バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。

00

【米人口成長ほぼ停止】


7月26日付のWSJにこんな記事がありました。

米人口成長ほぼ停止、経済への影響は コロナによる一時的な現象にとどまるか」 


内容を一言で言うと、

米国の人口が減少するかもという記事です。

私の結論を一言で言うと、

私は特に気にすることないと思います。


理由は、経済成長や株式リターンと人口の増減は「あまり関係がない」、もしくは「わからない」とされているからです。

また、もし人口が関係あるにしても、投資リターンにとって数あるファクターの一つに過ぎないと私は考えています。

ここら辺の話は何度か過去記事でも紹介しているので、以前からブログを読んで頂いている読者の皆様にはお馴染みかと思います。

「人口が増加する」からといって「経済成長」するとは限らない

「経済成長率」と「株式のリターン」はあまり相関関係がない



【デーリー新潮の記事】

なので、実はWSJを読んだ後、一旦スルーしていましたが(笑)

今日のデーリー新潮の記事

米国が史上初の人口減少の可能性 大恐慌やリーマンショック以上に大きな打撃

という記事が話題になっていたので、

今回はブログでもう少しだけ取り上げていきたいと思います。

まずは上の記事のポイントをまとめます。

データが良い感じにまとまっていて、そこら辺はとても良い記事だと思います。


【米国の人口についての報道のポイント】

〇昨年7月1日までの1年間の米国の人口増加率は0.35。

〇今年はほぼ横ばい状態にとどまる見通し。

〇「一部の専門家」は今年の人口は歴史上初めて減少に転ずると予想。

〇人口減少の最大の要因は出生率の下落。

〇米疾病予防管理センターによれば、米国の出生率は2007年の1.78から低下し続け、昨年は1.07となった。

〇国連人口基金「米国では新型コロナウイルスの影響で昨年10月以降、出生数が顕著に減少している」

〇米国の白人人口は2020年の国勢調査で減少に転じる見通し。

〇2016年からの4年間合計の人口の減少数は115万人に上り、その中心は25歳未満の若年層と25~59歳の年齢層。

〇米国では「景気低迷期に一時的に出生率が下がるが、経済が回復すれば再び出生率が上がる」というパターンが繰り返されてきたが、リーマンショックから立ちなおった2010年以降も出生率は長期的に下がり続けている。

薬物過剰摂取等の行は特に本筋に関係ないので割愛します(対策等もできますし、長期では減少傾向にあるため)

と言った感じでしょうか。

記事後半の

「人口減少は、大恐慌やリーマンショック以上に米国経済に大きな衝撃を与える恐れがある」とか

「7月26日の米国の実質金利がマイナス1.1%台を付け、過去最低を更新したが、人口減少による米国の成長鈍化の懸念がその背景にあるのはではないだろうか。

といった煽り推測は、確かにその可能性も0ではないから否定できないものの、

でも、だからと言って過度に動揺する必要もないと思っています。



【真面目な話】

①Geanakoplos, Magil and Quinzii(2004)は、戦後のアメリカの人口構造の変化が金融資産価格を変動させましたが、実際の株価の変動は、モデルで説明される2.3倍であり、人口構造の変化のみでは十分に説明できないことを示しました。

②Erb, Harvey and Viskanta(1997)は、Bakshi and Chen(1994)が正しいとするならば、世界規模で金融市場が統合されている場合、金融資産の収益率は世界の平均年齢の影響も受けるため、

世界の平均年齢の上昇は、株式の収益率の上昇につながるという仮説を立て、1970-1995年のデータを用い実証的に分析しました。

分析の結果、世界の平均年齢と収益率の間には有意な関係は存在しないことが示されました。

※ただし、世界の平均年齢と株式の収益率に有意な関係が検出できなかった要因として、①世界の金融市場は十分に統合されておらず分断されている可能性があること、②世界の平均年齢を算出する際、先進国のみならず発展途上国が含まれているため、平均年齢の上昇は、高齢化だけではなく、医療水準の改善等による平均余命の上昇を反映している可能性があることに注意

③Poterba(1998)は、アメリカ、カナダについて、1950-1997年のデータを用いて、人口構造と株式の収益率の間には有意な関係は存在しないこと。一方、短期国債および長期国債の収益率の間には有意な関係が存在することを示しました。

まあ、他にもいろいろな研究があるのですが、私が知る限りでは、

概ね、実質株価に対し、

40-64歳の中年世代の人口比率の増大は正の影響を与え、

65歳以上の老年世代の人口比率の増大は負の影響を与える。

一方で、株式の実質期待収益率は有意な影響を与えないこといった感じの結論になるかと思います。



【まとめ】

興味のある方は是非、元の論文や過去の研究などを当たってみて下さい。

いや、それでも「人口は関係ある!」という人であっても、

米国の人口減少がどのくらい深刻な物か、一時的なものか。

また、米国はそもそも移民国家ですからそこら辺も含めて、落ち着いて検討するのが良いと思います。

変にイメージだけで不安がったり、判断したり、決めつけるのは、かえって間違いを引き起こす可能性があるのでやめましょう。


初心者の方や難しいことが嫌いな方のために簡単に言うと、

「米国が人口減少したからってあんまり気にする必要ない」と私は思います。という事です。

繰り返しになりますが、

経済成長や株式リターンと人口の増減は「あまり関係がない」もしくは「わからない」とする研究やデータがいくつもあります。

また、もし人口が関係あるにしても、投資リターンにとって数あるファクターの一つに過ぎないと私は考えています。

人口だけで投資リターンが決まるなら、こんな楽なことはありません。

最後に「身銭を切る」というわけではありませんが、

私自身は上記のような米国の人口減の報道を受けても、

全く、今まで通り普通にVOOを保有し続けます。


まあ、だから一旦落ち着いて、

冷静にそれぞれのやるべき投資家を続けていきましょう。

いつもありがとうございます。

知らなかった、ちょっとだけ勉強になったという方は、

是非、応援クリックよろしくお願いします。



 

コメント

このブログにコメントするにはログインが必要です。