バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。・当サイトには広告が含まれます。

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【20年以上リターンを出し続けている投信?】


楽天証券のトウシルに「リターンを20年以上、出し続けている投資信託ってあるの?」という記事がありました。



楽天証券で取り扱いのある投資信託のうち、3年、5年、10年、20年、すべての期間のリターンがプラスだったのは何本あるでしょうか(2021年5月末時点)。

解答:2本

結果、アジア株を投資対象とする「フィデリティ・アジア株・ファンド」と「アジア製造業ファンド」の2銘柄が抽出されました。

20年を外し、3年、5年、10年で絞り込むと、本数は100本以上に増え、国内株式のほか、インド株、米国株、欧州株に投資するファンドも入ってきます。


という内容の記事です。

個人的にはあまりよい印象を受けなかった部分もありますが、

勉強になる点もあるので今回は紹介したいと思います。

それにしても、6000本以上ある中で100本ですか(笑)


【注意点】

まず、前提として注意点がいくつかあります。

初心者の方の中には、タイトルに釣られて間違った印象を持ってしまう方もいるかもしれません。

先程の2つのファンドでも、この20年間「常に」プラスリターンを続けてきたわけではありません。

例えば、先程の「フィデリティ・アジア株・ファンドのチャートを見るとわかるとおり、

リーマンショック時やコロナショック時、チャイナショック時にもしっかりと下落していますし、ボラティリティには常に晒されています。(青が基準価額)

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また、抽出したタイミングの問題もあります。

「去年」や「一昨年」「来年」からみて3、5、10、20年だった場合は、また異なる結果となると思いますし、

4、7、16、24年という感じて違うタイミングで抽出した場合も結果はおそらく変わると思います。

記事中で使われた検索の仕方が、本当に「よい投信」や「20年以上リターンを出し続けている投信」を計る「適切な条件設定の仕方」だったかには疑問が残ります。

なので、元記事後半にある、「投資信託はアジア株がリターンを出し続けているワケ」というくだりは、一般論としてはわかりますが、ちょとなーと思う所もあります。

実はアジアの株式市場は、短期で見ると値動きが大きいものの、長期では、緩やかに右肩上がりの上昇を続けています。

は、米国でも似たようなことが言えますし、アジア株も今後はどうなるかわかりません。


【勉強になる点】

その一方で勉強になる点もあります。

先程の「アジア製造業ファンド」の過去20年間のリターン年率12.52%は、S&P500指数の円建ての20年間のリターン7.9%を超えていています。

これは、最近米国株投資家を始めた方にとっては意外かもしれません。

でも、過去20年間の米国株、先進国株、新興国株の各資産の推移を比較すると、新興国株式のリターンが米国株を上回っていたことがわかります。

参考)各資産のチャ―ト
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青)米国株式市場
赤)先進国株式市場(除く米)
黄)新興国

※ドルベース、インフレ調整前

分散されたPFを長期運用する場合は、資産配分が投資のリスクとリターンの大部分を決定します。

なので「アジア製造業ファンド」や「フィデリティ・アジア株・ファンド」の過去の成績は全然納得できるものがあります。

逆に他のアジア株ファンドも、もうちょっと頑張れよと言いたくなります(笑)

信託報酬がそれぞれ1.76%と1.903%高いので、個人的にはあまり投資する気にはなれませんが(笑)。


【米国株100%投資家が学ぶべきこと】

ここで、注目してほしいのは、

2001年から運用を始めた投資家にとっては、S&P500で100%よりも新興国100%の方が良い結果になったという事です。

もちろん、途中で大きな下落に耐えなくてはいけませんし、S&P500がひどい結果になったというわけではありませんが、

私達がこの事実から学ぶべきは、

自身が投資するタイミングによっては、米国株(S&P500やナスダック)よりも、他の資産の方がリターンやシャープレシオが良くなるという事は全然ありえるということです。

例えば、今投資して20年後、米国株やVOOやQQQが必ずしも最も良い結果をもたらすとは限りません。

米国やS&P500に集中投資する投資家はその点をよく考慮して投資をすることが大切です。

【私の懸念】

もし、多くの人にS&P500への長期投資は必ず上手く行く、米国株式市場は必ず回復するといった認識が広り、積み重なっていけば、最終的に起こるのは米国株式市場へのリスクプレミアムへの縮小だと思います。

多くの投資家が米国企業の株価が多少高くても株式を買ってもいいと思うようになる。バリュエーションがあがり、将来のリターンは減り、潜在的な不確実性は高まる。

なんてことが、将来起こるかもしれません。

もちろん日本の個人投資家レベルでの話ではありませんし、まだまだ先だと思いますが。

少ないリターンを補うために、徐々にみんながレバレッジ等を増やし始めたら、いつものパターンがはじまるかもしれません。

【まとめ】

少し、小難しい話になってきましたね。

初心者の方にはわかりにくかったかもしれません。

もちろん、私の意見に同意できない方もいるかと思いますが、それで全然いいと思います。

まあ、私の結論をわかりやすく一言で言うと、

それでも私はVOOに投資を続けていきたいと思います。


いつもありがとうございます。

ちょっとだけ勉強になった。知らなかった。

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