
【バリュートラップ】
バリュー投資家にとって、嫌な言葉の一つに「バリュートラップ」という単語があります。
補足)バリュートラップとは
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)など、株式投資において割安・割高を判断する指標はいくつも存在します。
理論的には、割安な銘柄は株価上昇による水準訂正が期待できますが、割安な銘柄がいつまで経っても割安なまま放置される状態をバリュートラップといいます。
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ha/J0665.html
割安だと思って買った株がいつまでもあがらない。
実際には株価は当初の見た目ほど安くはなかったことが後から明らかになる。なんてことがあります。
「グロース・トラップ」
一方で、米国には「グロース・トラップ」という言葉もあります。
例えば、実現が困難なほど高すぎる成長や高すぎる期待に対して、価格が設定されている成長企業に投資してしまうことで、
所謂 「成長の罠」という言葉の方が馴染みがある方も多いかもしれません。
【トラップ発動】
GMOの調査によると、2000年8月から2020年までの間、
米国株式市場におけるバリュー/グローストラップはこの程度ありました。

出典:GMO、IBES
MSCI・USスタイルグループを基に分析したもの。近年ではほぼ同じくらいですが、
(当たり前ですが)ITバブル崩壊からしばらくの間は、グロース・トラップの方が多く発生していました。
おもしろいのが次のデータです。
【相対的パフォーマンス】
1997年8月~2021年7月までの間のバリュートラップとグローストラップの相対的パフォーマンスを比較したものです。

バリュートラップ銘柄は、ベンチマーク(MSCI・US・value)を年間9.5%も下回っていましたが、
グローストラップ銘柄は、ベンチマーク(MSCI/)US・growth)を13.0%も下回りました。
このデータに対し、GMOはバリュー株は元々投資家があまり信用していない企業であり、
一方、グロース株は投資家の期待値が高く、一般的にその期待値を満たしたり、上回ったりしてきた歴史があります。
グロース株がその期待に応えられなければ、厳しい罰を受けるのは当然のこととして、
これは特に驚くべき結果ではないとしています。
ちなみに特定のバリュー株が特定の年に「バリュートラップ」となる確率は約30%ほどとのことです。
だからどうしたというわけではありませんが、
アクティブ投資家の方もパッシブ投資家の方も話のネタくらいにはなるかと思いますので、
いつか役立てて頂ければ幸いです。
【余談】
良い個別銘柄を選択する事でベンチマークを上回るリターンを得る可能性はありますが、
一方で、バリュー・グロース関わらず手痛い失敗をすることがあります。
ほとんどのプロの投資家が、コスト控除後のリターンで長期的にベンチマークを上回ることが困難な状況の中、
銘柄選択のスキルに乏しい私は、今まで通りパッシブ運用を続けていきたいと思います。
と、ここで絞めるとまた変な誤解をされそうなので追記します(笑)
私の仲の良い友達の中には、爆益をあげているグロース投資家の方や、優秀なバリュー投資家の方がいます。
私自身は今後も自分の投資を貫きますが、アクティブ投資を別に恨んでいるわけではありません(笑)
当然ですが、友人等の投資の成功を願ってもいます。
どんな投資戦略を採用しているかに関わらず、また投資に限らず知人が幸せになるのは喜ばしいもの。
できればまた今後も伴に成功を祝い、一緒に喜んでいきたいと思います。
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米国株ランキング
GMOの今後7年間のリターンの予測はなかなか悲惨ですね(笑)

https://www.gmo.com/asia/research-library/gmo-7-year-asset-class-forecast-august-2021/
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