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金はあまりヘッジに有効ではない】


ブラックロックのRuss Koesterich氏は、

最新のブログで、金はあまりヘッジに有効ではないと述べています。


週次データを見ると金価格は、

S&P500が1%上昇するごとに0.2%上昇するというと正の相関がある。

パフォーマンスのギャップはあるが、

PF構築の観点で見た場合、

金はあまりヘッジに効果的ではないと同氏は主張しています。


更に、ハイテク株に限定した場合、

金との相関は約0.5となっており、

金とハイテク株の連動性が高まっていると指摘しています。


また、インフレをヘッジする金の能力はやや誇張されているとも述べています。


金の株式およびインフレとの最近の相関関係は、

正から実質的にゼロになっていますが、

それでもドルとの強い負の関係を示しています。

このため、金は依然としてドルヘッジと見なされるべきと主張しています。


詳しくはこちらのブログをご確認ください

https://www.blackrock.com/us/individual/insights/another-hedge-bites-gold



【金は米国マーケットの相関】

PORTFOLIO VISUALIZERのデータによると、

1972年年初から2021年2月末までの間、

金は米国マーケットと0.02の相関がありました。


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画像はクリックすると拡大できます。

ドルベースインフレ調整前のトータルリターン

 米国株式市場
 金

一年毎のリターンを比較してみると、

金と米国株式市場が逆相関になって完全にヘッジになっている年と、

同じ方向に動いている年があることがわかります。


もちろん、同じ方向に動いても値動きが違えば、

例えば、一緒に下落しても下落幅が違えば多少の「分散効果」は期待できます。

ただ、相関が高くなると、相関が低い時に比べて分散効果は薄れます。


【相関は変化する】

下の図は、

GLD(金ETF)が設定されてから、

SPY(S&P500ETF)とどの程度相関があったかを示したものです。

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比較的チャートが緩やかになる120日相関でも、

+0.56 ~ -0.53 の間で、何度も上下を繰り返していることがわかります。



まとめ

「金」に限らず、「株」と「債券」。

「米国株」と「米国以外の株式」など、

各資産の相関関係は時間とともに変化します


そして「相関関係」も

いつもの例にもれず「未来はどうなるかわかりません」

過度にヘッジ効果があったとしても、

将来も過去と同じように効果を発揮してくれるとも限りません。

過度な期待は禁物です。


過去の数字やデータ、理論を基に、

緻密で厳密な計画をたてればたてるほど、

実行するためのコストが増えたり、

未来の変数に脆くなったりもします。


これは「金」に限った事ではありませんが、

投資対象に投資する目的や

不確実な未来のための「幅」といいますか「ゆとり」を良く考えて、

投資をすることが大切だと思います。


この記事は「金」への投資そのものを批判する目的ではありません。

「金」へ投資をする仲の良い投資家の方はたくさんいます。

し、応援もしています。

ただ、私個人としては、

「金」や「コモディティー」に手を出すことなく

いままでどおり「株式+現金」のスタイルで投資を続けていきたいと思います。


いつもありがとうございます

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