【2022年の投信の資金流入ランキング】
ニッセイ基礎研究所が『外国債券ファンドの復権は?~2022年12月の投信動向~』というおもしろいレポートを公開していたので共有したいと思います。
(以下、画像が見にくい方はクリックして頂けると拡大できます)
2022年の純流入ランキングを見ると、イーマクシススリムS&P500とオルカン、そして楽天VTIとSBI・VOOといった、低コストのインデックスファンドが資金を集めていたことがわかります。
また、3位のオルカンを除き、1~6位は米国株式を主な投資対象とするファンドで(オルカンも6割は米国株ですが)、引き続き米国株の人気が伺える一年となりました。
インデックス型の外国株式ファンドには2022年1年間で3兆2,400億円の資金流入があった。2022年は2020年や2021年のように2021年の2兆4,600億円から倍増とはいかなかったが、それでも3年連続で資金流入が過去最大を更新した。
個別でみてもアクティブ型の外国株式ファンドが2022年後半にあまり売れなくなったこともあり、一部のインデックス型の外国株式ファンド(赤太字)の存在感が増した1年であった
【海外債券ファンドの人気 復活か?】
昨年は、FRBなど各国の中央銀行の利上げにより、債券価格が下落。
逆に、各国の債券の利回りが上昇し、SNS等でも話題となっていました。
実際、外国債券ファンドへの資金流入が続いています。
①為替リスク
ただ、目先の利回りの他に投資家が考慮しなければいけない点がいくつかあります。
特に、外国債券への投資を考えるうえで重要なのは為替です。
外国債券のリスクの半分以上を為替が占めています。
外貨預金についての格言に「外貨建ての高金利は、円建てでの高利回りを意味しない」
という言葉があるのですが、外国債券に投資をする際も注意しましょう。
【例え話】
例え話ですが、米国債に投資をするとします。
まず、最初にドル転しなければなりません。この時にコストがかかります。
円をドルに変える時、1ドル130円だったとします。
3年物の米国債で4%の利回りがついたとしても、
日本人が日本でお金を使う際にはドルを円にしなければなりません。
円に変える時の為替というのはわかりません。
その時、1ドル100円だったらどうなるか。
そうするとその間4%の金利貰ったとしても、為替差損は補えません。
【ポイント】
もちろん、上記の話は例え話です(笑)。
いくつかツッコミどころや回避可能なポイントもあります。
以前ブログに書きましたが、為替に関しては、
八戸市民(全国のいくつかの地域で)なら使えるウルトラCもあります。
ただ、大切なのは、そういう小技ではなく(笑)
表面金利ばかり見て判断してはいけないということです。
為替リスクを考えると日本国債との表面金利の差は、
為替リスクの対価といっても過言ではないでしょう。
金利差があるということは将来的には円高になるということが込みになっているから金利差になっているとも考えられます。
初心者の方向けに勉強になる動画を紹介しますので、参考にしてみてください。
参考動画①
【②コスト】
為替ヘッジすればよいという方もいると思います。
もし、私も外国債券に投資をするのであれば、ヘッジしたい派ですが、
短期的にはヘッジコスト負けしてしまう可能性が高い状況が続いています。
為替ヘッジはリスクを抑える魔法ではなく、
コストを支払っている対価だということを忘れないようにしましょう。
【まとめ】
私自身は外国債券に投資をしていませんが、
「外国債券に投資をする」それそのものをどうこういうつもりはありません。
ただ、外国債券に投資をする時は、よく考えて投資をしましょう。
というのが今回の記事の主な主張です。
少なくとも、表面利回りだけを見て、あるいは現在の環境だけを見て投資判断をしてはいけません。
(為替も、債券利回りも、ヘッジコストも、FRBの政策やインフレの目途がつけば、いずれ落ち着く可能性が高いと個人的に思います)
少し前には、外貨預金が流行りましたが(笑)
話題だからと、外国債券に投資をする前によく考えて投資をしましょう。
やや割高なコストを払ったのに、
結局得られるのは、為替を割り引けば、結局日本国債並みのリターンとリスクとなることもよくあります。
③資産全体のバランス。自身の投資目標や計画
また、外国債券を持つと円安になったときには儲かりますが、
円安の場合に儲かるのは外国株式なども同じですので、
海外株式に投資しているなら、円安への備えは十分であるとも考えられます。
むしろ、資産配分によっては、実質的な為替リスクの取り過ぎとなる可能性もあります。
円安の場合に儲かるのは外国株式なども同じですので、
海外株式に投資しているなら、円安への備えは十分であるとも考えられます。
むしろ、資産配分によっては、実質的な為替リスクの取り過ぎとなる可能性もあります。
投資で重要なのは資産配分だということを思い出し、
外国債券に投資をする前に、
自身の目標やリスク許容度に合う資産配分になるのかを今一度確認することも大切だと思います。
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