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【市場サイクル】

(株式などの)市場サイクルには大きく分けて3つの要素があります。

1.景気・経済のサイクル 

2.企業の利益のサイクル 

3.(投資家の)心理的サイクル (上昇局面では楽観的になり、下落時には悲観的になるなど)

【経済のサイクル】

今回はそのうちの一つ。1.の経済のサイクルについて考えていきたいと思います。


一国の長期経済成長率の加速や鈍化は、

株価や企業利益などのサイクルに比べて変動幅は少なく、

長期間観察・測定してようやくわかる程度です。

例)米国の経済成長率(GDP)は概ね+3%で推移しているなど・・・


しかし、経済成長率や景気の変動は、企業利益などの他のサイクルに大なり小なり影響を与える、

重要なサイクルだという事もまた忘れてはいけません。



【経済・景気サイクルの特徴】

経済・景気のサイクルは通常約10年単位の時間をかけて、徐々に変動していきます。

このため企業や投資家心理のサイクルに比べると、

長期での年平均の成長率は比較的安定した水準になります。

ただ、平均の罠にも注意が必要です。

長期的な経済成長率が安定していれば、1年ごとの成長率も安定していると思うかもしれません。

しかし、実際には、(だいたいはトレンドラインに沿って動きますが)

たくさんの要因が影響し、一年ごとの成長率ではばらつきが見られます。

補足)米国のGDP成長率は一年単位ではだいたいー2%~5%で推移します。また株式市場のクラッシュ時など、稀にですがこの数値を逸脱することもあります)


【経済のサイクルの要因】

では、経済のサイクルには具体的にどのような要因が影響するのでしょう?

基礎的な要因

〇出生率、労働人口の増加・減少など

〇生産性の向上など

※出生率の増加や人口減少等の影響は10年ぐらいかけて徐々に景気や経済成長に影響を与えると一般的にはよく言われています。


【内的要因と外的な要因】

次に1年ごとの成長率をばらつかせる要因も見ていきましょう。

大きく分けて二つに分けられます。

内的要因

〇消費者が支出するか・貯蓄するか

〇企業が拡大するか・縮小するか

〇生産を増やすか・減らすか

など。消費者や企業経営者の決断・心理状態によって左右される要因


外的要因

〇政府の決定(戦争、税率の変更、貿易摩擦など)

〇自然災害 (地震、台風など)

これらの要因が一年単位での景気や経済成長のサイクルに影響を及ぼします。

追記)2022年現在、奇しくも正にこの内的要因および外的要因の両方がが投資家を悩ますポイントとなっていますね。


【ポイント】

経済成長率や景気は長期で見ると安定し、サイクルに従って緩やかに変動する。

しかし、1年単位で見るとトレンドラインの周辺を上下に(ランダムに)振れる。(稀に大きく外れることも)

多くの投資家やトレーダー、経済学者等はよく1年ごとの経済成長率を予測しようとします。

そして多くの場合は、(それまでの数年の)平均的な実態に近い予想をします。

ただ、それでは、トレンドから著しい乖離をした時に大きく予想を外すことになります。

(その予想に従って運用していた場合、資産は・・・)

最近ではブリグジットが、欧州の短期的な景気サイクルの転換させたと言われています。

(経済、社会、政治面のみならず、消費者、投資家、経営者の真理に影響を与え、目先の経済成長率の鈍化につながった可能性があるとみられています。)

ただ、そういう歴史的な出来事だけではなく、

比較的変動が少ない、通常に近い状態の時だとしでも、他人より正確な予想を毎年、毎年何十年も続け、市場平均を上回ることのできる投資家は果たして何人いるでしょう?


以下私個人の感想となります。


経済のサイクルは、(業種・企業等によって強弱はありますが)企業の利益や株価にも影響を与えるため、

長期的にアクティブ投資をする方や動的PF戦略を採用している投資家にとっては一定の目安となり、考慮すべき対象となり得ます。

しかし、数か月や一年などの短い時間でサイクルを予想し、正確に測ろうとするのは非常に多くの内外の要因が絡むため困難だと思われます。

景気後退がいつ起こるのか、どのくらいの期間続くのか、それが株式市場にどの程度の影響意をあたえるのか。いつ反発するのか。これらはわかりません。
世界の株価 最高値に戻るまで

その予想に従って他人を出し抜き、平均以上の利益を狙うの難しいうえ、外した時は市場を大きく下回る可能性もあります。

結局みんなと近い予想、同じくらいの精度の予想しかできないのであれば、長期的には結局市場平均並みの結果となり、動けば動くほどコスト的に自身のリターンを押し下げることに繋がります。

(リスク・リターンのバランスや、分析に費やす時間と結果との効率もイマイチに思えます)

いずれにしても、長期の景気・経済成長のサイクルは考慮しつつも、1年単位など短い期間の経済景気サイクルには一喜一憂しすぎないことが大切だと思います。


私はS&P500ETF(VOO)に長期投資をしています。

やはりこのS&P500指数に長期投資という投資方法も、景気サイクル同様、短期の成績に一喜一憂せず、長期的視野に立ちどっしりと構えることが大切だと思います。

さて今週も素敵な米国市場が幕をあけます。

当たり前に起こりうる市場サイクルを楽しみながら投資を続けていきましょう。

次回は企業の利益サイクルについて書いてきたいと思います。

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