
【アクティブ投資の難しさ】
ファンドのパフォーマンスの持続性に関する研究として、
最も古く、かつ大きな影響を与えた論文に Jensen(1968)があります。
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=244153
最も古く、かつ大きな影響を与えた論文に Jensen(1968)があります。
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=244153
ジェンセン氏は、現在ではジェンセンのαとして知られている、リスク調整後のポートフォリオのパフォーマンス評価指標を使い、
ファンドマネージャーの予想能力が、ファンドのリターンにどの程度貢献しているのかを推定しようと試みました。
【調査の結果】
1945年~1964年の115 のミューチュアルファンドの年次リターンから調査した結果、
リスク調整後のファンドの平均リターンは年率-0.9%であることがわかりました。
また、マネージャーの報酬や手数料の分を戻すとリターンはほぼ0になることを発見しました。
参考までに、同期間のS&P500のチャートを張っておきます。
決して特別な相場ではなかったというとがわかると思います。

この研究の結果としては、
〇ファンドマネジャーは市場を上回るほど証券価格を予測できなかったこと。
〇個々のファンドは、単なるランダムな偶然から予想されるものよりも有意に良い結果を出した、という証拠はほとんどなったということ。
〇ファンドは平均して、手数料を回収できるほどの成功を収めていなかったこと。
などがわかっています。
【その後も研究が進むが・・・】
その後、時代が進むにつれて、
より信憑性を高めるものから、反論となるものまで、
いろいろな研究がなされてきました。
中には運だけでは説明できないマネジャーの実力を認める研究もあります。
ただ、明確な結論は未だでていません。
私もそれら全ての研究と結果を知るわけではありませんが、
今私の知る限りでは、ファンドの優れたパフォーマンスが、
本当にマネジャーの能力によるのか、運(や環境)によるものなのかを判別することは本当に難しいと思います。
マネージャーのパフォーマンス評価は、設定するベンチマーク、モデル、評価方法の選択に依存するため、個々の能力を正確に把握するには限界があるからです。
中にはコストを正当化できるほどの高いスキルを持つファンドマネジャーの方もいるかと思います。
しかし、私には誰がそうなのか、将来もそのパフォーマンスが維持できるかどうかがわかりません。
多くの優秀なプロのファンドマネジャーが、互いに競い合う事でαを食い合い、
結局コストを正当化できるほどのリターンを長期的に上げ続けることが難しくなってきた昨今、
ますます競争に勝ちつづけることは困難になってきています。
私は人やファンドを見る目がないので、ファンドマネジャー及びファンド選択のリスクを避けるのとのできる、インデックスファンドを用いて、
市場全体の生み出す分け前を低コストで貰い続けていきたいと思います。
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