米国企業の二極化について
一方で、米国株式市場の時価総額は、同期間に約8.5兆ドルから約30.4兆ドルにへと増加しました。
上場株式の数が減少し、時価総額が増加するという
2つの要因によって、規模に基づく企業の二極化が進んでいます。
世界最大の公開企業の時価総額は増加しており、
世界最小の公開企業の時価総額は縮小しています。
例えば、2000年の世界最大の企業は、
ゼネラルエレクトリックで時価総額は6100億ドルでしたが、
2020年8月、アップルは時価総額2兆ドルを達成しました。
インデックス投資家に与える影響
「株式数」に基づくインデックスを使用している場合、
特定のインデックスがカバーする市場の割合は、時間の経過とともに変化する可能性があります。
1985年、米国の上位20株は米国の株式市場の時価総額の19%にすぎませんでした。
2020年6月30日現在、上位20株は米国株式時価総額の33%を占めています。
ラッセル2000(小型株指数・時価総額1001位~3000位)を見てみると、
1996年には米国株式市場の10.7%を占めていましたが、
2020年6月30日時点で、市場全体に占める割合は5.5%となっています。
S&P500投資に関する注意点
少し話は変わりますが、せっかくなので、S&P500についても少し話したいと思います。
S&P500は、地球上で最も人気のあるインデックスの一つであり、多くの投資家に選ばれています。
ただ、一点投資をする上で気をつけて欲しいことがあります。
他のほとんどのインデックスはルールベースのものが多く、
時価総額など、1つ複数の客観的な指標に基づいてインデックスが構成されています。
一方、S&P500指数の場合は少し異なり、単純なルールベースのインデックスではなく、
スクリーニング(4四半期の黒字決算など)が追加され、企業の除外・除外の裁量はルールではなく委員会に委ねられています。
このことから、
S&P500指数は質に偏ったエクスポージャーを求める投資家には最適ですが、
他の運用会社の時価総額加重型インデックスとの相性が良くないとも言えます。
ちょっとわかりにくいと思いますので、
バンガードのHPから図を引用します。

S&P500とCRSP社の中小型株インデックスと使って、
米国市場全体に投資をしようとした場合、
ある程度の時価総額はあるものの、S&P500からはじかれた企業をカバーすることはできませんし、
一部銘柄が重複(オーバーラップ)し、二重に保有してしまう事になります。
意図せずして、特定の銘柄にオーバーウェイトし、
アクティブに近い戦略を取る事になっていまします。
これは、S&P500+ラッセル2000の場合にも似たようなこと言えます。
こちらもS&P500からはじかれた大企業をカバーすることができません。
また、両指数の間には隙間があり、
2019年末時点では、時価総額83.7%~92%の間の銘柄を保有できない事になっています。
S&P500+ラッセル2000だと、
全米株式市場(除く、一部の大企業+約8%)という変なポートフォリオができあがってしまいます。
まとめ・感想
では、どうすればいいのか。
簡単な話で、
S&P500に投資をしている方が中・小型株等に投資をしたい場合は、
特別な意図がない場合、S&PMidCap400やS&P SmallCap600。
もしくは、「S&Pコンプリーション指数に連動したVXF」を使うなど
同じS&P社のインデックスを用いることをお勧めします。
ちなみに11月末時点のVXFの構成銘柄はこんな感じです。

他者のインデックスを組み合わせる場合は、
市場をカバーしている割合や重複する領域について少し考える必要があります。
同じプロバイダーのインデックスを用いれば、「変に」重複したり、隙間があいたりはしませんし、(意図的に重複を行う場合もある)
入れ替えコストを抑えるために、各社いろいろ対策していますのでその恩恵を受ける事も出来ます。
めんどくさい方は、あらかじめVTI等を利用しちゃうのも全然アリです。
まあ、マニアックで細かい話なので、初心者の方はあまり気にしなくてもいいと思いますが(笑)。
こんな感じで、S&P500や米国株式市場を中心に、
長期投資に役立つ情報を気ままに更新していこうと思いますので
今後もよろしくお願いいたします。
いつも本当にありがとうございます。
世界銀行によると、
取引所で取引されている米国企業の数は、
ピーク時の1996年の8090社から、2018年には4,397社へと46%減少しました。
プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、M&Aの増加など、多くの要因がこの変化を後押ししています。取引所で取引されている米国企業の数は、
ピーク時の1996年の8090社から、2018年には4,397社へと46%減少しました。
一方で、米国株式市場の時価総額は、同期間に約8.5兆ドルから約30.4兆ドルにへと増加しました。
上場株式の数が減少し、時価総額が増加するという
2つの要因によって、規模に基づく企業の二極化が進んでいます。
世界最大の公開企業の時価総額は増加しており、
世界最小の公開企業の時価総額は縮小しています。
例えば、2000年の世界最大の企業は、
ゼネラルエレクトリックで時価総額は6100億ドルでしたが、
2020年8月、アップルは時価総額2兆ドルを達成しました。
インデックス投資家に与える影響
〇時価総額カバレッジの割合
「株式数」に基づくインデックスを使用している場合、
特定のインデックスがカバーする市場の割合は、時間の経過とともに変化する可能性があります。
1985年、米国の上位20株は米国の株式市場の時価総額の19%にすぎませんでした。
2020年6月30日現在、上位20株は米国株式時価総額の33%を占めています。
ラッセル2000(小型株指数・時価総額1001位~3000位)を見てみると、
1996年には米国株式市場の10.7%を占めていましたが、
2020年6月30日時点で、市場全体に占める割合は5.5%となっています。
S&P500投資に関する注意点
少し話は変わりますが、せっかくなので、S&P500についても少し話したいと思います。
S&P500は、地球上で最も人気のあるインデックスの一つであり、多くの投資家に選ばれています。
ただ、一点投資をする上で気をつけて欲しいことがあります。
他のほとんどのインデックスはルールベースのものが多く、
時価総額など、1つ複数の客観的な指標に基づいてインデックスが構成されています。
一方、S&P500指数の場合は少し異なり、単純なルールベースのインデックスではなく、
スクリーニング(4四半期の黒字決算など)が追加され、企業の除外・除外の裁量はルールではなく委員会に委ねられています。
このことから、
S&P500指数は質に偏ったエクスポージャーを求める投資家には最適ですが、
他の運用会社の時価総額加重型インデックスとの相性が良くないとも言えます。
ちょっとわかりにくいと思いますので、
バンガードのHPから図を引用します。

S&P500とCRSP社の中小型株インデックスと使って、
米国市場全体に投資をしようとした場合、
ある程度の時価総額はあるものの、S&P500からはじかれた企業をカバーすることはできませんし、
一部銘柄が重複(オーバーラップ)し、二重に保有してしまう事になります。
意図せずして、特定の銘柄にオーバーウェイトし、
アクティブに近い戦略を取る事になっていまします。
これは、S&P500+ラッセル2000の場合にも似たようなこと言えます。
こちらもS&P500からはじかれた大企業をカバーすることができません。
また、両指数の間には隙間があり、
2019年末時点では、時価総額83.7%~92%の間の銘柄を保有できない事になっています。
S&P500+ラッセル2000だと、
全米株式市場(除く、一部の大企業+約8%)という変なポートフォリオができあがってしまいます。
まとめ・感想
では、どうすればいいのか。
簡単な話で、
S&P500に投資をしている方が中・小型株等に投資をしたい場合は、
特別な意図がない場合、S&PMidCap400やS&P SmallCap600。
もしくは、「S&Pコンプリーション指数に連動したVXF」を使うなど
同じS&P社のインデックスを用いることをお勧めします。
ちなみに11月末時点のVXFの構成銘柄はこんな感じです。

他者のインデックスを組み合わせる場合は、
市場をカバーしている割合や重複する領域について少し考える必要があります。
同じプロバイダーのインデックスを用いれば、「変に」重複したり、隙間があいたりはしませんし、(意図的に重複を行う場合もある)
入れ替えコストを抑えるために、各社いろいろ対策していますのでその恩恵を受ける事も出来ます。
めんどくさい方は、あらかじめVTI等を利用しちゃうのも全然アリです。
まあ、マニアックで細かい話なので、初心者の方はあまり気にしなくてもいいと思いますが(笑)。
こんな感じで、S&P500や米国株式市場を中心に、
長期投資に役立つ情報を気ままに更新していこうと思いますので
今後もよろしくお願いいたします。
いつも本当にありがとうございます。
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