【市場の効率性を考える5つの質問】
トウシルに、山崎元氏の「市場の効率性」を考える5つの質問
という記事が形成されていたので紹介します。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/39331
5つの質問を通して、市場の効率性について考えていこうという記事なのですが、
個人的には、質問④、⑤~結論部分にかけてがとても共感できました。
【5つの質問】
①市場が効率的なら、プロが運用するアクティブ・ファンドも市場平均に勝てない、というのは確からしいか?
②アクティブ運用が市場平均に勝てないとするとき、市場が効率的でないことがあり得るか? あり得るとすれば、それはどんな場合か?
③市場に参加する素人も、プロも、たいして変わらない程度の(貧弱な)情報力・解釈力しか持っていない場合に、アクティブ運用は市場平均とどのような関係になるか?
④たとえば、以下の現象は市場が非効率的であること(誤った株価が形成されること)をサポートする事実といえるか?
〇「バブル」の発生
〇市場参加者のポートフォリオの相違
〇各種のアノマリー現象
⑤市場参加者は、11人のファンドマネージャーだけだとする。11人のうちの1人が、他の10人のポートフォリオの「平均」(時価総額で加重する)を取って運用すると何が起こるか? ただし、10人は「アクティブ・マネージャー」なので運用手数料が高い。
勘のいい方や山崎元氏の記事を読んでいる方であれば、
各質問の回答と話の流れがだいたい想像できるのかなと思います。
各質問に対する山崎元氏の見解は元記事をご覧ください。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/39331
【ポイント】
さて、今回の記事のポイントはここです。
インデックス・ファンドの優位性は、
市場が効率的であるか否か(=株価が正しいか否か)には関係なく成立する。
これは、米バンガードも同じ見解ですね。
私のブログでも度々紹介してきました。
私のブログでも度々紹介してきました。
インデックスファンドの最も大きな優位性はそのコストの低さにあります。
(ファンドそのものの運用コストと信託報酬等の投資家が支払わなくてはいけないコストの両面で)
多くのアクティブファンドが、長期的にパッシブ運用のインデックスファンドに勝てない最も大きな理由の一つは、コスト差にあるという研究や論文は多々あります(過去記事参照)。
市場が効率的であろうとなかろうと(個人的には市場はある程度合理的だが、完全に効率的ではない(「合理的でない部分」や「時期」が多々あると思っていますが)
パッシブ運用のインデックスファンドやインデックス投資にはコストの面で優位性があります。
そして、コストは投資家が確実にコントロールできる数少ない要素であり、長期的にリターンを押し下げる確実な要因となります。
また、異なる値動きをする銘柄に幅広く分散することによって、リスクを抑える効果も、市場が効率的であるかどうかに関わらず有効です。
(市場環境によって効果には多少差はありますし、アクティブファンドでも十分に分散しているファンドもありますが笑)
個人投資家視点で見ると、アクティブ投資やアクティブファンドを選択して投資するより、運用の手軽ですし、間違った銘柄やファンドを選んで失敗するというリスクを避けることに繋がります。
【まとめ】
さて、私の意見はさておき、最後は山崎元氏の言葉で閉めましょう。
インデックス・ファンドの優位性の理由を投資理論で言う「市場の効率性」に結びつけて、「非効率的な市場ではアクティブ・ファンドの方がいい」と言いたがる向きがまだ時々いる。
つまり、「市場が効率的な場合にだけインデックス・ファンドが優位なのだ」という世界にインデックス・ファンドを封じ込めたい意図を持つ人がいる。
しかし、市場が非効率的でも(これが現実に近いと思うが)、
アクティブ・ファンドの平均はインデックス・ファンドに対して不利だし、良いアクティブ・ファンドを「事前に」選別できる方法がない
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