【5月11日 米国株式市場】

ダウ    33,309 ‐0.66%
S&P500     4,130 ‐0.17%
ナスダック 12,328 +0.18%

ダウとS&P500は下落。Nasdaqは小幅に上昇。

PPIや新規失業保険申請件数といった経済指標の発表を消化する中、米地銀を巡る懸念が再燃。

最終的には小幅な動きとなりましたが、株売りと債券買いが進みました。

ラッセル2000は‐0.84%と小型株も下落。

VXUS(全世界株式除く米)も‐0.43%と下落しました。

米10年債利回りは3.388%。‐0.048と低下。

VIX指数は16.93。‐0.01と小幅に低下しました。

【為替・コモディティー】

ドル円  134.55 +0.16%
NY原油  71.47 ‐1.50%
NY金   2,014 ‐0.79%

ドル円は134円台中盤。

原油と金は下げました。

ビットコインは27,025ドル。‐2.27%と下落しました。


【S&P500マップ】
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前日に、人工知能(AI)のチャットボット「バード」の世界中でのオンライン利用や、折り畳み式スマートフォン「ピクセル・フォールド」も発表したアルファベットが今日も続伸。

Nasdaqや通信セクターをけん引しました。

【セクター】

通信    +1.63%
一般消費財 +0.55%
生活必需品 +0.31%
金融    ‐0.20%
ヘルスケア ‐0.34%
情報技術  ‐0.45%
資本財   ‐0.65%
素材    ‐0.99%
不動産   ‐1.02%
公益    ‐1.15%
エネルギー ‐1.24%

全11セクター中8セクターが下落。

通信や一般消費財が上昇する一方で、

不動産、公益やエネルギーが1%以上下げました。

【スタイルボックス】

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全てのサイズとスタイルが下落。

特に小型株が下落しました。

【個別株】

〇パックウェスト<PACW> ‐22.70%

5月5日に終了した週に預金が約9.5%減少したと発表したことで大きく下落しました。

ただ、今回の預金減少はバランスシート外の流動性で賄われており、10日現在、即時利用可能な流動性は150億ドルで、保険外預金の52億ドルを上回り、カバー率は288%となっていることも言及。

流動性と自己資本比率の改善のために、以前に発表した戦略的資産売却を第2四半期中に完了させる予定とのこと。

それに合わせて配当を従来の0.25ドルから0.01ドルに減配することも発表しています。

〇ディズニー<DIS> ‐8.73%

ディズニー+の加入者は2四半期連続で減少し、予想も下回ったことで売られました。ただ料金値上げにより、動画部門の損失も縮小しています。

〇ペロトン<PTON> ‐8.90%

フィットネス機器のペロトンは約220万台のフィットネスバイクをリコールすると発表しました。



【4月の米生産者物価指数(PPI)】

〇4月米国生産者物価指数(PPI)
 前月比 0.2% 予想 0.3% 前回   -0.5%
 前年比 2.3% 予想 2.5% 前回 2.7%

〇コアPPI
 前月比 0.2% 予想 0.3% 前回 -0.1%
 前年比 3.2% 予想 3.3% 前回 3.4%

4月の米生産者物価指数(PPI)は予想を下回り、前日の米消費者物価指数(CPI)と同様にインフレの低下を示唆する内容となりました。

FRBの利上げ停止と年内の利下げ期待を正当化する内容ですが、株式市場の反応は限定的となりました。

【労働市場】

〇米新規失業保険申請件数(5/6までの週)
結果 26.4万件 予想 24.5万件 前回 24.2万件

〇米失業保険継続受給者数(4/29までの週)
結果 181.3万人 予想 182.0万人 前回 180.1万人

米新規失業保険申請件数がは予想を上回る結果となり、労働市場の軟化が示唆されました。

雇用市場は経済や経済を支える主要な柱の1つであるため、景気後退の懸念に拍車をかけます。その一方で、インフレの鈍化や利上げ停止を望む人達にとっては良い内容となります。

FRBは、雇用市場が過熱しすぎるとインフレ率が上昇するため、緩むことを望んでいました、

【投資家の反応】

PPIや新規失業保険申請件数の発表を受けて、

金融市場のFRBの政策への見通しは若干動いたものの、前日までとほぼ変わらず。

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FRBはここ数十年で最悪のインフレを抑制するため、急ペースで利上げを続けてきました。

これによりインフレ率は昨年のピークから低下しましたが、高金利は資産価格を下落させ、銀行業界の混乱を招き、多くの投資家が今年後半の景気後退に備えるほど景気を鈍化させました。

利下げは金融市場にとってステロイドのようなもので、それは経済が不況に陥り、その勢いを必要とする場合にのみ行われる可能性が高いものです。

多くの投資家は、FRBの見通しに反し、FRBが今年後半に金利を引き下げなければならない状態に陥る可能性が高いことに賭けているようです。

【米デフォルト問題】

米連邦債務上限を巡るバイデン大統領とマッカーシー下院議長ら議会指導者との12日の会談は、スタッフの交渉が続いているため来週初めに延期されました。


【銀行への規制増?】

大手銀行株も軟調。連邦預金保険公社(FDIC)は預金保険基金(DIF)の拡充で米大手銀行に数十億ドルの追加負担を求める方針を明らかにしました。(ブルームバーグ

大手米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、銀行セクターに今年起きた波乱を終わらせるべきだ。規制当局は力を貸す時機だと発言。

一方で、規制とルール、義務が増えることの弊害も指摘。政策当局はすでに間違った教訓を得ようとしていると警告しました(ブルームバーグ


【まとめ】

米国株式市場は小幅に下落。

Nasdaqはアルファベットなどの大型ハイテク株がけん引したため小幅に上昇しましたが、全体的では小幅に下落して終えました。

ただ、オプション市場ではボラティリティーに備えたヘッジポジションへの需要が5年ぶりの高水準となっていたり、悪いニュースの出た個別株が大きく売られたりと、

インフレやFRBの政策に加えて、米債務上限問題や地銀の問題への懸念を受けて、脆弱な地合いとなっています。

モルガンスタンレーのモデル・ポートフォリオ構築責任者であるマイク・ローウェンガートは、

「インフレ率が緩やかになり、労働環境の緩和が示唆されたことは心強いことだが、投資家は、現在進行中の銀行への懸念や、債務上限に関する議論がまだ解決されていないことから、変動が予想されるだろう」と指摘しています。

当然ですが、私たち投資家に、デフォルト問題をどうこうすることはできませんし、米地銀やFRB関係者の内情を知ることはできません。

不安定で上値が重い展開が続いていますが、問題が解決に向かうことで、急反発や上昇が始まる可能性もあります。逆に変にこじれたり、予想外のことが起きると下がる可能性もあります。

特定のシナリオにかけるというやり方もありますが、

長期投資家の方であれば、基本的にはどちらに転んでもよい様に、自身の許容できる範囲内で、適切に資産配分し、市場にエクスポージャーを取り続けることが大切です。

また、長期停滞や下落が起きた時、それをより活かすために、入金力を高める努力をすることが大切です。

市場がどちらに転んでもその努力は資産形成を加速させ、将来のあなたを助けることになるでしょう。

確実に資産形成をしたい方ほど、退屈で、地味で、めんどくさい努力を惜しまないことが大切だと私は思います。

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