フォード財団のレポート
1969年、フォード財団はあるレポートを発表しました。
その内容を一言で言えば、
「株式による高い利回りの恩恵を受けるため、教育基金はもっと株式に投資した方がいい」と
「株式投資」を強く勧める内容となっていました。
余程自信があったのでしょうか?
フォード財団も自らのレポートの内容に従って、資産の多くを株式に投資しました。
1974年の暴落
しかし、1974年の暴落で、フォード財団は大きな損失を被ります。
基金は41億ドルから17億ドルへと減少。
支給していた助成金も、
73年の1億7700万ドルから、7600万ドル(79年時点)へ1億ドルも減額。
研究助成金や交換留学生制度、芸術活動への助成は大幅に切り詰めることとなりました。
他の大学も被害に・・・
1969年に同レポートで賞賛されていた
つまり株式投資に積極的だった
ロチェスター大学も73年から74年の間に基金を半減させてしまいました。
ちまみにS&P500指数は・・・
73年-14.66% 74年-24.47%と珍しく、
2年連続で10%以上の下落を見せました。
当然ですが、ポートフォリオの株式の比率が高すぎる場合、
フォード財団やロチェスター大学等と同じか、
それ以上の被害を受ける可能性を覚悟しなければなりません。
補足として付け加えておくと、
結果的にS&P500指数は75年+37.20%、76年に23.84%と反発しました。
あくまで例えですが
フォード財団の例に、かなり大雑把に当てはめて考えると
フォード財団の例に、かなり大雑把に当てはめて考えると
4100万円の資産が1年で1700万になり、
毎年177万づつ引き出す予定が、数年76万しか取り出せなくなった。
毎年177万づつ引き出す予定が、数年76万しか取り出せなくなった。
ほとんどの資産を株式に集中していたため他の備えが乏しい。
といったイメージです。
実際にこんなことになったら、
老後の生活水準の低下や自己実現やアーリーリアイアなどの計画の遅延、子供の教育費など・・・
最悪の場合自分自身(と家族)の人生設計に影響を及ぼすほどの痛みを伴うケースもあります。
勘違いしないで頂きたいのは、
株式投資、貯金、S&P500、その他資産が悪いといっているのではなくて、
一つの「モノ」を過信したり、依存度を高めすぎるのは良くないということです。
大切なのはバランス
この73~74年の場合は運よくその後2年でS&P500が反発しましたが、大恐慌のアメリカや日本など株式が元の水準に戻るのに十年以上かかるケースもあります(配当込でも)。
一つの事だけで安心せず、また過信せず、
ちょっと大変だと思いますが、出来る事は、出来る範囲でバランスよく全部やった方がよい。と私は思います。
今夜はFOMCですが、金利や株価がどうであれ、自身の許容できるリスクの範囲内で株式投資を続けていきたいと思います。
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