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ニフティ・フィフティ―

1960年代後半から1970年代の初めにかけて、

ニフティ・フィフティ(素敵な50銘柄)と呼ばれる、

米国の50の大型優良銘柄に、投資家の人気が集中し、

その後、暴落したという出来事がありました。


素敵な50銘柄とは

素敵な50銘柄の一部を紹介すると

コカ・コーラ、ペプシコ、フリップモリス、ファイザー、メルク、ブリストル・マイヤーズ、ジョンソン&ジョンソン、P&G、ウォルトディズニー、アメリカンエクスプレス、マクドナルド、ゼロックス、IBM、ポラロイド、JCペニー、コダック、GEなどです。


今の日本の投資家にも馴染みのある銘柄も含まれていますね。

これらの銘柄に、プロ・アマ問わず、米国の多くの投資家が熱狂しました。

日頃から親しみがあり、質も高い大企業への投資は、

一般投資家にもわかりやすく、安心感や心地よさも与えました。



ニフティ・フィフティバブルの名言。

「寝ている間にお金が増える」という名言が昨今では有名ですが、

当時は、こんな名言が生まれました。


「ニフティ・フィフティ株におけるリスクとは、

 過剰にお金を払うリスクではなく、それらの株を保有していないリスクである」



ピークだった1972年12月時点で各企業のPERは

ポラロイド    96倍
マクドナルド 80倍
ジョンソン&ジョンソン 57倍
ウォルトディズニー   71倍

という具合で、50銘柄の平均PERは40倍を超えていました。


いつか終わる夢。

その後、1973年~1974年にかけて、

市場が弱気に傾いた時、この50銘柄は一気に暴落しました。

1972年に149.75ドルだったコカ・コーラの株価は、

1974年には44.63ドルとー70%の下げ幅を記録しました。


50銘柄のうち27銘柄が、最高値から約85%ほど下落。

コカ・コーラ  149.75 →  44.63   -70%
IBM       341.38 →  150.5   -56%
インテル        56.0 →  10.25         -82%
JNJ         133.0 →  73.13   -45%
マクドナルド    77.38 →  21.25         -73%
メリルリンチ   46.0 →    8.25    -86%
P&G      112.75 →    67.0      -41%
ディズニー   211.63 →   30.75        -86% 

1972年末のPER上位10銘柄のうち、

2005年時点で、S&P500のリターンを上回ったのはジョンソン&ジョンソン一社だけとなりました。



長期投資の力

ニフティフィフティへの投資は、

必ずしも失敗に終わったという訳ではありません。

その後も、50銘柄に均等に分散投資して、

バイ&ホールドしていれば、

20年後(1993年時点)のリターンは、

倒産した企業を含めても、S&P500指数を1%下回る程度。

30年後(2003年時点)のリターンは、

S&P500を0.5%下回る程度にまで巻き返してはいます。


ただ、均等配分を維持するためのコスト・税金等は考慮されていないため、

実際にこの戦略を行った場合のリターンは、

S&P500インデックスファンドより、更に低くなります。


ニフティフィフティの話は、

人気がある株、高すぎるバリュエーションの株への投資の危うさを学べます。


S&P500を上回る企業もあったが・・・

シーゲル教授著「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」にあるように、

この時、PERが比較的低かった(20~30倍)グループの中には、

S&P500指数を上回る企業も見られました。



確率は11/50

しかし、20年後(1993年の時点)で、

50銘柄のうち5銘柄は完全に紙くずとなり、

20銘柄は安全なTビル(短期米国債)から得られるリターンを下回り、

S&P500指数を上回ったのはわずか11銘柄という結果になりました。

銘柄選択の難しさとリスクが伺えます。


この11/50という数字をどう見るかは人によって違うと思いますが、

私は今から20年後、30年後に、

S&P500指数を上回る銘柄群を選択し、

ポートフォリオを組む自信がないので、

更に個別企業を30年もホールドし続ける自信もないので、

素直にS&P500に投資を続けようと思います。

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