【バンガードCEOのインタビュー】
先日ファイナンシャルタイムズで、
面白いニュースがあったので紹介します。
Vanguard fires fresh salvo in asset management fee war
バンガードのCEOティムバックリー氏のインタビューで、
バンガードグループは、今後4年間で投資ファンドのコストを10億ドル削減すると述べていました。
いや、本当にすごいですね。
日本の多くの運用会社も是非見習ってほしいものです(笑)。
この手数料の引き下げは、バンガードのアクティブファンドとパッシブファンド両方で分散されるとのこと。
耳タコかもしれませんが、
コストは投資や資産形成において最も重要な要素の一つです。
それは、アクティブもパッシブも変わりません。

この図は翻訳間違いですね(笑) 表記が「円→ドル」もしくは開始時の残高1000万円でお考えください。
【コスト以外の内容】
記事の内容は主にコストのことなのですが、
「コスト」以外にも、いくつか面白い話題が書いてありましたので簡単にまとめます。
〇2021年S&P500を上回った、ウォール街のアクティブファンドマネージャーは1/4。
〇2021年投資家が購入した最も人気のある10のETFのうち6つはバンガードのもの。
〇バンガードグループの運用資産は初めて8兆ドルを超え、12月末には8.4兆ドルに。
ここら辺は、当ブログの過去記事等でも紹介したことがあるので、割愛します。
【ビットコインETFについて】
ティム・バックリー氏は、ビットコインETFについては以下のようにコメントしています。
「そのETFは長期的なポートフォリオに属すべきものでしょうか?」
「10年後に消滅する可能性があるものでしょうか?」
「ビットコインETFはカクテルパーティーで議論するにはいいかもしれませんが、暗号通貨は本質的な価値を持つ資産クラスなのでしょうか?」
「投資家は基本原則に忠実である必要があります」
バンガードは「ビットコインETF」については否定的なようです。
ただ、伝統や哲学を維持しつつも、「ブロックチェーンを活用する」など、
最新技術の良い所は取り入れる姿勢も見られ、とても心強く思います。
【投資信託とETFについて】
特におもしろかったのがETFの行です。
注)日本とは投資環境が異なりますのでそこは注意してください。
米バンガードは、最近投資信託よりもETFを顧客に勧めています(ETFへの移行なども)。
ティム・バックリー氏「ETFは、今やより多くの選択肢と、より柔軟なタックス・ロス・ハーベスティングを提供し、さらに投資信託よりも低いコストで提供されている」と述べています。
【ボーグル氏の誤算?】
しかし、バンガードの創設者ジャック・ボーグル氏が、
ETFが投資家の取引頻度を高め、コスト増とリターン減を招くと考え、ETFに反対していたことは有名です。
「しかし、こうした懸念は実際には顧客の行動には反映されなかった」とバックリー氏は述べています。
「バンガードの顧客のうち、1年間に取引するのは4分の1に過ぎない」「そのほとんどは、顧客の資産の平均5分の1程度に影響を与えるポートフォリオのリバランスの結果である」
晩年、ボーグル氏は、ETFについては、「売買回数を抑え長期保有するなら・・・」という感じで、長期的な資産形成のために正しく使うことは(しぶしぶ)認めていました。
ボーグル氏が心配とは裏腹に、米バンガードの顧客は賢明な投資家が多かったようです。
天国のボーグル氏にとっては嬉しい誤算だったかもしれませんね。
ETFも、投資信託でも、せっかくの良い道具でも、正しく使わなければその効果を十分に発揮することはできません。
バンガードのコストダウンの姿勢が維持されることを喜びつつ、
私は米バンガードの多くの顧客のように、変にごちゃごちゃ動き回らずに、基本に忠実な投資をこれからも続けていきたいと思います。
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