外の地域の株式を組み合わせることによって、リスクを抑える効果は期待できます。
昔はコストが気になりましたが、今ではコストも手間もかなりかからなくなりました。
まとめると、
どちらがよいリターンかはわからないが、リスクが低くなることが期待できるため、全世界株式に分散投資をするのが、理屈や教科書的には基本だと思います。
ただ、過去の推移、現在の米国市場のウエイト、そして米国の影響力等を考えると、先進国株式でも米国株式に集中投資をした場合でも、(投資期間にもよりますが)そこまで劇的な差はないのかなと思います。
が、未来はどうなるかわかりませんよね。

個人的には、もし、米国株に集中投資をするのであっても、
上記のような基本的な理論や理屈を踏まえ、わかったうえで、集中投資をすることが大切だと思います。
その際、あえて、金融理論の基本を少し破って、集中投資をするわけですから、そう判断するだけの合理的な理由、確固たる理由を見つけることが重要だと思います。
逆に迷っている方は、全世界株式でも結構なウェイトを米国株に投資をすることになりますから、迷っているなら、より分散されている全世界株式の方がベターかなと思います。
まあ、いろいろな投資戦略があると思いますが、全世界株式に投資をするにせよ、米国に集中投資をするにせよ、どんな戦略をとる方であれ、
この記事を読んだ方、みんなが成功することを私は願っています。
いつもありがとうございます。
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