「感情をコントロールせよ」
「正気を失うことなく、忍耐を持ち、規律を守り、チャーリー・マンガー(2005)「完全なる投資家の頭の中」より引用。
損失と逆境を受け入れる能力が必要です。」
「冷水実験」
人は感情によって合理的な判断ができなくなる事があります。
今回はそのわかりやすい例として、
2002年にノーベル経済学賞を受賞した、
ダニエル・カーネマンの「冷水実験」を紹介したいと思います。
内容自体は単純な実験ですが、
人が「経済的な決定」を
「何によって下すか」がよくわかる実験だと思います。
「実験」3つのステップ
実験は3つの段階からなります。
①摂氏14度の冷水に片手をいれ、1分後に出す。
「補足」14度は痛みをギリギリ感じる水温。4~5月くらいの海水温くらい。
②次に別の容器にある摂氏14度の水にもう片方の手を入れる。
(①と条件は同じ)
1分後、温かい水を密かに加える。
(水温をわずかに上げ15度とする)
更に30秒後、手を出す。
「補足」①と②の順序はランダムとした。
③7分後、①と②どちらかを繰り返さなければならない。
どちらを選ぶかは、対象者本人の意思で決める。
「さて、あなたならどちらを選びますか?」
結論からいうと
合理的に考えれば①一択です。
①は 14度の水 1分間
②は 14度の水 1分間 +15度の水 30秒
(たった)1度上昇したとはいえ、
冷たく不快な水に手をつけている時間が、
余計に延びるだけの②を選択する合理的な理由は考えられません。
にもかかわらず、
この実験の参加者のなんと8割が②を選択したのです。
人は合理性よりも、
感情や経験を優先してしまうことを良く表した
おもしろい実験だと思います。
ピークと結末が優先される
この実験をさらに詳しく分析したところ、
多くの人が、
「印象深い瞬間」や「最終結果」だけで
経験全体を評価し、判断していたことがわかりました。
「印象深い瞬間」 手を入れた瞬間(水はとても冷たい)
「最後の瞬間」 水は若干温かい
簡単に言うと、ほとんどの被験者たちは、
この実験において、
最も重要な尺度である「継続時間」には無頓着で、
ピークとエンドの瞬間の印象を重視して、
合理的ではない決断を下してしまっていたのです。
まとめ
印象的な出来事や、
最後(直近)の出来事に引きずられて、
大切な目標や計画を見失ったり、合理性を失ってはいけません。
こんな当たり前の事を、
油断したり、感情にのまれると人は容易に忘れてしまいます。
特に投資においては「感情をコントロール」し、
合理的な判断をする事が大切だと私は思います。
「ウォーレン・バフェットと多くの投資家との違いは、
どんな資質よりも規律にある」
ロバート・ハグストローム
マーケットに流されることなく、
常に、合理的で、規律ある行動を続けていきましょう。
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