バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ

2015年からバンガードS&P500ETF(VOO)に長期投資してます。毎日、米国株や海外ETFを中心に投資・資産形成に役立つ情報を発信中。NISAやiDeCOも継続中。

【マーケティングに注意しよう】

最近よく「コロナの底で〇〇を買っていたら」

というような比較や記事を見かけます。

私はこの手の記事で、あまりいい内容のものを読んだことがありません。

「所詮は結果論」というような記事が多いからです。

わかっている方ならいいのですが、

もしかしたら、初心者の方、知識や経験がない方などが、

そういう記事から間違った印象を抱いてしまうのではないかと危惧し、

今回はこういう記事を書こうと思いました。


【いや、そっちがやるんかい!!】

去年、私はコロナショックで株価が下がったあと大きく回復したので

「当然、来年の前年比でのリターンは高くなる 。それを上手く使って宣伝してくる広告等に注意しましょう。」

というような記事を書きました。

主にアクティブファンドのマーケティング(リターンの見せ方「過去〇年で〇〇%的な」)等に対して注意しましょう。

という意図でした。

そして、きっと正義感のあるブロガーや賢い人達はそれを非難、注意するものだと思っていました。

しかし、蓋をあけてみれば・・・

コロナショック時にウェルスナビに投資をしていたら〇〇%のリターンだった(結論はウェルスナビに投資をしよう)。

VOOよりもSPYD持ち続けた方がよかった(コロナショックの底から投資をした場合)

コロナショックの底でレバレッジをかけたなら〇〇%のリターンだった(VOOはクソ)。


(リンクはそれらの記事に対する私の反論)

というよな感じで、

実際にはアクティブファンドではなく、

twitter、ブログ、YOUTUBEなど、まさかの逆方向から(笑)

コロナからの回復時のリターンを上手く利用する記事が増えてきました(笑)。

これらについて改めて個人的な意見を書きたいと思います。



【コロナの底で投資をしたら】

まず、「コロナの底で投資をしたら」という一節を見て思うのは、

2020年の3月22日に「明日が底だ」と証明できた人は一人もいないという事です。

ピンポイントで予想をしていた人は、私の知る限りではいませんでしたし、

もしいたとしても、その人が正しいかどうかわかるのは、底から数週間から数か月後のこととなります。

後から振り返って始めて、

「ああ。23日が底だったのか」とわかるわけです。

「コロナの底で投資をしたら・・・」

→「実際に投資ができましたか?」

まずはここから良く考えてみて下さい。


【コロナショックから得られた間違った教訓達】

コロナショックから間違った教訓を学んでしまう危険性は過去記事でも触れました。

つまり、「下落からはすぐに回復する」とか「米国株式市場は右肩上がり」とか

「小型株や仮想通貨などに投資をすれば「簡単」に高いリターンを得られる」といったものです。


後者に関して言えば、

決して、それらが「簡単に儲かる魔法の投資対象」だったわけではなく

高いリスクや不確実性を引き受けているから、高いリターンを得られた」というだけのことだったと思います。

去年から今年年初までは、その投資対象にとってたまたま環境が良かっただけで、今後どうなるかはわかりません。

誤解しないで欲しいのは、それらがダメといっているのではありません。

普通の事を言っているだけです。


「米国株式市場は下落からはすぐに回復する」「米国株式市場は右肩上がり」に関しては、

「二番底」って知ってますか?

「長期停滞」って知ってますか?

と言った感じです。

米国株式市場と言えど右肩上がりとは限りません。

過去記事「http://etfsp500.com/archives/26411444.html


「世界恐慌」や「1970年代の不況」「ITバブル後の数年間」「リーマンショック」

米国株式市場さえも、株価がすぐに回復しなかったケースや、数年に渡って下落し続けたケース

長期的に横ばいや10年以上最高値を更新しなかったこともあります。


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コロナショックは、早期回復した割と幸運なケースだったという事を忘れてはいけません。



【QQQのチャート】


下は、ITバブル後のQQQのチャートです。

是非、ゆっくりと当時の投資家の気持ちになって、味わってみましょう。

先行きがわからないように、右側を手のひらや紙で隠しながら、

徐々にチャートを読み進めて頂けると良いかと思います。


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どうでしょう。

「そこが底だ」とか「ここまで下がればもう下がらないだろう」思えるようなポイントが、

何回もでてきませんでしたか?(笑)

約3年に渡る下降局面とその後約3年に渡る停滞。

もし、下落の初期に、ここが底だと思って、

ナスダックにレバレッジをかけるようなETFに投資をした場合、その人の資産はどうなるでしょう。

恐らく、レバレッジをかけるくらいですから、きっとその方は早くお金持ちになりたかったことと思われます。

しかし、その方のその後の6年間の成績は散々で、「結果的に」S&P500に大きく劣後することになりました。

レバレッジやナスダックでも、

結果的にS&P500に勝つ事もあれば、結果的に負ける事もあるわけです。

あなたの投資期間においてどっちが上手く行くかはわかりませんが、

魔法のような投資対象はまずありません。


また、過去〇〇というパターンがあった。

といった話もも同様で、結局将来もそうであり続ける保証はどこにもありません




【どうせ後付けで記事を書くなら、ベストを勧めればよくないですか(笑)」

というか、そうやって後付けて投資できるなら、

別にレバレッジETFやウェルスナビやSPYDじゃなくて、

コロナの底2020年3月23日から今日までで、

最も上がった「投資対象」にピンポイントで全力投資すればよくないですか。

たぶん、普通の人というかそこまで頭が良くない人でもそう考えると思います。

それなのに、

なぜ、結果がわかってて、後出しできるのに、わざわざトップ以外のものを勧めるのでしょう?

普通に考えて、過去に戻れるなら、皆さんそうしませんか?

結果がわかっていて、VOOを上回る投資対象がたくさんある中、

あえて、ウェルスナビやTQQQやSPYDを持ちだす必要はあるのでしょうか。

私にはわかりません。

きっと人に投資を勧めるような方は頭がいいはずですし、

注目や話題性が欲しいからでしょうか?


まあ、過去には戻れませんし、過去と全く同じ相場は二度とありません。

結局は2020年3月23日時点で、実行できなきゃあまり意味がありません。

これらは、所詮全部妄想のくだらない話です。


【あの、あの時言ってもらっていいですか?】

実際、回復しきった後で、

あの時ああすればよかったと、都合良いことを書かれてもあまり響きませんよね。

サーキットブレーカーが発動する最中、コロナショックの真っただ中、せめて遅くても回復し始めた去年の4~6月に書かなきゃ意味ないでしょう。

もうその当時の値段では買えませんし、

今後暴落がきても、その後、その投資対象が今回と同じような回復・上昇するかはわかりません。

投資家に実際に利益をもたらすのは、

コロナの底で買えていたという仮定の〇〇よりも、

実際に買った〇〇、実際に積立を行った投資信託等だと思います。

当時勇気を出して、自身のリスクの今日できる範囲内で、精一杯規律ある投資を継続できた方はとても素晴らしいと思います。

それに対して、後付けて「もし〇〇に投資してたほうが高いリターンだった。VOOに投資をしたやつは愚かだ。」とか

「もっといい方法があった」なんていわれても

それって仮定や結果論ですよね。

なんで3月22日~23日にそれをいわないんですか?としか思えないわけです。




【注意とまとめ】


誤解しないで欲しいのは、

レバレッジがダメとかS&P500がよいとか、そういうことではありません。

私自身は使ってませんが、どちらかというと適切なレバレッジはあり派です。

未来はわかりません。

どちらが結果的によかったかは将来の環境によって決まると思います。

私がいいたいのはそういうことではなく、

後付けや、結果論や、間違った理屈によって、

間違った印象を他の投資家に与えつつ、その投資対象を推奨する記事は危うい
ということです。


コロナショックの底で〇〇に投資をすればS&P500を上回ったから〇〇に投資しよう。

暴落時(や暴落からの回復時)には〇〇に投資するのが良い。

というような記事のほとんどが、(全てではないけれども)

「もう一段下げた時」や「長期停滞した時」など、

別のケース、シナリオ、可能性を無視している場合が非常に多い
と感じます。


そういう記事を見て投資をしようと思ったのなら、

そうならかなった時のケース、

少なくとも過去の米国市場ではどうだったかくらいは振り返り、

そのリスクを自分が背負えるか良く考えてから、

その投資対象なり、レバレッジを採用するようにしましょう。


【私の願い】

読み手と書き手、双方が知識をつけること。

そして、書き手は特に自分の利益ではなく

いえ、これは押し付けになるのでやめましょう。

私はそういう記事を書いた方に対して、特別恨みがあるわけでもありませんし、今も変わらず応援しています。

もちろん、自分の利益のための記事を書いてもいいのですし、

それを批判する権利は私にはないのですが、

「私」は今後も読者の無知を利用して儲けようとはせず、

本当の意味で読者の皆様のためになる記事を書いていきたいと思います。


いつもありがとうございます。

今回は特に応援クリックして頂けると嬉しいです。



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