
【Never bear too much or too little risk】
ボーグルヘッズの10の原則の一つに
「リスクの取り過ぎや、リスクを取らないことに注意」というものがあります。
リスクのとり過ぎも禁物ですが、全くリスクを取らない事が必ずしも良いかというとそうでもありません。
リスク資産の生みだすリターンの機会を逃すだけではなく、インフレリスクなど想定されるリスクに対し、資産をかえって脆い物にしてしまう可能性もあります。
「iDeCoやNISAは買ったら一生バカを見る金融商品である」
荻原博子氏の「iDeCoやNISAは買ったら一生バカを見る金融商品である」というプレジデントオンラインの記事が話題となりました。
本当はアクセス数を増やしたくないので(注目を集めるとまたきっとこんな記事がでてくるので)リンクを張ろうか迷うところですが、まあ、リンクを張りましょう。
同記事をものすごく好意的な視点で読めば、NISAやイデコのデメリットといいましょうか。
悪い面を学ぶ上で良い記事と捉える事もできます。
しかし、その一方で、デメリットや一部のケースにフォーカスして、投資や各制度のメリットを軽視し過ぎているようにも思います。
そもそもiDeCoやNISAは制度ではあり、買うものでも金融商品でもないと思うのですが(笑)
細かな部分へのツッコミはありますが、
流石に全部ツッコミのはめんどくさいので、特に気になった数か所のみツッコんでいきたいと思います。
【ツッコミ①】
「そもそも投資というのは、経済が右肩上がりになってよくなっていく時にするものです。」
①まず経済成長と株価には相関はあまりありません
参考「http://etfsp500.com/archives/23563068.html」
②経済が横這い、右肩下がりでも投資は儲かるケースもあります。
「マイナス成長でも資本主義は成立する? 株価や期待リターンはどうなる」
【ツッコミ②】
「ー寸先もわからないのに投資をするということは、ギャンブルに近いのではないでしょうか」
一寸先がわからないリスクを引き受けるからこそ、リターンが得られるのです。
わかっているのであれば、それなりの低リターンとなるはずです。
そもそも人生は一寸先がわからないことだらけです。
今日交通事故にあう人が、朝出かける時に今から交通事故にあうなんてわかってでかけるでしょうか?
しかし、それを「リスクがある」「わからない」からとずっと家から出てはいけないと押さえつけるのは合理的なことでしょうか。
そのように説得するのはどだい無理のある話です。
更に言えば、投資をやめるように言いつつ、NISAのデメリット「→金額に制限がある」というのは少しおかしいですし、
自分は逆に「経済が右肩上がりの時に投資をするもの」と投資するタイミングがあたかもわかるように述べるのは少し傲慢のようにも思います。
まあ、でも著者の方の過去を見ると、こんな記事を書いてもおかしくないなと思いますし、割と二枚舌を使う方なので、あまり本気で向き合わない方がいいなと思います。
「過去記事」
「コツコツ投資が貯金を食いつぶす」「投資なんかおやめなさい」の著者が気になったので調べてみた
【答えは、2極論ではなくバランス】
「株式(リスク資産)に全力で投資をしろ」と言う事も、
「全く投資をするな」と言うことも実は意外と簡単です。
その理由はいくつも思いつきますし、どっちかに振り切った方がわかりやすく、読み手の印象にも残り、キャラも経ち、一定の支持者もつくでしょう。
でも、私は人によって答えは様々で「全力投資」が正解になる人もいるし「投資をしない」が正解になる人もいるとも思っています。
そして、多くの人の場合その両者の「中間」くらいに答えがあるとも思います。
ようは二極論ではなく、そのバランスが大切だという事です。
リスクを取り過ぎた結果、次の暴落時に株式を安値で狼狽売りしてしまうのでは元も子もありません。
10年以上にわたって株価が停滞、下落する可能性もあります。
もちろん、リスクが全く取れない方に無理強いするつもりも、投資を強制するつもりも全くありませんが、
一方で、株式を「全く」保有していない場合、株式投資をしている人達が儲かっている中、それをただ見ていることになります。
また、上記のようなリスクを引き受けるからこそ、株式は歴史的に預金や債券などよりも、より多くのリターンを投資家にもたらしてきた(リスクプレミアム)ということもまた事実なわけです。
株式は優れたアセットであり、優良なリターンの機会を提供しますが、値動きが不安定でリスクもあります。
ですから、自身の背負えるリスクの範囲内で、資産をバランスよく配分していくことが大切だと私は思います。
そして、もし株式投資を始めるのであれば、非課税制度である、NISAやiDeCoを自分の投資環境に合わせてうまく活用することが大切だと思います。
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