「S&P500」VS「中型・小型株」
※記事は2020年3月時点のものとなります。
今回はS&P500の配当込のトータルリターン(累積)と
「S&P MidCap 400 」「S&P SmallCap 600 」の同リターンを比較してみました。
早速ですが、「結論」をご覧下さい。
今年の年初来~3月の下落幅を比較すると、
「S&P500」よりも「MidCap 400」や「SmallCap 600」の方が大きく下落していることがわかります。
また、過去15年間はS&P500のトータルリターンの方が良い結果となりました。
過去の暴落時の傾向
米小型株は米大型株に比べて、
下落に弱く、ボラティリティが高い傾向があります。
〇1931年(米国最大の暴落)
CRSP1-5 (大型株) -43.3%
CRSP6-10 (小型株) -50.2%
〇73~74の弱気相場
大型株 -39.2%
小型株 -53.1%
〇リーマンショック
大型株 -36.5%
小型株 -38.7%
今回の下落も過去の傾向をなぞる形になりそうです。
また、1927~2015年の間、
米小型株のボラティリティは米大型株より、およそ5割ほど高くなっています。
米国の小規模企業の特徴
米国の大企業に比べて、米国の小規模な企業は概ね以下のような特徴があります。
〇レバレッジが大きい。
〇資本基盤が小さく、経済的な困難に対処する能力が低い。
〇資金調達力に限りがある。(信用市場の変化に脆弱)
〇利益の変動が激しい
〇収益力が低い
〇キャッシュフローの不確実性が高い。
〇株式の流動性が低め
〇ビジネスモデルの実績が乏しい。もしくはない。
このように、米国の小規模な企業は、今回ような経済危機に、脆い側面があるのがわかると思います。
そしてFRBはそれをどうにかして助けようと、あらゆる手段を講じて支援しているわけです。
小型株は「ブレーク」する時期がある。
ところが、もう一度、最初のグラフをよく見てみると、
過去20年の累積リターンは、
「S&P MidCap 400 」「S&P SmallCap 600 」の方が大幅に高くなっています。
これは、2000年3月~2006年の間、米小型株は年率7.2%という素晴らしい利回りを記録したことが原因です。
この期間大型株は全然ダメでした。
小型株がS&P500指数を大幅に上回ったのは「1975~1983年」と「2000~2006年」の期間です。
それ以外の期間のリターンは、実は大したことありません。
(リスクやコストを考慮すると尚更です)
1926~1959年小型株が大型株を上回る事は一度もありませんでした。
1984年~2000年までの17年間も小型株は低迷しています。
しかし、調子のいい時期に、
S&P500企業などを一気に引き離し、プレミアムを作る。
過去の米小型株はそんな感じの傾向がありました。
まとめ
私はS&P500に投資をしていますが、
シーゲル教授やジャック・ボーグル氏がいうように小型株をあえて外す必要もないと思います。
リスクやジャンクをコントロールできる方は、
小型株プレミアム(サイズファクター)を狙うという戦略も悪くないと思います。
これは大型株・小型株に限った話ではありませんが、
どっちが良いとか悪いという話ではなく、
両者の特徴(長所・短所など)を知ったうえで、自分の投資に活かすことが大切だと思います。
私はバンガードS&P500(VOO)に投資をします。
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今回はS&P500の配当込のトータルリターン(累積)と
「S&P MidCap 400 」「S&P SmallCap 600 」の同リターンを比較してみました。
早速ですが、「結論」をご覧下さい。
今年の年初来~3月の下落幅を比較すると、
「S&P500」よりも「MidCap 400」や「SmallCap 600」の方が大きく下落していることがわかります。
また、過去15年間はS&P500のトータルリターンの方が良い結果となりました。
過去の暴落時の傾向
米小型株は米大型株に比べて、
下落に弱く、ボラティリティが高い傾向があります。
〇1931年(米国最大の暴落)
CRSP1-5 (大型株) -43.3%
CRSP6-10 (小型株) -50.2%
〇73~74の弱気相場
大型株 -39.2%
小型株 -53.1%
〇リーマンショック
大型株 -36.5%
小型株 -38.7%
今回の下落も過去の傾向をなぞる形になりそうです。
また、1927~2015年の間、
米小型株のボラティリティは米大型株より、およそ5割ほど高くなっています。
米国の小規模企業の特徴
米国の大企業に比べて、米国の小規模な企業は概ね以下のような特徴があります。
〇レバレッジが大きい。
〇資本基盤が小さく、経済的な困難に対処する能力が低い。
〇資金調達力に限りがある。(信用市場の変化に脆弱)
〇利益の変動が激しい
〇収益力が低い
〇キャッシュフローの不確実性が高い。
〇株式の流動性が低め
〇ビジネスモデルの実績が乏しい。もしくはない。
このように、米国の小規模な企業は、今回ような経済危機に、脆い側面があるのがわかると思います。
そしてFRBはそれをどうにかして助けようと、あらゆる手段を講じて支援しているわけです。
小型株は「ブレーク」する時期がある。
ところが、もう一度、最初のグラフをよく見てみると、
過去20年の累積リターンは、
「S&P MidCap 400 」「S&P SmallCap 600 」の方が大幅に高くなっています。
これは、2000年3月~2006年の間、米小型株は年率7.2%という素晴らしい利回りを記録したことが原因です。
この期間大型株は全然ダメでした。
小型株がS&P500指数を大幅に上回ったのは「1975~1983年」と「2000~2006年」の期間です。
それ以外の期間のリターンは、実は大したことありません。
(リスクやコストを考慮すると尚更です)
1926~1959年小型株が大型株を上回る事は一度もありませんでした。
1984年~2000年までの17年間も小型株は低迷しています。
しかし、調子のいい時期に、
S&P500企業などを一気に引き離し、プレミアムを作る。
過去の米小型株はそんな感じの傾向がありました。
まとめ
私はS&P500に投資をしていますが、
シーゲル教授やジャック・ボーグル氏がいうように小型株をあえて外す必要もないと思います。
リスクやジャンクをコントロールできる方は、
小型株プレミアム(サイズファクター)を狙うという戦略も悪くないと思います。
どっちが良いとか悪いという話ではなく、
両者の特徴(長所・短所など)を知ったうえで、自分の投資に活かすことが大切だと思います。
私はバンガードS&P500(VOO)に投資をします。
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