【VYM・HDV・SPYDのチャート】

青 VYM
赤 HDV
黄色 SPYD
ドルベース、トータルリターンのチャート。
この記事のデータはSPYDの設定に合わせて、2016年1月以降のものを利用。検証期間の短さは要注意。
若干の差はあるものの、3つのETFともほとんど同じような動きをしていることがわかります。
【米国株式市場との相関】
1が完全相関。米国株式市場と同じ動きとなる。
VYM 0.94
HDV 0.88
SPYD 0.86
VYMが顕著ですが、他2つも米国株式市場全体の値動きとかなり相関が高いことがわかります。
この3つを組み合わせても米国株式市場全体の下落に対してはあまり効果を発揮しない可能性があります。
【セクター分散効果を狙うのは実は難しい】
この3つのETFを用いてセクター分散を狙うという考え方があるようです。「セクターを分散すること」それ自体は良い考えだと思います。
ただ、その考えをこの3つのETFへの投資でちゃんと活かすのは難しいと思います。
というのも、各セクターへの分散効果を狙いたいというのであれば、
自身のPFにおいて、3つのETFを組み合わせた結果、3つの合計の各セクターの配分や、相関等がどうなっているかを常に把握し続ける必要があります。
米国の各セクターの相関やリターン・リスクを計算し、将来目標とする各セクター配分を決定し、
3つのETFを組み合わせた結果、どのような比率になっているか常に把握し、時にリバランスや調整をする必要があるわけです。
その間、同時に、各ETFの内部でも自動的にセクター配分は変化し続けます。
口で言うのはたやすいのですが、初心者の方が、この3つのETFを組み合わせて、ある程度、意味のある有効なセクター分散効果を狙うのはかなり難しいのではと思います。
そして、売買コストやリバランスコストが余計にかかります。
後述しますが、分散効果が全くないといっているわけではなく、分散効果の大きさ(そもそも3つを組み合わせても効果は小さいこと)と手間の問題ですね。
セクター分散を狙いたいのであれば、この3つのETFを使うのではなく他のETFや他の方法をとった方が効果的だと思います。
【余談】
ちなみにシャープレシオに関しては、
VYM 0.82
HDV 0.61
SPYD 0.63
と、VYMが頭一つよく、ソルティノレシオ(ファンドが下落した時だけのリスクを考慮して、リスクに見合ったリターンが得られているかを判断する指標)でも同様の傾向があります。
一つ前の「VYM・HDV・SPYD ではどれが一番いいのか?」という記事で、
私がこの3つの中では、最もVYMが好きといったのは、最も低コストかつ、こういう点が良かったことも理由であります。
もちろん、未来はわかりませんが、3つの中で最も分散されているので、リスクを抑える効果は今後も期待できると考えます。
【3つのETFの120日相関】

VYMとHDVの相関関係。かなり高い相関となっています。

VYMとSPYDの相関関係。
こちらも高いものの、HDVと比べるとある程度違う値動きをしていることがわかります。

3つの組み合わせの中では、SPYDとHDVの相関が最も異なっています。
ただ、この3つのグラフをみてもわかるとおり、
相関関係と言うのは時期によって変化しますので注意が必要です。
今後もこの傾向が続くとは限りません。
リスクを抑えるための「分散効果」は違う値動きのものを組み合わせることによって発揮されます。
1(完全相関)でなければ、分散効果は発揮されます。
ただ、この3つのETFを組み合わせて発揮される分散効果は比較的弱いという事がわかります。
また、為替リスクは軽減できません。
米国高配当株や米国高配当ETFのみに投資をしている方は、
十分に一考の余地があると思います。
【まとめ】
VYM・HDV・SPYDの3つの高配当ETFに分散する意味はあるのか?
意味はなくはないが、分散効果はあまり高くない。
と個人的には思います。
ですので、米国株式というインカムだけに限定するのではなく、
もちろん、私自身が配当に加重した戦略を取ることはありませんが、
いつもありがとうございます。
ちょっとだけ勉強になった。知らなかった。
という方は是非応援クリックよろしくお願いします。

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青 VYM
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黄色 SPYD
ドルベース、トータルリターンのチャート。
この記事のデータはSPYDの設定に合わせて、2016年1月以降のものを利用。検証期間の短さは要注意。
若干の差はあるものの、3つのETFともほとんど同じような動きをしていることがわかります。
【米国株式市場との相関】
1が完全相関。米国株式市場と同じ動きとなる。
VYM 0.94
HDV 0.88
SPYD 0.86
VYMが顕著ですが、他2つも米国株式市場全体の値動きとかなり相関が高いことがわかります。
この3つを組み合わせても米国株式市場全体の下落に対してはあまり効果を発揮しない可能性があります。
【セクター分散効果を狙うのは実は難しい】
この3つのETFを用いてセクター分散を狙うという考え方があるようです。「セクターを分散すること」それ自体は良い考えだと思います。
ただ、その考えをこの3つのETFへの投資でちゃんと活かすのは難しいと思います。
というのも、各セクターへの分散効果を狙いたいというのであれば、
自身のPFにおいて、3つのETFを組み合わせた結果、3つの合計の各セクターの配分や、相関等がどうなっているかを常に把握し続ける必要があります。
米国の各セクターの相関やリターン・リスクを計算し、将来目標とする各セクター配分を決定し、
3つのETFを組み合わせた結果、どのような比率になっているか常に把握し、時にリバランスや調整をする必要があるわけです。
その間、同時に、各ETFの内部でも自動的にセクター配分は変化し続けます。
口で言うのはたやすいのですが、初心者の方が、この3つのETFを組み合わせて、ある程度、意味のある有効なセクター分散効果を狙うのはかなり難しいのではと思います。
そして、売買コストやリバランスコストが余計にかかります。
後述しますが、分散効果が全くないといっているわけではなく、分散効果の大きさ(そもそも3つを組み合わせても効果は小さいこと)と手間の問題ですね。
セクター分散を狙いたいのであれば、この3つのETFを使うのではなく他のETFや他の方法をとった方が効果的だと思います。
【余談】
ちなみにシャープレシオに関しては、
VYM 0.82
HDV 0.61
SPYD 0.63
と、VYMが頭一つよく、ソルティノレシオ(ファンドが下落した時だけのリスクを考慮して、リスクに見合ったリターンが得られているかを判断する指標)でも同様の傾向があります。
一つ前の「VYM・HDV・SPYD ではどれが一番いいのか?」という記事で、
私がこの3つの中では、最もVYMが好きといったのは、最も低コストかつ、こういう点が良かったことも理由であります。
もちろん、未来はわかりませんが、3つの中で最も分散されているので、リスクを抑える効果は今後も期待できると考えます。
【3つのETFの120日相関】

VYMとHDVの相関関係。かなり高い相関となっています。

VYMとSPYDの相関関係。
こちらも高いものの、HDVと比べるとある程度違う値動きをしていることがわかります。

3つの組み合わせの中では、SPYDとHDVの相関が最も異なっています。
ただ、この3つのグラフをみてもわかるとおり、
相関関係と言うのは時期によって変化しますので注意が必要です。
今後もこの傾向が続くとは限りません。
リスクを抑えるための「分散効果」は違う値動きのものを組み合わせることによって発揮されます。
1(完全相関)でなければ、分散効果は発揮されます。
ただ、この3つのETFを組み合わせて発揮される分散効果は比較的弱いという事がわかります。
また、為替リスクは軽減できません。
【国際配当投資戦略について】
過去のデータを見ると、国際的な株式ポートフォリオは、
米国のみのポートフォリオよりも高い配当利回りを残してきました。
米国株の配当重視の戦略が人気ですが、
米国以外の国にも高利回りの投資機会があります。
「国際分散配当戦略」により、このメリットやより高い分散効果を享受することができます。
米国高配当株や米国高配当ETFのみに投資をしている方は、
十分に一考の余地があると思います。
【まとめ】
VYM・HDV・SPYDの3つの高配当ETFに分散する意味はあるのか?
意味はなくはないが、分散効果はあまり高くない。
と個人的には思います。
前回の記事の繰り返しになりますが、
もし私がやるとしたら、
この3つを組み合わせるというような分散ではではなく、
米国株式「以外」へも広範囲で分散投資をすると思います。
というとも、おそらく、この3つのETFは3つとも米国株式市場の影響や為替の影響をもろに受けるからです。
3つの米国高配当ETFに分散をしていても、最悪3つ全ての分配金が同時に減り、予定していた収入が得られず、苦しくなる時期があるかもしれません。
もちろん、これは米国株式高配当ETF・戦略が悪いという事ではありません。
どんな投資方法や戦略にもリスクはあります。
ですので、米国株式というインカムだけに限定するのではなく、
異なる資産(債券やREIT)や米国外の地域、もしくは違う方法(ビジネス)なども組み合わせて、収入源をより分散することが大切だと思います。
もし、本気でアーリーリタイアを目指すなら、
ここ数年の成績ではなく、アーリーリタイア後の何十年という長い生活のことを考えて、リスクをより分散し、安定したリタイア後の収入を確保することが大切だと思います。
もちろん、私自身が配当に加重した戦略を取ることはありませんが、
この記事が、
インカム・配当戦略を採用する方、選好する方の何かしらの参考になれば幸いです。
インカム・配当戦略を採用する方、選好する方の何かしらの参考になれば幸いです。
いつもありがとうございます。
ちょっとだけ勉強になった。知らなかった。
という方は是非応援クリックよろしくお願いします。

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