今回のテーマは銀行株です。

なぜ前回延々と長い堀の話をしてきたかというと、忘れられがちですが銀行も素晴らしい堀をもった業種なのです。

堀にも種類があり、深い堀や弱い堀など経済的特性からさまざまな堀があります。

では銀行が持ちうる堀とはなんでしょうか?

1つ目は参入障壁です。新しく1から銀行を作るには圧倒的な資金と認可が必要です。

2つ目は規模による障壁です。銀行業界は大手によるシェアの寡占が進み、大きい銀行ほどその資金力で貸し付けや投資を行うことにより益々大きくなり、新規もしくは小さな銀行はどんどん苦しくなっていきます。

ITや飲食業界とは違い小が大を喰う事はほとんど起きない、規模の大きいほうが圧倒的有利な業種です。一般心理として、利用者もある程度大きい銀行の方が安心感があるのではないでしょうか?


3つ目、乗り換えコストによる堀です。
他社に乗り換えたり解約することが顧客にとって大きな不利益(手間)があると、結局顧客はそのまま他社に移らず、今の会社を使い続けてしまうというものです。

少し前に日本で大手携帯会社による2年縛りや解約金が問題になっていましたが、まさにあれが乗り換えコストによる堀です。

同様に銀行も給料の振り込みや引き落としに一度口座を設定したら、解約、移管の手間、また勤め先などに口座を指定されたりといった社会的な事情も絡むため、新商品が発売されたから買ってみようというような気分で毎日、毎月違う銀行にメイン口座を移すようなことは普通の人はしません。

企業間でも同様で銀行口座がコロコロ変わるような企業だと取引において不信感も生まれるでしょうし、お互いの事務的なミスも多発するでしょう。そんな企業現実的ではないですよね。企業も個人も乗り換えコストとリスクは嫌なのです。

つまり手間やめんどくささが、逆に顧客を囲い込む力となり堀としての役割を果たしているのです。

時間がない人ほど銀行に行く手間や、必要な書類を取りに市役所に行く手間の威力は理解していただけるのではないでしょうか?

問題がなければ現状を維持した方が楽という心理的バイアスも効いてきます。


以上の点からも実は(特に大手)銀行はコカ・コーラ同様(種類は違いますが)深い堀のある業種であると言えます。

また銀行は現在の先進国の世界のシステム上、給料の受け取りや企業間の決済など、銀行がなくては生活できない必需品のような役割を果たしている側面もあります。

さらにこれから進むであろう金利上昇局面においても、銀行株は強みを発揮します。

リーマンショックのような金融危機も起きましたが、それを乗り越えここまで復活した実績と、倫理的な問題はありますが最悪政府が資金注入して助けてくれるという、良くも悪くも大きすぎてつぶせないという事例もあります。


ヘルスケア、生活必需品、エネルギー、ITなどの業種はそれぞれの界隈で人気ですがあえて銀行株の優位性について書いてみました。

もちろん銀行に限らずどの業種でも特有のリスクはありますし、当てはまらない例外的な企業もあります。

大手銀行株価格が充分に安いと思えるなら(安全域があるなら)一考の価値があると思いますが、みなさんはどう思われますか?

(ウォーレンバフェット氏のポートフォリオには意外と金融系の株の割合も多いです。)


銀行はバリュー投資、配当重視、セクター分析、企業分析・ファンダメンタル重視、経済局面重視、金利上昇局面重視・政策重要視、バフェット銘柄、が好きな方々らまで、割と多くの派閥の方、さまざまな投資運用方法に対応する要素を持つ、気になるジャンルではないかと思います。

ちなみに私はインデックス派なのでS&P500を買い続けます。


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補足ですがあえて金融セクターではなく、銀行株に絞ったのには、保険会社や投資ファンドにはまた違った性質があるからです。今回の記事はあくまで企業や個人に対する貸し付けから利益を得る一般的な銀行業についての堀の話です。もちろんそれら銀行も資金を運用し利益を得ていますが、運用益のみに頼りすぎていない、本来の銀行業からも充分に利益を得ている銀行だとなお当てはまるでしょう。