【バンガードの2022年以降の見通し】

先日行われた、CEOティム・バックリー氏を始めとする、

米バンガードのトップメンバーの対談の切り抜き動画が、

バンガードのHPにアップされていたので紹介します。


前回は「バンガードの投資哲学」という、

初心者の方やこれから投資を始める方、

今の市場に不安を感じている方などにとって、

とても有意義で参考になる動画を紹介しました。


今回は「世界経済をどうみていますか。それは市場にどう影響しますか」という質問に対する、

バンガードグループの最高投資責任者(CIO)グレック・デイビズ氏の回答を紹介しようと思います。

本編の動画はこちら。

Vanguard's outlook for 2022 and beyond

拙い英訳ですが、内容はだいたいこんな感じです。


「世界経済をどうみていますか」

質問「世界経済をどのように見ていますか、また、これらのトレンドが市場にどのような影響を与えると思いますか?」

グレック氏「ご質問ありがとうございます。いろいろなことがありますね」

①経済成長率について

まず第一に、私たちはこれまで、膨大な量の財政および金融政策によって、支援が行われてきた環境にいました。

この政策は驚異的なパンデミックから、経済を再稼働させるという点で本当に影響を及ぼしました。

しかし、この政策が時間の経過とともに正常化し始めていることから、私たちが予想していることは、米国と欧州の両方で、経済成長はより緩やかなものとなるということです。

経済成長率は約4%程度を期待しています。

また、中国のように歴史的に大きな経済成長を遂げてきた地域でも、5%程度まで成長が鈍化するものと思われます。


②インフレについて

サプライチェーンの混乱などにより既に高いインフレ率となっていますが、私達は今後数年のうちにこの傾向は緩やかになると予想しています。

ですから、70年代に見られたような2桁のインフレ率で上昇するような環境は予想していません。


③資産クラスのリターンは?

さて、これらのことを幅広い資産クラスのリターンの観点に置き換えると、どのような意味をもつのでしょうか。

まずバリュエーションから始めなければなりません。

00

現在の株式市場の状況を見ると、米国株式市場のバリュエーションは引き伸ばされており、

90年代後半のドットコム時代以来、最も高い水準にあります。

このようなことが、今後10年程度のリターンと期待値の原動力となるのですが、

今後10年程度の米国株式市場については、

投資家は年率2~4パーセントのリターンを期待すべきであると考えています。(ドルベース・名目)


2021年のS&P500のリターンを見てみると、28%近くありましたが、

やはりこれは持続可能なリターンではありません。

昨年だけでなく、過去10年間の株式市場が生み出したものという点では、私たちは非常に幸運でした。

ですが、今後も同じようなリターンを得られるとはとても思えません。



【補足】

今回のグレック氏の見解はこのレポートの内容に基づくものです。

より詳細を知りたい方はこちらのレポートを

https://personal.vanguard.com/pdf/ISGVEMO_122021_online.pdf

当ブログで過去にこのレポートを何度かにわけて紹介しています

過去記事「http://etfsp500.com/archives/29327580.html


【まとめと感想】

最後に米バンガードからのメッセージを紹介して今回は閉めようと思います。

バンガードは、市場の浮き沈みに関わらず、投資家に航路を維持することを奨励してきました。

それは、最新の経済見通しをもってしても、私たちの指針は変わりません。


投資へのアプローチは、引退後の生活など、長期的な目標に沿ったものであるべきです。

つまり、投資のトレンドや市場の谷間などのノイズに左右されずに投資判断を行うことが大切です。


今後数年間、市場リターンはより緩やかになると予測しますが、

長期的な視点で投資することが重要であることを私たちは知っています。

そして最終的には、規律を守り続けることの報酬を享受してください。

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