「マーケットタイミング・リスク」

タイミング戦略は、

成功するとポートフォリオのパフォーマンスを改善する可能性があります。

しかし、常に投資タイミングを成功させることは非常に困難です。

タイミング戦略がうまくいかないと、

何もしなかった時に比べてリターンを大幅に損なう可能性もあります。


【ベスト一か月を逃したら・・・】

下の図は1970年~2019年の、

1年ごとのS&P500指数のリターンを表したグラフです。


「緑」が1年間のトタールリターン

「水色」が最もリターンの高かった1か月(Best Month)を除いた、1年間のトータルリターンを表しています。

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ご覧の通り、たった一か月市場に居なかっただけで、

S&P500から得られるリターンが、大きく損なわれていることがわかります。


特に、49年間のうちの7年は、

(1970、1978、1984、1987、1994、2011、2015)

一年間のリターンは本来プラスだったにもかかわらず、

最良の一か月を逃したことで、

リターンがマイナスの領域に引きずり込まれていることがわかります。



【S&P500とタイミング】

S&P500指数に1万ドルを投資して、

最も上昇した日を逃した場合のリターン

(1980年1月1日~2012年12月31日の間)

投資し続けた場合         33万2502ドル
最も上昇した5日を逃した場合     21万5273ドル
最も上昇した10日を逃した場合   16万0340ドル
最も上昇した30日を逃した場合    6万3494ドル
最も上昇した50日を逃した場合    2万9327ドル


1980年の1月1日から2012年までの32年間、

S&P500投資して、そのままずっと保有し続けていれば、

最初に投資をした1万ドルは、約33倍の33万2502ドルになりました。

一方、大きな上昇日を、たった数日間逃しただけで、

投資家が手にするリターンが大きく損なわれてしまうことがわかります。

直近の20年でも同様の結果となっています。

【最も大きな下落を回避するのもいいが、現実的ではない】

ちなみに下落日を避けても大きくリターンは改善します。

ただ、その戦略は、はっきり言い切ってあまり現実的ではありません。

急上昇日を逃さぬよう市場にただ黙って居続けるのに比べて、コストがかかりますし、難易度そのものが天と地ほどの差があります。

数十年間という投資期間の内、最も大きく下落するトップ○○日の、その前日に市場から出て、その後すぐ戻ってくることは容易ではありません。

過去記事に書いたように、最も下落する人最も上昇する日は近くに発生します。またボラティリティーは継続する傾向にあるため、最も下落したベスト数日が、短期間に連続して発生することもあります。

これを全て回避しつつ、急上昇日を逃さぬよう市場に戻ってくるスキルが本当にあるのであれば、今すぐプロになるか、お金を集めるか、論文を書くことをお勧めします。

少なくとも普通の個人投資家レベルのスキルでは、運に頼らない限りは不可能でしょう

「S&P500に投資をするなら」

もちろん、デイトレードなど他の投資や戦略においては、

タイミングや銘柄選択が、非常に重要なウェイトをもつ場合もあります。


ただ、長期、分散投資を行う場合は、

資産配分が投資リターンの7~9割を決定づけます。

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S&P500などに投資をする場合、

変にタイミングを意識して、市場に出入りを繰り返すと、

上昇日を逃したり、手数料を重ねてしまい、

結果的に、自らの手で長期的なリターンを押し下げてしまうことに繋がります。


ですので、S&P500などに長期投資をする場合には

タイミングを意識するよりも、

規律や資産配分を守り、投資を続けることが大切だと思います。

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