【革新的イノベーション】

21世紀、米国で起きた最も驚くべきイノベーションの一つとして、

間違いなくシェールガスが挙げられます。

ほんの30年前には枯渇寸前と考えられていたのに、

いまや安価で豊富な燃料として利用されています。



【専門家の予測】

2008年くらいまで、エネルギーの専門家等の間でも、安価な天然ガスは21世紀の早い段階で現実的に使い果たされるだろうというのが通説でした。

まだ石炭や石油の方が長く持つだろうという予想も繰り返し言われてきました。

1956年、石油専門家のM・キング・ハバートは、米国の天然ガスの産出量は1970年に1日10億立方メートルでピークを迎え、その後は減ると予想しています。

1992年のアメリカ石炭委員会の11カ月の調査でも「ガスの産出量はすでに減り始めている」という結論に達しています。

しかし、2010年代米国では1日に22億立方メートルを超える産出量となりました。

専門家の予想と言えど、予想はあくまで予想といったところでしょうか。


詳細なシェール水圧破砕革命の発見までの流れや現状などは省略しますが、

興味のある方はこの本などが面白いと思います。



また、現在の米国のエネルギーについては、レポートなどもおもしろいかと思います。

世界最大の産油国・産ガス国となった 米国のエネルギー政策の動向とその行方




【投資家視点】

下の図はS&P500とシェールガス関連企業の株価を比較したチャートです。
00
青  Range Resources Corporation
赤  Devon Energy Corporation
黄色 EOG Resources, Inc.
緑  S&P500インデックスファンド

各社とも2004年以降、株価はぐんぐん伸びS&P500を大きく上回るリターンを残しました。

しかし、近年ではS&P500と同じか下回るようになってきました。

これに関しては、まあ、様々な理由が挙げられますが、

投資家は、基本的に、

イノベーションというのは短期的には過大評価され、

長期的には過小評価されるものだということを覚えておくと良いかもしれません。

【イノベーションとは魔法ではなく現実である】

今私達の豊かな生活を支えているイノベーションの多くが、

もう当たり前の事として忘れられています。

イノベーションの恩恵を最も受けるのは実は私達消費者で、

ニューコン、ワット、エジソン、スワン、パーソンズ、スタインズバーガーのようなイノベーターが、

必ずしもお金持ちになったわけではありません。

また、最初に革新的な技術を発明した企業が大成功するとも限りませんし、

投資家に利益をもたらすとも限りません。

例えば、人類によって超超超革新的なイノベーションだった

「飛行機」を有する航空会社のリターンは市場を大幅にアウトパフォーマンスしているかといえばそうでもありません。

イノベーションとは何でも解決する魔法の言葉でもなければ、

投資家を引き付ける宣伝文句でもありません。

一つの現実、人間の活動の結果なわけです。

過大評価も過小評価もすることなく、

冷静に事実と可能性を見つめることが大切だと思います。


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