【長期投資はリスクを減らす?】
投資信託協会のHPには以下のような記述があります。
“証券に長期投資すると、短期投資に比べ収益のフレ具合が小さくなり安定的収益を得られます”
確かに、「収益率」の振れ幅は時間の経過とともに平均にならされています。

投資信託協会のHPより。
【長期投資でリスク(振れ幅)は拡大する】

ファンドの海
しかし、当たり前ですが、実際に投資期間が長くなると、
自身が保有する運用資産のリスク(振れ幅)は、時間が経過すればするほど拡大します。
そのかわり、期待収益率も増えます。
長期投資はリスクを減らすというのは間違いで、
運用期間の長さに応じて、資産額の期待値とリスクのの両方を拡大させます。
投資期間が長くなるにつれて株式資産価値の分布は広がります。
ただ、下の図を見て分かるように、
元本1000万を下回る確率も、投資期間が長いほど低くなります。

長期運用とリスクの時間分散効果 みずほ信託銀行 資産運用研究所
と、ここまでは、最近では、よく知られるようになったかと思います。
【初心者の方へ】
ここまでを踏まえた上で、少し最近思ったことを話していたいと思います。
それは、初心者の方の多くが、投資期間終了時点でのリターンや損失は、しっかりと考えている一方で、
長期投資を志し、20年、30年と運用計画したり、シュミレーションをする過程で、運用期間の途中で生じる損失を過小評価しているんじゃないかなと個人的に感じるようなことがありました。
例えば、ある資産クラスの10年間の期待リスクが20%だとしても、その10年の間に起こりうる「市場混乱期」には、20%をはるかに超えるボラティリティに資産は晒されることになります。
参考)米国株式市場のドローダウン

例えば、「期間全体」で20%のリスク。ドローダウン平均〇%だとしても、
その途中の「特定の期間」においては、平均よりもかなり大きなボラティリティやドローダウンが自身の資産に襲い掛かってきます。
もし、株式100%で長期的に運用しているのであれば、一時的に40%や50%資産が減ることは覚悟しなくてはいけません。実際、過去度々ありました。

また、投資期間が長くなればなるほど、その過程で何かしらの歴史的な大暴落に遭遇する可能性は高くなります。
運用計画を建てる際や資産配分を決める際は、
最終的な地点の損失やリスク、運用期間全体の平均的なリスクだけではなく、
運用期間途中で生じうる一時的な損失に耐えられるかどうかついても考えてみることが大切です。
【市場はあなたの人生のことなど知りはしない】
こう口で言われると「なんだ、当たり前のことじゃないか」と思う方も多いと思います。
しかし、実際には、投資を始めてしばらくして起こった、最初の大きなドローダウンやボラティリティの高い相場で、投資をやめてしまったり、あるいはリスクの取りすぎに気づいて投資方針を変える方も大勢見てきました。
初心者の方が、知識や経験をつける過程で投資方針を変えるのは、全然普通のことですし、悪いことではありませんが、
せっかく投資を始めたのに、自身の油断や甘い見積もりによる反動で、投資をやめてしまうのは勿体ないとも思います。
そして、これはあまり考えたくないことですが、その途中に起きた暴落のタイミングで、事故や病気、退職などの不幸が重なる可能性もあります。
株式市場は私やあなたの人生の都合などいちいち考慮してくれたりはしません。
【余裕や柔軟性のある人生を】
未来はどうなるか本当にわかりません。
ですので、運用の最終地点だけではなく、運用の過程で起こりえるリスクや不確実性についても十分い考慮して、余裕のある投資計画や資産配分を建てることが大切だと思います。
中学3年生(15歳)の時に、10年後の25歳の自分がどんな仕事について月収いくらもらってるか。その過程で、どんな成功や挫折を経験して、どんな恋をしたか。
15歳の時に、正確に予測できた人はほとんどいないでしょう。
自分自身のことでさえもそうなのですから、資本主経済や他国の株式市場の未来なんて本当にわかりません。
あまり、目標や未来を決めつけすぎずに、予想通りいかない、変化が起きて当たり前と、柔軟に柔らかく考えることが大切だと思います。
いつもありがとうございます。
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