【0.75%の利上げ】

FRBは14~15日に開催されたFOMCで、

FF金利の誘導目標を0.75%引き上げ、1.50~1.75%としました。

決定は10対1。カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁のみ0.5%の利上げを主張。他のメンバーが0.75%の利上げに賛成。

0.75%の利上げは1994年来となります。


【FRBの声明】

FRBは声明で、パンデミックに関連した需給の不均衡、エネルギー価格の上昇、広範な物価上昇圧力を反映し、インフレ率は高止まりしていると指摘。

「FRBはインフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている」と述べました。

景気の見通しは、今年の経済成長率はトレンドを下回る1.7%に減速すると下方修正

失業率は、年末までに3.7%に上昇し、24年にかけて4.1%に上昇するとの見通しを述べました。


FRBは失業率上昇と景気後退を多少代償にしてでも、インフレを潰そうとしています。



【今後の利上げについて】

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ブルームバーグより

新たな金利・経済見通しで示された、FF金利見通しの中央値は2022年末が3.4%、23年末が3.8%となり、より速いペースでの利上げが示唆されました。

3月時点での予測中央値は22年が1.9%、23年は2.8%でした。

2024年の中央値は3.5%を下回っており、長期的な目標も2.5%以下ですから、一旦強く利上げをして、インフレを潰した後、金利をちょうどいい水準まで下げようという考えが伺えます。

景気後退や失業率増加も予想されていますから妥当と言えるでしょう。

ただ、来年4%以上の水準を予想したメンバーが4人いることも伺えますね。

【FRBの見通し】

失業率見通し中央値(カッコ内は前回見通し)

〇22年 3.7%(3.5%)

〇23年 3.9%(3.5%)

〇24年 4.1%(3.6%)

〇長期 4.0%(4.0%)

個人消費支出(PCE)価格指数伸び見通し中央値

〇22年 5.2%(4.3%)

〇23年 2.6%(2.7%)

〇24年 2.2%(2.3%)

〇長期 2.0%(2.0%)


【各市場の反応】

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発表後、株価は上昇。

米10年債利回りは3.307% ‐0.176と低下。

ドル円は一旦円安に振れた後、133.71円台まで戻しました。

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【パウエル議長の発言まとめ】

FOMC後のパウエルFRB議長の会見のポイント

〇インフレを低下させることが不可欠。インフレリスクは引き続き上向きとみている

〇高インフレリスクには非常に注意を払っており、インフレ率引き下げに強くコミットしている。5月FOMC以来インフレは驚くほど高進、より大幅な利上げが正当化されると判断  

〇供給制約は予想以上に長く、物価上昇圧力は拡大している

〇中国のロックダウンは、サプライチェーンの問題をより悪化させる可能性が高い

〇労働市場は非常にタイト。労働需要は強く、労働力の供給は抑制されている。労働市場が堅調なうちにインフレ率を2%に引き下げることが目標

〇失業率が4.1%に上昇しても、歴史的に見てまだ低いレベル

〇米経済は堅調、引き締めに対応する態勢が整っている。


〇消費に変化が見られるが、全体としては非常に堅調。雇用の伸びは鈍化しているが、依然として堅調経済は少し減速しているが、まだ健全な成長レベルにある

〇エネルギー価格に影響を与えることはできないが、インフレ期待への潜在的な影響に留意する必要

〇景気後退を誘導しようとしているわけではない

〇利上げのペースは今後のデータ次第。75bp刻みが一般的になるとは思わない

次回FOMCでは50bpか75bpのいずれかが適用される可能性が高い

〇インフレ巡りさらに驚く事態が出来する可能性、機敏な対応が必要

〇今回は極めて異例の事態、普段以上に明確にすることが有用と考える

〇FRBが犯しうる最悪の過ちはインフレ低下に失敗すること

〇現時点ではFRBがコントロールできない要因に左右される可能性の方がはるかに大きい

しかし、われわれは断固とした決意をもって、かつ柔軟に対応するとのこと。

参考「ロイター


【まとめ】

FRBは高いインフレに積極的に対応する姿勢をと、

今後は景気が減速し失業率が上昇すると予測を示しました。

インフレと強く戦う姿勢を示したことや今後についての方針、

FRBの姿勢が明らかになったことから、

前日までに大きく下げていた株を買い戻す動きが見られました。

また、市場は、事前にフェドウォッチャーのニック氏の「0.75%の利上げがある」という観測記事を公開という、異例の事態とその対応により、

一週間前まではないと思われていた0.75%の利上げを事前に織り込むことができました。これによって今日の0.75%の利上げによるサプライズ的なショックや混乱は避けられました。

ここら辺のパウエル議長ら現メンバーの市場との対話力は流石だなと思います。

なんだかんだで、今年初めに紹介した「FF金利の最終到達地点が3%を超えるだろう。市場はそれを過小評価している」というバンガードの見通しが現実となりそうな恰好となりましたね。

いろいろな戦略があると思いますが、私はいつも通り投資を続けていきたいと思います。

日々のニュースや株価に一喜一憂したり、感情的になることなく、お互い頑張っていきましょう。

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