【S&PvsCRSP】

S&Pダウジョーンズに

S&P1500=「S&P500(大型株)+S&P400(中型株)+S&P600(小型株)」と

CRSP US Total Market Index(全世界株式約4000銘柄、VTIなどで有名)とを

比較したおもしろいレポートがあったので紹介します。

S&P DJI の米国株価指数(2022 年半期):CRSP指数 に対する相対リターンの分析


両方とも米国株式市場を90%以上カバーする代表的な指数ですが、

両者のパフォーマンスには若干の違いがあります。

S&P1500指数は、2022年上半期にCRSP全米総合指数を2.0%、1年間ベースでは2.5%アウトパフォームしています。

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なぜこのような差が出たのでしょう。

それは、両方の指数には銘柄の採用基準などにおいて細かな違いがあるからです。

例えば、S&P1500は(S&P500のように)直近の4四半期連続で黒字を維持していることなどが、採用の条件となっています。

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他にも流動性の基準やIPOから採用されるまでの期間の違いなどいろいろありますが、

S&P1500指数は収益性に対してスクリーニングを行うことで、クオリティーファクターにややエクスポージャーをとった銘柄選択となっています。

特に小型株においてこのスクリーニングが重要だ。と、このレポートの著者は述べていますが、

この主張は、今回の結果だけではなく(下落時に2~3.9%ほどの差がついた)

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過去、低クオリティーの小型グロース株が一貫して、小型株の平均および市場平均を下回っていたというデータからも頷けます(過去記事参照)。


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また、セクターエクスポージャー、セクター内の企業選択の影響等で、

S&P1500の方が、ハイテクセクターへのエクスポージャーの小さくなっていたこともアウトパフォーマンスの要因となりました。

これらの結果は、指数構成の違いによってもたらされたものであり、

S&P1500指数は、クオリティファクターへの有意なエクスポージャーITセクターへのエクスポージャーの低下、およびより優れたパフォーマンスを持つIT企業の選択がアウトパフォーマンスに繋がったと筆者は主張しています。

【まとめ】

このようなスクリーニングを好む方と好まない方がいるかと思います。

上手く作用するときもあれば、上手くいかない時もあります。

ただ、おもしろいことに、過去1年、5年、7年においてS&P1500とCRSP US Total Market IndexではS&P1500がリターンが高いものの、

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S&P500とCRSP US  Mega Capだと過去3年以上はCRSPの方がリターンが高くなっている一方で、直近一年および年初来の下落時にはS&P500の方が耐えています。

ここら辺がクオリティーファクターへの加重等の影響で好き嫌いが別れる点かなと思います。

まあ、両指数とも米国株式市場との相関は1とか0.99とかほぼ完全相関で、ほぼ誤差であり、

結果的にどちらがよいかは期間依存(自身が投資を開始した日と終えた日の数値による)くらいのものですから、マニアックな方以外はそこまで気にしなくても良いと思います。

まあ、S&PとCRSP、あるいは、S&P500とVTIなどで、こんな違いがあるんだということを知っておけば、インデックス投資を続けるうえで話のタネにはなると思いますので、

もし興味のある方は是非、ご自身でいろいろ調べてみると良いのかなと思います。

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