【11月1日 米国株式市場】
ダウ 33,274 +0.67%
S&P500 4,237 +1.05%
注目されていたパウエル議長の発言ですが、様々なことに言及がありましたが、市場の反応を見ると好意的に取られたようです。
①利上げの可能性は残す。
パウエル議長は、FRBがインフレ率を2%に回帰させるにはまだ長い道のりがあるとし、目標2%に戻す上で金融政策が十分に景気抑制的かどうか、まだ判断に確信を持てないと発言。
「現時点では利下げについては全く考えていない」とし、利下げまではまだ時間がかかることを示唆しました。
②強い米国経済と様々なリスクを指摘
米国経済の強さを指摘。もう一段の利上げを正当化できる強い経済データと労働需要の耐性に言及。利上げ停止後の利上げ再開は困難という考え方は否定し、もう一段の利上げの可能性を残しました。
「物価の安定を回復するには、依然として成長の鈍化と労働市場の軟化が必要になる可能性が高い」としています。
一方、地政学的リスク、政府機関閉鎖のリスク他、様々なリスクをあげ、金融情勢は明らかに引き締まっていると指摘。
「家計と企業向けの金融・与信状況の引き締まりは、経済活動や雇用、インフレに影響を及ぼす公算が大きい」(前回に比べて金融が追加)
【市場の反応】
パウエル議長の発言後、米国株式市場をはじめ、ビットコインや債券などの価格が上昇。ドルは下落。
短期金融市場では、12月のFOMCでも据え置きが77.5%ほどの確率で予想されています。(0.25%の利上げ予想が22.5%。)
【経済指標】
製造業は予想、前回よりも縮小しました。
サブ指数では雇用が前回の51.2から拡大縮小の節目の50を下回り46.8となりました。
労働市場や経済の鈍化はインフレ抑制という面では良い兆候です。
○JOLTS求人件数
結果 955.3万件 予想 925.0万件 前回 961.0万件
JOLTS求人件数では予想は上回ったものの、前回よりは求人は減りました。
結果 +11.3万人 予想 +15.0万人 前回 + 8.9万人
ADP雇用統計は予想を下回り、労働市場の緩みを示唆する内容となりした。
労働市場の引き締まりが経済を下支えし、金利が当面高止まりする可能性を示唆した。
【まとめ】
パウエル議長は声明やパウエル議長の発言では細かな文言が追加されましたが、大筋では今までと大きく変わらず、よりタカ派的になるのではと備えていた投資家にとっては嬉しい誤算となりました。
今後については「FOMCは次回会合の行動についてまだ決定していない」とし、経済指標や労働市場次第といったこれまでどおりの発言となりました。
加えて今回は「我々は長期金利の上昇に注意を払っている」という発言もありました。
今後については、12月のFOMCまでに2度ある雇用統計他、指標次第というところでしょう。
インフレと高い水準の金利との戦いはまだ数か月は続きそうです。
パウエル議長等が明確な結論を出せずにいるように、経済というのは水物で完全に人の手でコントロールできるものではありません。また政策が実体経済に効くまでには時差があります。
今後も可能性を解除せず、抑制的な金利を維持しつつ、慎重かつ柔軟に対応してこうというパウエル議長の姿勢は教科書通りで評価できます。
教科書や基本通りのことをなぜかできない国も結構ありますから。
今年上半期には年内利下げも予想されていましたが、今は来年半ば以降の利下げ予想が主流となっており、インフレと金利との戦いは長引く可能性があります。
少なくとも明日インフレが魔法のように消えて、急に2%落ち着くなんてことはまずないわけですから、あまり目先のことにヤキモキせず、長期的な視点かつ穏やかな心でリスクや問題と付き合っていくことが大切です。
私はFOMCの結果を気にせず投資を続けていきたいと思います。
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ダウ 33,274 +0.67%
S&P500 4,237 +1.05%
ナスダック 13,061 +1.64%
米国株式市場は3日続伸。11月のFOMCで金利据え置きが決定。
パウエル議長は更なる利上げの可能性を排除しなかったものの、事前に警戒されていたほどタカ派的ではないとの受け止め方が広がり、リスク資産は上昇。債券利回りは低下しました。
ラッセル2000も+0.45%と小型株も上昇。
VXUS(全世界株式除く米)も+0.99%と上昇しました。
米10年債利回りは4.734%。‐0.141%と低下。
VIX指数は16.87。‐1.27と大きく低下しました。
【為替・コモディティー】
ドル円 150.89 ‐0.51%
NY原油 80.90 ‐0.15%
NY金 1,977 ‐0.26%
為替市場ではパウエル議長の発言がハト派と受け止められドルが下落。一時151円台をつけました。
原油と金は小幅に下げて終えました。
ビットコインは35,332ドル。+1.95%と上昇しました。
【S&P500マップ】
【セクター】
全11セクターが上昇。特にグロース系のセクターが大きく上昇しました。
【スタイルボックス】
中型グロース株を除く全てのカテゴリーが上昇。
特に大型グロース株や中小型バリュー株が上昇しました。
【FOMC】
11月の連邦公開市場委員会(FOMC)は、前会合に続き主要政策金利を5.25-5.50%に据え置くことが決定されました。
米国株式市場は3日続伸。11月のFOMCで金利据え置きが決定。
パウエル議長は更なる利上げの可能性を排除しなかったものの、事前に警戒されていたほどタカ派的ではないとの受け止め方が広がり、リスク資産は上昇。債券利回りは低下しました。
ラッセル2000も+0.45%と小型株も上昇。
VXUS(全世界株式除く米)も+0.99%と上昇しました。
米10年債利回りは4.734%。‐0.141%と低下。
VIX指数は16.87。‐1.27と大きく低下しました。
【為替・コモディティー】
ドル円 150.89 ‐0.51%
NY原油 80.90 ‐0.15%
NY金 1,977 ‐0.26%
為替市場ではパウエル議長の発言がハト派と受け止められドルが下落。一時151円台をつけました。
原油と金は小幅に下げて終えました。
ビットコインは35,332ドル。+1.95%と上昇しました。
【S&P500マップ】
【セクター】
全11セクターが上昇。特にグロース系のセクターが大きく上昇しました。
【スタイルボックス】
中型グロース株を除く全てのカテゴリーが上昇。
特に大型グロース株や中小型バリュー株が上昇しました。
【FOMC】
11月の連邦公開市場委員会(FOMC)は、前会合に続き主要政策金利を5.25-5.50%に据え置くことが決定されました。
最近の指標は、経済活動が第3・四半期に力強いペースで拡大したことを示している。雇用の伸びは今年初旬から緩やかになったが依然として力強く、失業率は低いままだ。インフレ率は高止まりしている。
注目されていたパウエル議長の発言ですが、様々なことに言及がありましたが、市場の反応を見ると好意的に取られたようです。
①利上げの可能性は残す。
パウエル議長は、FRBがインフレ率を2%に回帰させるにはまだ長い道のりがあるとし、目標2%に戻す上で金融政策が十分に景気抑制的かどうか、まだ判断に確信を持てないと発言。
「現時点では利下げについては全く考えていない」とし、利下げまではまだ時間がかかることを示唆しました。
②強い米国経済と様々なリスクを指摘
米国経済の強さを指摘。もう一段の利上げを正当化できる強い経済データと労働需要の耐性に言及。利上げ停止後の利上げ再開は困難という考え方は否定し、もう一段の利上げの可能性を残しました。
「物価の安定を回復するには、依然として成長の鈍化と労働市場の軟化が必要になる可能性が高い」としています。
一方、地政学的リスク、政府機関閉鎖のリスク他、様々なリスクをあげ、金融情勢は明らかに引き締まっていると指摘。
「家計と企業向けの金融・与信状況の引き締まりは、経済活動や雇用、インフレに影響を及ぼす公算が大きい」(前回に比べて金融が追加)
③ややハト派的な発言も
「バランスシートのランオフペース変更を検討せず」も「サイクルの終わりに近づいている」
「バランスシートのランオフペース変更を検討せず」も「サイクルの終わりに近づいている」
【市場の反応】
パウエル議長の発言後、米国株式市場をはじめ、ビットコインや債券などの価格が上昇。ドルは下落。
短期金融市場では、12月のFOMCでも据え置きが77.5%ほどの確率で予想されています。(0.25%の利上げ予想が22.5%。)
【経済指標】
○ISM製造業景況指数
結果 46.7 予想 49.0 前回 49.0
結果 46.7 予想 49.0 前回 49.0
製造業は予想、前回よりも縮小しました。
サブ指数では雇用が前回の51.2から拡大縮小の節目の50を下回り46.8となりました。
労働市場や経済の鈍化はインフレ抑制という面では良い兆候です。
○JOLTS求人件数
結果 955.3万件 予想 925.0万件 前回 961.0万件
JOLTS求人件数では予想は上回ったものの、前回よりは求人は減りました。
○ADP雇用統計 (前月比)
結果 +11.3万人 予想 +15.0万人 前回 + 8.9万人
ADP雇用統計は予想を下回り、労働市場の緩みを示唆する内容となりした。
労働市場の引き締まりが経済を下支えし、金利が当面高止まりする可能性を示唆した。
【まとめ】
昨晩の米国株式市場は経済指標や決算の発表を消化しつつ、FOMCの発表を迎え、パウエル議長の発言以降、30分ほど不安定に動いたのち上昇して終えました。
パウエル議長は声明やパウエル議長の発言では細かな文言が追加されましたが、大筋では今までと大きく変わらず、よりタカ派的になるのではと備えていた投資家にとっては嬉しい誤算となりました。
今後については「FOMCは次回会合の行動についてまだ決定していない」とし、経済指標や労働市場次第といったこれまでどおりの発言となりました。
加えて今回は「我々は長期金利の上昇に注意を払っている」という発言もありました。
今後については、12月のFOMCまでに2度ある雇用統計他、指標次第というところでしょう。
インフレと高い水準の金利との戦いはまだ数か月は続きそうです。
パウエル議長等が明確な結論を出せずにいるように、経済というのは水物で完全に人の手でコントロールできるものではありません。また政策が実体経済に効くまでには時差があります。
今後も可能性を解除せず、抑制的な金利を維持しつつ、慎重かつ柔軟に対応してこうというパウエル議長の姿勢は教科書通りで評価できます。
教科書や基本通りのことをなぜかできない国も結構ありますから。
今年上半期には年内利下げも予想されていましたが、今は来年半ば以降の利下げ予想が主流となっており、インフレと金利との戦いは長引く可能性があります。
少なくとも明日インフレが魔法のように消えて、急に2%落ち着くなんてことはまずないわけですから、あまり目先のことにヤキモキせず、長期的な視点かつ穏やかな心でリスクや問題と付き合っていくことが大切です。
私はFOMCの結果を気にせず投資を続けていきたいと思います。
いつもありがとうございます。
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