
【バンガード、チーフエコノミストの見解】
米バンガードのグローバル チーフ エコノミスト、ジョー・デービスが、
2023年の市場と経済がどこへ向かっている可能性が高いのか、
その概要を説明した動画を公開していたので紹介します。
『Inflation receding, recession looming』
デイビス氏は、「先進国市場のほとんどで不況に見舞われる可能性があります。しかし、金融市場にとって悪いニュースばかりではないかもしれません」と語りかけます。
【インフレ抑制の代償】
2023年のテーマは、「インフレの抑制」です。
最終的に、2023年にはインフレ率が低下することが予想されます。しかし、インフレの抑制には代償が伴います。それは、いくつかの主要な市場での景気後退という代償を払うことです。
このシナリオの一部は金融市場に織り込まれていますが、それでも今後数カ月でボラティリティーが発生する可能性があります。
現在、私たちが話しているように、インフレがピークに達していることがわかります。これは、米国の消費者と家計にとって明らかにプラスです。
しかし、更にインフレを抑制するためには、いくつかの需要の破壊という代償を伴います。
中央銀行は労働市場の一部を弱め続けなければなりません。賃金の上昇はインフレ圧力が拡大し始めている要因の一つとなっています。
【景気後退について】
誰もが知っているように、楽しい景気後退はなく、
景気後退のベースラインが保証されているわけではありません。
そして、それらを事前に予測することは確かに困難ですが、労働市場のさらなる減速が必要であり、賃金の伸びは、率直に言って長期的に物価の安定を達成しようとすれば、下落します。
このリセッションはいつ起きる可能性があるのでしょうか。
この不況はバンガードの見積もりでは、2023年の中頃発生する可能性があります。ただ、その時期は市場や経済によって異なる可能性があります。
米国で不況が起きる最大の理由は、FRBが目標とするFFレートが、コアインフレ率を上回り始めるからです。
第二次世界大戦以降のすべての不況で、FFレートはインフレ率を上回っています。
インフレ率を下げるのは良いことですが、労働市場の弱体化という代償を払うことになりがちです。
【株式の見通し】
米国では、我々が懸念していたバブルのようなものは解消された、あるいは解消されつつあることが分かっています。
テクノロジーや過大評価されている成長株などの分野では、2022年の間に大幅なアンダーパフォーマンスが見られるようになりました。
今現在、米国株式市場はフェアバリューの範囲に近いです。
ただ、これはまだ損失が続く可能性があることも意味します。
しかし、短期的な損失が拡大すればするほど、
当社の長期的なリターン予測が改善される可能性が高くなります。
ただ、これはまだ損失が続く可能性があることも意味します。
しかし、短期的な損失が拡大すればするほど、
当社の長期的なリターン予測が改善される可能性が高くなります。
【まとめ】
最後にデイビス氏は、楽観的な理由についてこうまとめています。
歴史が明らかに示していることの一つは、経済が上向く前に金融市場が上向くということです。
私は、来年の今頃までには、
「少しの幸運があれば、景気の見通しが良くなっているはずだ」と言いたいのです。
もし、私が正しければ、金融市場はその道を先導していくでしょう。
債券部分の見通しなど一部割愛しましたが、ポイントとしてはこんな感じです。
【最近投資を始めた方、投資初心者の方へ】
個人的に読者の方に伝えたいことをまとめると、
〇インフレ抑制のために労働市場の破壊や景気後退が起こる可能性が高い。
〇第二次正解大戦以降、FFレートがコア・インフレ率を上回ると景気後退が起きてきた。
〇2022年の下落により米国株の割高感は解消され、フェアバリューに近くなった。
→2021年のような割高圏に比べて投資をしやすくなった。(長期的な期待リターンは改善されたものの、まだ下落の余地はあり)※ただし、日本人視点では為替のせいで旨味は薄いかも
→今後数カ月、ボラティリティーが高くなったり、下落する可能性があるが、良い投資機会となりうる。
〇金融市場は実体経済よりも先に下落し、先に回復する。
こんなところでしょうか。
そして、最後に、最近投資を始めた方に伝えたいのは、
いつになるかわからりませんが、不況はいつか終わり、また好景気は来るということです。
暴落もバブルも永遠には続きません。
いろいろ不安もあると思いますが、
未来がわからないからこそ、株式にはそのリスクを引き受けた分のリターン(リスクプレミアム)が期待できるということも忘れずに、
自身の許容できる範囲で、株式市場に資産を投じつつ、航路を守り投資を続けていきましょう。
いつもありがとうございます。
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