
【金利は変化する】
市場では、FRBのインフレを潰すための利上げにより、FF金利は最終的に適温とされている2.5%、
あるいはそれ以上になるのではないかという予想がされています。
リーマンショック以降続いた超低金利環境や、コロナショック以降の金融緩和市場しか経験のない投資家の方はこの「金利レジームシフト」を不安に感じるかもしれません。
ただ、まずは、一旦落ち着いて、金利は「常に一定」ではなく変化するものだということ。
そして、変化は当たり前のことだと思い出すことが大切です。
【過去のFF金利の推移(FEDより)】

過去、数十年間FF金利はその間大きく上下に変化しました。
米国株式市場はその上下に時に混乱し、時に停滞しつつも、長期的には金利の変化にも対応し、それを乗り越えてきました。
初心者の方は、まずは慌てて変なことをしないことが大切です。
さて、現在、FF金利の上昇や利上げ期待とともに米国債利回りが上昇しつつあります。
10年債利回りは現在2.39%。2020年の0.5%台よりは高いものの、コロナショック前や2010年代は3%以上で推移することも珍しくはありませんでした。
【10年債利回りの変化と株式市場】
では、過去高い10年債利回りが米国株と米国債投資家に何をもたらしてきたか。
モーニングスターにこんなデータがあります。
平均10年債利回り、相関、トータルリターン、標準偏差、シャープレシオを示しています。
ドルベースということに注意。見づらい方は画像をクリックしていただけると拡大できます。

https://www.morningstar.com/
このデータからはいろいろな視点でいろいろなことが読み解けます。
例えば、金利の上昇は株式と債券の相関関係の増加につながります。
株式と債券の相関は負の時期もありますが、金利が上昇した70年代や80年代は高くなっています。
また、トータルリターンをみると、10年債利回りが高くても、意外と株式市場は戦えているということがわかります。
米国株式のみと60:40のシャープレシオの変化と比較も面白いものがありますね。
それぞれの投資戦略や時間軸でいろいろな意見があると思いますが、
数十年単位で資産運用する方であれば、FF金利や10年債利回りの変化にそう慌てなくて良いということもわかると思います。
また、FF金利は市場にとってとても重要な要素の一つでありますが、それが全てではないということもわかりますね。
【最後に】
もちろん、未来は過去と同じではありませんし、「10年×7回」程度のサンプルで何かが証明できるわけではありません。
長期投資のデータは基本的に気休めに過ぎません。
しかし、歴史は繰り返さないが韻を踏むともいいます。
全く何も知らない0状態から手探りをするよりは、過去を学ぶことで、よりマシな判断ができるかもしれませんし、過去の投資家達と同じ失敗を犯すのを防ぐことができたりするかもしれません。
最終的に判断をし、行動するのはあなた自身です。
私にはこんな田舎から、こんな気休めのデータと言葉を贈ることしかできませんが、
今後また困難な時期が訪れたとしても、投資を止めないで欲しいし、一人でも多くの方に投資を続けて欲しいなと思っています。
この記事がたとえ気休めでも、その少しでも役に立てれば幸いです。
金利の上昇や10年債利回りの変化に不安になった時は是非読み返してみてください。
いつもありがとうございます。
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